秘密の恋



「け〜んれん♪」
執務室の扉から明るい声と共に顔を覗かせたのは、天界一の美人と名高い天蓬元帥。
この部屋の主にとっては最愛の恋人なのだが…。
その相手のせいで溜まりに溜まった書類整理を余儀なくされた今、
到底笑って出迎えてやる気になれない捲廉だった。

「…お前なぁ、ヘロヘロ笑ってる暇があったらコレ書けよ」
手にしたペンをクルクルと廻しながら、扉を閉めてこちらに向かってくる天蓬を睨み付けた。
「え〜、残念ながらそんな暇は無いんですよv」
全く悪びれた様子もなく、部屋中をウロツキ始める。
無視を決め込んで筆を走らせるものの。
すぐ横にピッタリと張り付いて、書面を覗き込まれると流石の捲廉も我慢の限界だ。
「だぁぁああ!もううっとーしい!何がシテーんだよ、お前は!」
「だって、何にもないから退屈なんです」
しれっと、当然のように微笑まれ、捲廉は怒る気力も奪い去られてしまう。

「―も、いい。勝手に何かやってろ」
暇はないくせに退屈。
そんな相手の矛盾に呆れながらも、捲廉は再び目の前の書類をヤッツケ始めた。
「んじゃ、勝手に遊ばせて戴きますねv…隠れんぼにしようっと。―ちょっと失礼」
「…おい、ちょっと…」
捲廉が腰掛ける椅子の脇に身体を潜り込ませると。
天蓬はデスクの下にゴソゴソと隠れ(?)てしまった。
恋人の奇行にはすっかり慣らされた捲廉は、構うことなく書類の判を押す。
しかし―
「―ちょっ!お前っ、何をしてんだっ?!」
急に素っ頓狂な声を上げた。
何故なら、『隠れんぼ中』の恋人が…スラックスのファスナーを引き下ろし、
捲廉の下着から大事なモノを取り出していたのだ。
「いいオモチャが有ったのでv 構わずお仕事して下さいv…んっ」
「…くっ…オモチャってお前っ…」
話し終えると同時に唇での愛撫を開始されて。
「は…ぁ」
手馴れた天蓬の口技に、元遊び人の捲廉ですら陥落させられる。
先端の窪みを舐められ、茎を細い指で撫でられて。
仕事のことなど忘れて、ただひたすらに天蓬の与えてくれる快感に酔いしれようとしたその瞬間。

コンコンッ―と
執務室の扉が叩かれる。
「失礼ですが、天蓬元帥はこちらにおられますか?」
扉の向こうから掛けられる部下の永繕の声に。
「…はいどうぞv」
先端に舌を這わせたまま、こともあろうに天蓬は返事をした。
「失礼します」
一礼しつつも扉を開いた永繕に。
「―おわっ!入ってくんなっ!」
捲廉は慌てて入室を拒んだ。
元帥が口で大将のモノを咥えた――そんな姿を部下に見せてどうしようと言うのだ。
凄い勢いで怒鳴られた永繕は慌てて後ずさりながら。
「―しっ、失礼致しました。…しかし、天蓬元帥のお声がしたと思いましたが…」
よく考えれば、入り口そばに立つ彼から机に潜り込んだ天蓬は死角になって見えていない。
どうして元帥の声が…?、と首を傾げる永繕に怒鳴りつけたことが申し訳ない気持ちに苛まれる。

「…す、すまん。天蓬ならここにはいねーぜ……イッ!」
「どうかされましたか、大将!」
痛そうに呻いた捲廉を心配そうに身を乗り出すが、そうされてははっきり言って困る(笑)。
「―なっ、何でもねぇよ!天蓬なら別を当たってくれ、な」
「は、はい…では失礼致しました…」
心配そうな表情を残しつつ、永繕が扉の向こうに消えるのを見届けて、捲廉はほっと息をついた。

「ウソツキですね…僕はココにいるのに?」
ひょっこりと顔を出す天蓬の口元は怪しく光っている。
「おまっ!噛むなよっ!―しゃ〜ねぇだろっ。俺は露出狂じゃねーんでな…ったくっ」
ブツブツと文句を言ってみるものの。
繊細(?)な神経とは裏腹に、捲廉のソレはすっかりヤル気満々で。
「ふふっ…でもシタイでしょ?」
極上の笑みとともに、机の下から這い出て。
だらしなく締められたネクタイを解いて床に落すと。
白衣・ワイシャツ・スラックスと順に。
ストリップショーの如く、セクシーに衣服を剥ぎ取った天蓬の白い躰が、日中で明るい部屋に曝される。
もう何度も見たのに、酷く興奮させられるそんな躰だ。

「…机に這え…」
低い声で呟いた捲廉の言葉に、天蓬は薄く笑うと素直に従う。
上半身を事務机に正面から乗り上げさせ、男の指が最後の砦である下着を剥ぐと。
天蓬の剥き出しの小さな尻が、益々捲廉の興奮を煽ってしまう。
両脚を大きく割り開かれ、その奥に秘めた部位をぬめった舌が這う。
「―あ……っ!ふ、…ンっ」
少しずつ深い箇所を濡らし、執拗なまでに天蓬を喘がせて。
「はやくっ!けんれ、ん…っ!きてっぇっ――あ!」
ようやく捲廉は椅子から立ち上がり、天蓬が求めるままに背後から挿入させた。

事務机が何度も軋み、それに合わせたかのように天蓬が甘く鳴く。
「ア…あっ…けんれ、ん…イイっ…!」
まんまとハメラレタと云う気もしないではないが、捲廉とて決して淡白はほうではない。
自らをキツク締め付ける天蓬の肉襞に夢中になりながら、激しく腰を打ち付ける。

『天蓬元帥!おられませんか!天帝がお呼びです!』
『元帥!』
扉の向こうからしきりに部下達の足音や、天蓬を捜す声が響いてきた。

「…お、い…確か鍵は掛かってねーよな…」
先程部下の一人が入ってきたあと、別段鍵を掛けた覚えは無い。
この状態を誰かに見られたら、もう誤魔化しようもなくて。
「もっ…そんなのいいからっ…アっ…けんれっ…」
天女の如き美声で喘ぎ求められて。
捲廉の理性(?)とてそう長く続くものではない。

「…バレたらバレた時だよな…」
机に突っ伏したままの天蓬の躰を持ち上げると。
再び椅子に腰掛けて、結合したままの白い躰を突き下ろす。
細い膝裏を両手で支え、脚を高く上げさせる。
もしも誰かが入ってくれば、二人を繋ぐ部分まで丸見えのはずだ。
いつ、誰が入ってくるかも判らない。
そんなスリルが二人をより興奮させた。
「アアっ!捲廉っ!…イイッ!はぁ…ン」
互いに知り尽くした互いのイイトコロを擦らせるように、何度も上下させる。
そのたびに天蓬の脚はピクリと跳ね返るのが、その快感をダイレクトに伝えてくれて。
「あぁ…けんれんっ!…おねが、い…」
イカセテ、と強請る天蓬の奥を集中的に突き上げる。
キィキィと椅子が悲鳴をあげるなか。
「お前…ヨすぎ…っ!…もうもたね〜っ…んっ!」
「あっ!―――!!」
泣き言のように呻いた捲廉に続いて、天蓬も。
唯一男性らしさを示すモノから白く濁った雫を溢れさせた…。




「…はぁ〜〜。なんかお前に釣られちまったけど…流石にマズッたかなぁ…」
ちょっとだけ反省…と一人ゴチる捲廉を見て。
「何を僕のせいにしてるんですか?あんまりですっ!…でも素敵でしたよ、捲廉v」
白衣を着る手を止めて、捲廉の頬に小さくキスを落す。
「…(///)!!…ま、いいかv」
現金にもすっかりご機嫌になっている捲廉は…気付いていなかった…。

扉の向こうに人だかりが出来ていたこと。
そして―。
まさに今、身に付けられていく、天蓬の白衣のポケットに。
『倦怠期の乗り越え方K 〜羞恥プレイ編〜』
と書かれたミニガイドブックが収められていることなどは…(笑)。



End


魚住さまのアトガキ

「復活のお祝いしますねv」なんて言いながら
すっかり遅くなって済みません。
復活されて、バリバリ更新されているので安心しました。
これからも異常更新頑張ってねv
遥かさんに送ったことのない、捲×天。
しかも激エロでお送り致しました(笑)。
最近はすっかり捲兄苛めが楽しくって困りマスv


遙かのコメント

あーりーがーとー、あなたvv
あ〜、なんて、イイ物を〜くらくら。
人のトコを散々、エロエロと言いつつ。
それを上回る、エロエロをありがとうv
もお、愛してるわ。チュッvvv
しかし、天ちゃんてばどっから手に入れてきたのやら…ι
だけど、それがいいんだろーなー、捲兄ちゃんは。