額に汗して働くのだ!


働かざるもの…

世間は、少し回復の兆しがあると言われてはいるけれど、未だに不景気だ。 そんな中で、いいことか悪いことかは分からないけれど、ボクの回りは結構忙しい。 コンピュータ関連の会社(ソフトウエア業界)に勤めて、そろそろ10年が過ぎようとしているけれど、 暇で困ったことは一度もなかったし、「残業」ってのがなかった月ってのも、 新卒入社直後の半年くらい以外は、一度もない。
秋の気配が強く感じられる今、今日(10/18)までの1週間が、実はやっとボクの夏休みだったりする。 不景気といわれているこのご時世に、それだけの仕事量があるってのは、 やっぱり感謝すべきコトなんだろうけれど、でももうちょっと遊びたいなぁ。 でも、遊ぶんでると、お金がみるみる無くなっていくし、リーマンなボクとしては、 会社に行って働かないと、食うにも困ることになる。それどころか、ローンに追われる身分だから、 泳ぎ続けていないと溺れちゃうって言うサメのように、働きつづけていないと、溺れてしまうのだね。 働かざるもの食うべからず…か。

額に汗して働く!

などと言っても、ボクはこの夏、久しぶりに「額に汗して」働いた気がする。 ボクらの労働は、空調のバンバン効いたオフィスの中で、偉そうに椅子にふんぞり返って、 コンピュータのキーボードをパシパシ叩いて、自席よりもっとガシガシにエアコンの効いた会議室で、 やっぱり椅子にふんぞり返って打合せなんぞしてればいいから、汗なんか通勤の往復でしか縁が無かった。 それが今年の夏は、客先に訪問することが多くって、それにまた「爆暑」とかで、異常に暑かったから、 久しぶりに全身に汗をかいた日々だった。おまけにスーツだし。
やっと本題なんだけど、モエナは、まだ「ハイハイ」ができない。でも、手足の動きは、 前にもましてダイナミックになって来てる。そのまま壁に張りつければ、 どっかの「スパイダーマン」の異名をとる外国人のおっさんみたいに、 ビルでも登っていってしまいそうな勢いで、両手両足をてんでばらばらに動かしてる。 一日そんな具合だから、モエナの額はいつも汗だらけだ。髪の毛が張りついて、 ごわごわになってる時もある。
アカンボも、楽なようで実は額に汗して働いてるんだ。今は、モエナの仕事は、 オトナから見れば、非生産的で意味の無い「手足バタバタ」や、「ゴロゴロ転がり」に過ぎないけれど、 これも自分の未来(大袈裟。親ばか)に向けての大事な仕事なんだな。エアコンの効いてるオフィスなんかで、 椅子に座って手先だけ動かしてるボクらなんかより、よっぽど重労働だ。だから、好きなだけ食っていいのだ。
おまけに、最近はスキルアップして、「愛想ふりまき笑い」っていう付加価値業務も身につけたから、 親やおじぃおばぁから、まだ意味がわからんとは言え、おもちゃや可愛い(と送り主が思っている)洋服を、 ボーナスとしてもらえるわけだ。これも、ただ笑ってるだけとは言え、ボクらオトナにはもう決してできない、 「他意の無い純な笑顔」だから、やっぱりアカンボ(コドモ)故の技術なんだね。
ウチのヨメは、「コドモのため」って考えて、夏場の暑い時期も、 出来るだけ家ではエアコンを使わないで過ごしていた。コドモの暑さ対策には、 昼間に最低1回はシャワーを浴びさせてあげてたそうだ。 アカンボがいる家の奥さんは、大なり小なり、子育てっていうだけで、すごく大変な労働をしてる。 会社でホンワカしてれば給料が入るリーマンなんかより、よっぽど大変だと思う。 ウチのヨメがどうなのかは、世間のご判断に任せるしかないけれど、 ごく普通の家庭の「子持ち」の奥さんが、キレイな格好でベビーカーを押している姿を見ると、 それだけの労働をして、更に自分を整えて外に出てるわけだから、すごいなと思う。 やりっぱなしのカッコで外に出て、人を押しのけて電車に乗って、 尻をねじり込んで座る「オバタリアン(死語)」なんかより、よっぽど大変なんだと思うよ。
子連れの彼女たちの額は、ビシっと「ファンデーション」で保護されてるから見えないけれど、 その下は間違い無く、ダクダクに汗をかいているに違いない。 そんなふうを見せずに、平然と涼しげな顔をしてきちんとしていることもまた、大変な重労働なんだろうな。 で、家ではコドモの世話に追われて、素っピンで汗ダクダクかいて頑張ってるんだろうなって思う。 お疲れさま。
1999.10.19