その1 妙の字
松ヶ崎の寺は、天台宗でしたが、この寺の住職の実眼が、
京都の町中で説法を始めた 日像という法華宗の高僧に会い
すっかり心服し、村の衆一同にも 法華の教えを広めたいと思いました。
そこで 日像を村へ招き、二夜三日にわたり 村人に 説法を聞かせ
遂に 一村こぞって 天台宗より 法華宗に改宗してしまいました。
実眼は 大いに喜び、自ら太鼓を打ち鳴らして
「南無妙法蓮華経」と唱え、踊りました。
今でも この寺では 本堂のことを「躍堂」と呼び、
盆の送り火の後は、題目踊りをするようになりました。
日本の盆踊りの始まりといわれています。
その時に 日像が 裏山に登り、杖を引きながら
山を歩き その後を 村人がたどるうちに
立派な 妙 と言う字になったといわれています。
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