要望書

 立春を迎え、皆様にはますますご清祥の事とお喜び申し上げます。
平素より、障害児教育にご理解・ご指導を賜り、環境整備や教育活動につきましても格別のご配慮をいただき、厚くお礼申し上げます。
 さて、本校に通学する幼児・児童・生徒たちの実態は、年々重度化し、障害状況も多様化してきております。障害児教育を取り巻く課題は、多々ありますが、特に、「卒業後の進路」については、大変厳しい現実があります。
卒業後の進路については、先生や保護者たちの懸命な取り組みにもかかわらず、進路の選択肢ともいえる道筋も少なく、「自分を生かして生きていく」というごく普通の生き方さえできない厳しい現実が待っています。
 言葉がないために、叫びを人々の耳に届けることが難しく、コミュニケーションをとる事が苦手な彼らは、体の動きや態度で訴えてはいますが、その訴えが理解される事が大変少ないのです。自分の気持ちが伝わらないため混乱し、パニックに陥ったり、うれしさを表現しようと大声を出したりする事が特別なこととして受け取られ重度な障害児として敬遠されたり、迷惑がられたりしているのが現実です。
 それぞれの人が、その適性と能力に応じた仕事に就き、それに生きがいを感じて、充実した毎日を過ごせる事は、どんなにすばらしい事でしょう。働きたいと意欲を持っているにもかかわらず、障害があるというだけで雇用されないのは大変残念な事です。
今後は生涯にわたり、地域社会の一員として、生活自立の努力や自己意志の確立、仲間との協調性を養うための力をつけるため、継続的な支援が必要であると考えております。卒業生にとって、厳しい社会から「守られる場所」ではなく、様々な問題に「打ち勝つための場所」であり、自助努力をするために必要な支援が受けられる『多紀郡障害者活動センター』がどうしても必要であると考えております。
 私たちの切なる思いに、より強力な支援を心からお願いし、格別のご厚意により実現を賜りますよう下記の通り要望いたします。


『多紀郡障害者活動センター』の内容として

1.生活の場としての、職業及び生活訓練を核とした施設。

2.働く場としての授産を核とした施設。

3.学童保育を核とした施設

の設立を実現できますよう要望いたします。

平成11年2月8日


戻る