ふたつの胸の膨らみは…。〜図書室にて〜
「はぁ〜っかい。帰ろうぜ」
先にホームルームを終えた悟浄は、1年A組の廊下側窓から
荷物を持って立ち上がったばかりの八戒に声を掛けた。
ちなみに悟浄は1年E組。
この学校は成績順にクラス分けをする為、
悲しいかな八戒とクラスメイトにはなれないようだ。
ちなみにF組というものは…ない。
「―あ、悟浄。すみませんが急に生徒会のミーティングが入ったんです」
「あん?そりゃまた急な…」
八戒は1年生ながら、生徒会の副会長を務めている。
今は新入生歓迎会の準備で大忙しだったりするのだ。
それはまぁ、仕方のないことなのだが…。
「八戒。そろそろ行くぞ」
「あ、玄奘会長!すみません、すぐに行きます」
悟浄のいる、すぐ隣の窓から呼びかける男に、八戒は笑顔で答えた。
「……これはこれは、玄奘会長…(怒)」
如何にも憎々し気に言うと、相手もこちらを見て、露骨に不快そうな表情を見せる。
「―沙悟浄。いい加減にその髪を切れ。校則違反だろうが」
「はん?アンタも違反なんて山ほどしてんだろ?」
「何を根拠に」
「ばっくれんなよ」
取っ組み合い寸前、と言った処で、
「―やめてください!」
「「八戒…」」
鶴の一声で、二人とも大人しくなった。
呆然とする男どもを睨みつけたまま、八戒がパタパタと廊下に出てくる。
「会長、行きましょう。…悟浄、すみません」
別に浮気しに行くわけでなし、謝られるべきことでもないが。
「…んじゃ先に帰るわ…」
急に方向転換すると、背を向けたまま手を振った…。
「ふぅ…」
小さく溜息をつく。
結局ゆうべは帰りが遅くなってしまい、悟浄の携帯に電話するのも気が引けて。
朝は朝で、早めに登校する羽目になった為に、悟浄と顔を合わせていない。
休み時間はタイミングが合わないし、
昼休みは生徒会で呼び出されて…。
放課後の今は、図書室脇の資料室で、会長に頼まれた調べ物に苦労して…。
ようやくキチンと纏め上げて、後は報告だけとなったが気が重い。
「悟浄、何か怒ってたみたいだったし…」
はぁ…と再び溜息をついて、壁際の本棚に凭れた。
その時―、
ガチャリと扉が開いて、そこにいたのは…。
今まさに会いたかったひと。
「―悟浄…。どうしたんですか?」
「どうしたって…、書記のヤツに聞いたら図書室だっつーし、
ここに来たら八百鼡ちゃんが資料室に篭ってるって言うから…」
本日の図書委員は、八戒と仲良しの八百鼡ちゃんだ。
「あ、の…悟浄」
良い機会だと話し掛けようとする八戒の耳に、
ガチャリと鈍い音が聴こえた。
「ご、じょう?」
資料室の鍵が掛けられたのだ。
「―なぁ、あの三蔵って野郎と何かあったのか?」
ドンドン距離を縮めてくる悟浄の言葉が理解出来ない。
「何か…ってどういうことですか?…何か有る訳ないでしょう!」
酷い、と何度も首を振る。
カツンと革靴の音が止んだ。
大きな手が伸びて、頬に触れられる。
「…ゴメン。疑ってるわけじゃないんだ。…ケド、お前が…」
「僕が…?」
「怖いんだ。何時か、誰かに奪われるんじゃねーかって…」
八戒の小柄な躰がスッポリと包まれる。
見上げた悟浄の表情はいつになく不安気なものだった。
「どうしてですか…?僕はいつだって貴方だけのものなのに…」
子供を宥める母親のように柔らかく微笑んで、広い背中をポンポンと擦る。
「だったら」
「え?」
「確かめさせて」
云うや否や、スカートの中に手が潜り込んできた。
「―嫌っ!こんなところでっ…」
抗っても腕力では敵わない。
何よりも相手はこちらの弱い箇所を知り尽くしているのだから。
下着を少しだけ擦り下ろされ、性急に窪みをなぞられた。
「――あっ!」
中指の第2関節まで挿入されると、クチャリと音が鳴る。
それが酷く恥かしくて…。
「…どした?震えてる…」
男がクッと笑うのが、やけに腹が立つ。
「あ〜っ…ッ…」
それでも…内部の敏感な部分を刺激され、小さな悲鳴を上げるしかない。
膝が笑い、マトモに立っていられなくなりかけると、
悟浄の腕にすかさず支えられた。
「よいしょっ!」
掛け声とともに、お尻を大きな本棚の三段目に乗せられ、
両脚を悟浄の肘にすくわれる。
「―な、にを…するんですか…?」
「そりゃ、ナニっしょv」
ポケットを探り出した悟浄の右手が避妊具を取り出して、
包みの端を唇に銜えたまま、ニヤと笑った。
「…ぜったい…ヤですっ…!外に聴こえますからぁっ!」
イヤイヤとするように激しく首を振るが、相手は楽しそうに準備を進めている。
「ま、大丈夫だって。八百鼡ちゃんしかいなかったし…あの娘、鈍そうじゃんかv」
そう言いながら、先端を突きつけられる。
「あ…っ…!」
遠慮無く、ズンと入ってきた。
悟浄の身体によって大きく開かされた脚が、ビクリと跳ねる。
「…こうやってるときが…いちばん…俺のモンだって実感できる…ッ…」
「や…ぁ…あっ」
激しい揺さぶりについていけず、棚の縁にしがみついた。
それでも悟浄の動きは変わらず激しいせいで、
「―あ、いてっ!」
上段から数冊の本が、悟浄目掛けて降ってくる。
「ちっくしょ〜っ!こうなりゃっ」
「…ぁ…、な、に…するん、ですか…ア…ッ…」
八戒の疑問に口答ではなく、アクションで答えようと、
「よいしょっ…っと!」
「――ひぁっ…アあ…っ!!」
急に八戒の躰を抱き上げた。
勿論、繋がったままで。
当然のことだが何の予告も無く、そんな行動を取られた八戒は
思いがけず深い部分まで男を受け容れる羽目に遭う。
必死で両手を悟浄の首に廻し、
それまで宙に浮いていた両脚も無体を強いる相手の腰に絡ませる。
でもそれは悟浄にとって都合が良いだけのこと。
「―スゲっ…奥まで…っ…」
「あぁぁあぁぁあァッ!!」
どれだけ泣いても、本当に嫌で泣いてるわけじゃないと知られているから。
余計に強く叩きつけられる。
大きな両手に掴まれた小さなヒップが激しく揺れて。
「…っ…」
「やっ!―――――っッ!」
数秒後に静寂が訪れた。
「…で、どうしてお前の背に八戒が負われているんだ…?」
神経質そうな眦を更に寄せて、三蔵が悟浄を睨み上げた。
「すみません、会長。その…急に貧血で…」
八戒はなんとか言い訳をしようと試みるが、
「そうそう、かなり激しかったから歩けないんだよな?v」
「―何を言ってるんですかっ!(///)」
慌ててポカリとやるが、益々認めてしまったようなものだ。
「んじゃ会長さま? ご所望の資料は置いていきますんで…」
余裕綽々といった悟浄の態度に、三蔵の目付きが益々悪くなる。
「…八戒。ご苦労だった。…ゆっくり休めよ」
それでも八戒を見るときだけは少しだけ柔らかな目線を見せる三蔵に、
「あのさぁ、悪ぃんだけど…俺の女、呼び捨てにしねぇでくれる?」
「ナニ…?」
「―悟浄っ!」
八戒の咎める声も聞かず、ニヤリと笑うと、
「じゃ、そういうことで」
八戒ごと背を向けて、生徒会室を跡にした。
「何を考えてるんですかっ?! もう信じられませんっ!(///)」
「はは、いーじゃん。こういうことはハッキリさせねぇとなv」
「…恥かしくて…会長に合わす顔がないです…」
「合わさなくていいってv」
「―もうっ!」
下校時刻をとっくに過ぎた校門前では、
アイドル猪八戒ちゃんが、沙悟浄に負ぶわれながらジタバタする光景が目撃されたとか。
その頃、図書室では…。
「…ハーレク●ンロマンスも悪くないわ…」
利用者カードの整理のフリをしながら次回イベントの801原稿を書いていた図書委員が
ボソリと呟いたことは。
……誰も知らない(笑)。
End
★ 魚住さまのアトガキ ★
大変長らくお待たせしました。
遥かさん、ご所望の『図書館エッチ』です(笑)。
こんなもんでどうじゃらほい?
ダメって言われても、もう鼻血も出ないよ(T▲T)
エロの書き方を忘れたもんでねぇ…。しみじみ。
しかしまぁた報われない役で三蔵くんが登場です(笑)。
出てこなかったけど、彼には悟空という従兄弟が居ます★
んで八百鼡ちゃんはやっぱ…(^-^)>
はは、んなことばっか考えてるんだねぇ(笑)。
取り合えず、可愛がってやって下さいv
★ 遙かのコメント ★
B&Bの魚住涼さまより頂きましたv
どうして、ウチの旦那さまは妻の私が欲しいモノが分かるのでしょうか
カキコでぼそっと言ったコトをこんな形にして頂けて
今、私はジーンと感動しておりますですわ
ゴジョ、イー男なんだもん
あんな風に弱音言われたらさ
八ちゃん、許しちゃうよお
普段が強気だからさ、くらっとくるよね
ん、そうすると…確信犯かいな…ねぇ
ゴジョ、このヤロ、絞めてやるぞ・笑
さて、素敵なモノをお年玉で貰えてほくほくしてます
ありがと、愛してるからねv chu
あと、所望のモノに大満足ですが
八百鼡ちゃんの新作本が欲しいです
いつ、発行になるのでしょうか笑
