番外のつぶやき(1)


オヤになって変わったこと

少しだけなんだけれど、「良識のある」オトナになった気がする。 例えば、朝の通勤の時に、駅のそばにある横断歩道の渡り方。 片側3車線くらいある広い道なんだけれど、朝を含めてあんまり交通量が多くない。 朝は、ご多分に漏れず、時間が少し有ろうが無かろうが、何故か気持ちが急いて (決して「早く会社に行きたいぞぉ」なんて思ってるわけでもないんだけど何故か急く)いて、 おまけにそこの歩行者用信号って「押しボタン式」なんだけど、 ボタンを押した後に、車がいなけりゃ赤でも渡っちゃう。 でも、そんな時、下手すりゃ遅刻しそうな時でも、信号で小さい子供連れのオカーサン、オトーサン、 オジーチャン、オバーチャンなんかがいると、他人事なんだけど、 そのコドモに悪い手本を見せちゃぁならねぇって気がして、ちゃんと信号が青に変わるまで待ってたりする。 すっかり小市民的犯罪者から、小心者的模範人物に変わってる。
他の例で言うと、ボクはタバコ吸いなんだけれど、近くに小さな子連れがいると、 十分距離を取ったところでタバコを吸うようにもなった。 自分でタバコの煙をよけられたり、煙の届かないところに移動したりすることができないような、 小さなコドモたちは、空気が汚れてることすら気づかないで、笑顔のままでタバコの煙を吸っているわけだから。 これまで、10数年タバコを吸ってきたけど、そういう意識をほとんどしていなかったのは、 ホントに良くないコトだったよなって、今は思う。(10年後にどういう意識でいるかはわからない)
この前、出張の帰りに横浜駅で電車を乗り換える時に、電車が来るまでの間にタバコを吸おうと思って、 喫煙コーナーに行った。タバコに火を着けるか着けないかのうちに、今風の、 オカーサンなどと書くのがはばかられるほどとても若い二人の女性が、それぞれ抱っこヒモで、 コドモ(多分うちのモエナくらい)を抱いてそばに来た。惜しい気持ちを押さえながら、 灰皿にタバコを落としたボクの横で、そのお二人は、コドモを目の前に抱いたまま、 バッグからタバコを出して吸い始めちゃった。(おいおい、煙、コドモが思いっきり吸い込んでるぞ…)
なんというか、頭に来る気にもならなくって、思わず笑いそうにさえなっちゃったシチュエーションだった。 子連れのオカーサンだって、タバコが好きな人もいるだろうし、そもそもボクは女の人がタバコを吸っても、 その吸い方さえキマッテいれば(人前で鼻から煙を出すのはどうかと思うけど)全然気にならない。 だけどね、やっぱ目の前でコドモを抱いている時ぐらいは、我慢したほうがいいと思うぞ。
横断歩道を、赤で渡りたい気持ちを必死で堪えて、おマゴさんの手本たらんとしているボクを尻目に、 「急いで渡らないとハネられて死んじゃうよ!」って笑顔で「指導」しながら、 コドモの手を引いて赤信号をノシノシ渡って行ったオバさん、頼むから「最近の若いもんは…」なんて、 訳知り顔で若い子に説教するようなことだけは、未来永劫しないでほしいなー。
そうそう、それと言葉遣いだ。ボクは、アカンボに話し掛ける時も、「なんとかでちゅよぉ」とか、 「そうでちゅねぇ」とかの背筋が薄ら寒くなるような言葉遣いは、昔から意識してしないようにしてる。 そりゃ、「モエナ、食事の時間でござる」とか時代がかった堅い言葉も遣いはしないけれど、 「モエナ、メシの時間だ」とか普通のオトナと会話する時とほぼ同じ言葉を遣う。そりゃね、 若干「親バカ係数」のかかった言葉にはなっているけれど。でもね、そういう「赤ちゃん言葉」っていうのかな、 それを遣う人を否定するわけじゃない。ただ、自分が馴染まないだけ。
それと、できるだけ「変な日本語」は遣わないようにしてる。今風の言葉、スラングは遣うけれど、 文法的におかしいとか、明らかに変な間違った言い回しはしない。 (正しいと思いながら間違った言葉遣いをしていることはあるかも) でね、ボクの使っている駅のアナウンス(実は沿線の駅で共通してるみたい)なんだけれど、
「ご乗車は、降りる方が終わってから、ご順にご乗車下さい。」
って言うんだけれど、これって何か変じゃありませんか??? 「ご乗車は」が主語なら、「ご順にどうぞ」とか、でなきゃ主語を「ご乗車の方は」などにしないと、 なんか間違ってると思うんだけれど、そんなことないのかなぁ。
こんなこと書いていたら、自分の書いているこの文章そのものが不安になって来た。 言葉遣いはそれなりに合っているのかしら。まぁいいか、この文章を読めるくらいにコドモが成長したら、 自分で文章の良し悪しくらい分かるようになっているだろうから。それに、人に厳しく、 自分に優しくっていうのが信条(?)でもあるしね。
今回は、内容がとっても「子連れは見た!」みたいになってしまった。ま、いっか。 次はきちんと「そらまめくん」の観察記録を書きます。乞うご期待。
1999.10.24