その6 桜井



妙の字山の麓に 桜井と云う泉があります。
清少納言の「枕の草子」に「井は少将の井、桜井」とあります。
一年中、涸れることなく 清冽な水をたたえています。
流れ流れて 他の小川と合流し、泉川となり
下鴨神社の方へ 流れていきます。
泉式部が この川の畔に住んでいたので その名が付きました。
桜井については、紫式部が
「六月ばかりに 桜井の聖のもとに行きたりしに、鶯の鳴きしに」
「春めける 声にきこゆる鶯は また桜井に すめるなりける」
という 歌を詠んだ泉 ともいわれています。

 
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