その9 水争い
   

田植えが近づくと 村人達の間に 緊張感がみなぎります。
夜になると、中老(村の役職)達が 若者を連れて
農具や 藁、菰、などを持って 井関を見回ります。
松ヶ崎の井関だけではなく、太田の井関なども見に行きます。
井関の間の争いは、役人にも申し入れ、しばしば裁定が下ります。
例えば 元禄三年には、「五日に一度は 松ヶ崎に 水をさげよ。」
とあります。
井関の崩し合いになると、その都度 中老が掛け合いに行きます。
勿論 力ずくの時は、若衆の出番となります。
役人からは、「崩された井堰には、石、木、芝 で 堰き止めよ」
などと 指示があります。
松ヶ崎が 水争いに いつも 強かったのは、村の組織が
しっかりしていたからなのです。

(写真手前は 高野川の流れが、井関でせき止められています。
中央に 松ヶ崎の水の 取り入れ口の 水門があります。)

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