モエナが生まれる前に、友人夫婦＋そのオコサマと、ボクら夫婦でファミレスで食事をした。 その時に、もう離乳が始まっていた友人のオコサマ（ユイチャン）は、 お子様プレートような物をオーダーした。 もちろん、離乳が始まった頃のユイチャンが 「アタシハオコサマプレート」なんて具合に自分でオーダーするはずはなく、 ママのノリゾーが頼んだのだけれど。

その頃、ニンプ中でハハオヤ予備軍だったヨメは、 その味付けに興味を持って「一口くで」って味見をさせてもらったんだけれど、 彼女が言うには「やっぱ味付けが薄いんだねぇ」ってことだった。 離乳食を始め、コドモ用の食べ物って言うのは、概して味付けが薄いみたいだ。

味付けといえば、何年か前に、顔の種類を「ソース顔」と「ショウユ顔」に分類するのが流行った。 その分類で行くと、ボクもヨメもどちらかと言うとソース系なんだろうと思う。

うちはマンションで、すごく広いわけじゃなく、でもベッド派なんで、 ボクら夫婦はダブルベッドで寝ているんだけれど、 まだモエナが夜も３〜４時間おきにミルクを飲んでた頃、 ヨメにヒドイ事を言われた。曰く、
「夜中にモエナが空腹で泣いたから目を覚ましたときにふと横を見たら、 でかくて濃い顔があって(ボクのこと)、死ぬほどビックリした。」
だと。

言われたボクは「ひでぇな。そんなことで死ぬか」って答えたんだけど、 その数日後に今度はボクが夜中に目を覚ましたときに、 目の前でこっちを向いて寝てるヨメの顔が見えて「心臓が止まるんじゃないか」 と思うくらいギクッとした。で、夜中にも関わらず大笑いしちゃったんだけれど、 コドモの顔に比べてオトナの顔はメチャメチャ濃いんだよね。 おまけにやっぱり相当デカく見える。 それこそ、夜中にいきなり見ると死ぬかと思うほどビックリするくらいね。

コドモを抱いているときは、かなり近い距離で顔を見てるんだけど、肌はキレイだし、 顔の味付けもまだ薄い。でもそれに本当に気付いたのって、 上に書いたように、同じような距離でオトナの顔を見ちゃった時だった。

それ以来、暫くの間は、電車に乗っても会社に行っても、 すれ違ったり話したりする人達の顔がメチャメチャ濃く見えて、 なんかガリバー旅行記の番外編「顔濃人の国」なんてのを書きたくなるような、 そんな状態だった。毎日、笑いをこらえるのが大変だった。

かなり強引無理矢理なマクラから本題に展開したけれど、食べ物の味付けと同じように、 どんなコドモの顔を見ても、それが彫りが深い外国Babyでも、 やっぱりオトナに比べると薄いし淡い。 そろそろ５ヶ月目になろうとするモエナは、 今もまだソラマメに毛が生えた程度の凹凸しかないけれど、だんだんと表情も出てきた。 食べ物の味付けが濃くなっていくように、顔つきもそれなりに濃くなっていくんだろうけれど、 どんな濃さになっていくのか、楽しみでもあり少し不安でもあるね。