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表紙 ≫ 『特集』 冬の秋山郷

     
秋山郷は長野県の北端に位置する豪雪地帯だ。いや、豪雪地帯らしいのだ。秋山郷を記すどのガイドブックにもそのように紹介されている。
だから、今まで出掛ける勇気がなかった。そんな土地は僕の二輪駆動の自動車じゃ太刀打ちできないかもしれない・・・。
雪のない頃に出掛けた秋山郷最奥地、切明温泉川原露天風呂の気分良さが忘れられないでいた僕。雪を愛でつつの入浴は、きっと、いいもんだろう。あー行きたい。今、行かずにいつ行けばいいのだ?
  と、出掛けてきました、秋山郷。
上信越道飯山インターから北進。一度に新潟県津南町に入ってから山道を進むのである。
どんなに、雪が積もっているんだろう?不安な気持ちを持ちつつハンドルを握る。
が、そんなに積もっていないのである。ここ最近雪も降っていないようで道路に雪が積もっているところさえ少ない。左の写真は絵になるように道路に雪が積もっているところを選んで撮ったのだ。
『除雪のためガードレールを
外してあります』←看板
分かりにくい? 日陰の道は川のように水が流れているところ多数。 凍結対策のようだ。
 
まずは和山温泉 “仁成館”。
小さな集落の奥地にあるこの温泉。道の除雪もしっかりなさされていた。

露天風呂は混浴一つだけ。癖のない透明なお湯にわずかな湯ノ花を見ながらの入浴だ。
目の前に広がる山並みと雪景色を見ながらの露天風呂。ズーッと入り続けたい・・・。
機会があったら泊まりで満喫してみたいものだ。

さらに奥地の切明温泉へと向かう。
車を降りて雪道を200mくらい進む 川原は湧き出る温泉と地熱で雪が溶けている
 
  秋山郷最奥の地、川原の露天風呂だッ。
雄川閣という、旅館前の駐車場に車を止めて、目の前にかかる橋を渡ると、すぐに左上の写真の雪道に入る。幸い積雪が少なく、すでに踏み固められた雪道があり、歩きやすい。
平日のこの日は先客もいなかった。
川原からコンコンと湧き出る温泉が川水と混じるところに石で囲いを作った湯船がいくつか作られていて、その中の一つに、身を沈める。
湯温は少し熱いくらいか。別の湯船に入ると今度は温めでちょうどよい。
すぐ横を流れる川の水が流れる優しい音と、たまに訪れる鳥の鳴き声以外に何も聞こえない。
目の前の白銀の風景に囲まれて至福の時だ。
ここに来るのは3度目だがどのシーズンに来てもいいところだ。
結局一時間以上いたが誰も来なかった。
次に行くのは小赤沢温泉“養楽館”。
秋山郷には温泉が点在しているのである。
小赤沢温泉は、赤いお湯で濃度の高さが自慢の温泉である。露天はなく内風呂だけだが、何かの雑誌に養楽館の食堂の郷土料理がおすすめと書いてあったのでここは是非食してみようと向かった。
しかし、『定休日』との看板が・・・。あわててガイドブックを開くと11月から4月までは水曜定休だとある。がっかりだが仕方がない。
気を取り直して、屋敷温泉“秀清館”へ。
露天風呂の特徴は宿へ向かう通り道から丸見えであることである。で、まず、写真を一枚撮る。
ところが様子がおかしい。露天は確かに存在するのだが、お湯がなんだか冷たげなのである。つまり、水のように見える。
何せ、通り道にある露天なので、ちょっと、失礼して指先で触れてみる。
あー、やっぱり水だぁ。
どうやら、冬は内風呂だけらしい。
これで2連敗だ。
さらに気を取り直して、上野原温泉“よさの里温泉”へ。車を止めると建物の中から出迎えの人が。
そして、「昨日の寒さで管が凍って露天のお湯が出ない」と言う。がっかりである。
でも、「わざわざ来てくれたんだから内風呂でもどうですか」と言ってくれた。しかも、無料で。
商売で風呂入れている以上“無料”というのはあってはいけないことだと思うのが、それをしてくれるというのである。そんな心意気が3連敗目を言い渡され、落ち込む僕の気持ちを嬉しいものに変えてくれた。でも、露天に入りたかったのでありがたくお断りさせてもらった。
写真は以前5月に来たときのもの
 
最後に訪れたのは新潟県津南町にある“萌木の里”秋山郷の入り口あたりに位置するコテージ宿泊をメインとした施設の温泉だ。
ガイドブックには水曜定休と書いてあったが、駐車場を除雪している方に聞いてみると、営業しているという。
これで、連敗ストップである。
が、受付で冬は内風呂のみの営業であると言われてしまった。
ここまで来て、引き返す訳にも行かず不本意な内風呂に浸かってしまった。

     
長野県下水内郡栄村 2004年1月


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