天に向かって唾すれば…
風呂好きな女(ヤツ)
最近のモエナは、ソコかしこに少しずつの変化・成長を遂げている。
お風呂についてもそう。
モエナは、洗面台で産湯をつかっていた(ほんの数ヶ月前のコトなのにもうすごく懐かしい感じ)産まれたての頃から、
お風呂が決して嫌いではなくって(というか好きなんだ)、眠くて本当に機嫌が悪い時を除くと、
いつでも喜んでお風呂に入る。
どのくらい喜んでかって言うと、まだ歩けないから抱かれて行くんだけど、
服を脱がせ終わったくらいから、「ニヤぁ」っとし始める。(実は最近は「着替え」が嫌いで、
着替えなのかお風呂なのか、様子をみているらしい)
はだかんぼのモエナを抱き上げると、もう「嬉しくってたまりませんよぉ」って表情になって、
脱衣所の洗面台の鏡の前に来ると、「無音大笑い」といった顔つきになる。
風呂場の中で待機している方のオヤに渡すと、「風呂だ風呂だ」って言う感じで、
身体を洗ってあげる時は、「天国ですわ…」と恍惚の表情を浮かべるって具合だ。
そう、モエナは産まれてすぐから既に「風呂好きな女」だったんだ。
水に慣れたぞ
そんなお風呂好きなモエナだけれど、湯船につけると、少し神妙な顔つきになる。
でも、決して嫌がっている感じではなくって、「なんだろ、なんか不思議だ」と言うような顔つき。
身体が水に浸かるってコトが理解できていないような、そんな感じ。
(今はまだ羊水に浸かっていた時間のほうが、長いんだけどな)
いいとこ、手足を伸ばしてみたり、オヤの顔をじっと見てみたりって状態だった。
それが、最近は「水に慣れた」らしくって、湯船に浸かっても、空気中にいるのと同じように、
傍若無人に振舞うようになってきた。具体的に言うと、抱かれた状態でも、手をばしゃばしゃして、
水面を叩いて、ウキャウキャやってため息をつくってオヤに水かけてっていう状況。
面白いのは、暴れる前に、「敵を見定めるような」目つきでもって、口をへの字に結んで、
水面をじっとにらんだ後に、おもむろにばしゃばしゃ始めるっていうのを、毎回繰り返すってところ。
この「毎回」ってのが、風呂に入るたびにではなくって、ばしゃばしゃ始める前にってのが、
なんか物覚えが悪そうで面白い。
犯人は自分だよ
更に笑えるのが、この「ばしゃばしゃ」は遠慮が無いんで、抱いているオヤにも水が目一杯かかるし、
当然おつりをもらって、モエナ自身の顔や頭にも水がかかる。
特に顔に水がかかるのはちょっと嫌いみたいで、おつりをもらうたびに、
コドモのくせに「ムッ」とした表情をする。言葉が喋れれば,いかにも「なんだよっ」っていいそうな、
そんな表情。で、水面を睨み付ける。(不思議とオヤを睨むことはないから、
少しは状況が理解できてるらしい)
これは笑えるよ、ホントに。で、ボクもヨメも、その度に声に出して教えてあげる。
「自分が悪いんじゃない」って。でも、当然モエナは分かってないし、数秒後には同じコトを繰り返すんだな。
ま、そのうち分かるでしょう。それまでは、一緒にずぶぬれになって付き合ってあげよう。
でも、もしかしたら、理解してやめる前に、飽きてやめるかもしれない。なんせ、
モエナは両親から「飽きっぽさ」も受け継いでいるからね。
1999.11.10