開設1年後

妊婦こそインターネットを利用しよう

最初に、このサイトへ訪問されるほとんどの方は、初産で妊娠初期の場合が多い。 早い方では、医者へ行く前に、当サイトで「妊娠の初期症状」を確認していた。 大半は妊娠検査を済ませた直後である。 皆、心身ともに不安定でもあり、未知の世界へ飛び込んだばかりである。
「怖いモノ知らず」と言われる私ですら、すごい不安だったし、出産が怖かった。 「何で妊娠なんかしちゃったんだろ…」と、後悔した時もあった。 妊娠を疑った1998年7月、「妊娠・出産」というキーワードで、どれだけのサイトを検索し、 時間を費やしたことだろうか。 「私は、異常?」「この症状って妊娠?」 「私の身体はこれからどうなるの?」「出産って痛い?」「育児用品って何?」 そんな不安や疑問を抱きながら、食い入るようにして、人のサイトを見ていた。
ひと昔前の妊婦さんたちは、大した役にも立たない 「キレイ事お役所的妊娠マニュアル」を参考にするしかなかった。 または、新米妊婦さんを不安に陥れるような常識、 先輩風を暴風のように吹かせる人の迷信じみた話が情報源だったりした。
それに比べると、今っていい時代だと思わない? インターネットが普及したこの時代に妊娠した私も含め、みんなは幸せ者だな。 妊娠・出産のサイトは、ここ最近、急激に増えている。この世界への女性進出はめざましい。
どれも体験談やアドバイスが盛りだくさんで、ひとつとして同じものがない。 それに、妊娠・出産って、十人十色、百人百色で、全く同じ人もいない。 この「生きる人体実験」「生き証人」たちが、HP上で、タイムリーで貴重な情報を提供している。 数千円もする本を何冊買っても、これだけの情報は集められない。
おまけにね、検索した人のサイトへ、相談メールを出すと、 「おめでとう」という言葉と共に、体験談を交えた様々なアドバイスや話を聞くことが出来る。 顔も見たこともない、ただの通りすがりの私に、育児で忙しい合間をぬって返事をくれた人は数知れず。 嬉しかったねぇ、有難かったねぇ、励みになるんだなぁ。
ところが、本に質問しても、何も答えちゃくれない。 某相談窓口に電話しても、自分の子供の育児もしなかったり、ましてや子供を産まないオッサンが、 偉そうに医学書を読み上げているだけだったりする。 「何の役に立つんだか…」というのが、率直な意見だった。
妊娠・出産の悩み、不安やストレスって、些細なきっかけや糸口で 「ドバッー」と解決、開放される事を私は何度も体験してきた。 自分が何日も悩み続けた事を解決したのは、たった1通のメールだったりする。 大体、そういう悩みって、過ぎてしまえば「マクロな世界」のごく一部なんだけど、 真っ只中にいる時は、その「ミクロな世界」が全てに感じる事が多い。 妊婦こそ、インターネットやメールを駆使しすべきだし、もっとも活用出来る媒体だと思う。 (その時は、念のためOAエプロンを使った方がいいかもね)
でも、気をつけなくてはならない事もある。氾濫する情報を、全て鵜呑みにするのは、危険である。 最終的には、自分で判断し、自分を信じてほしい。自分の身体は、自分が一番分かっているはずだから。

ここからが本題…その後の「いのちの兆し」の経過

って、前置きが長くてスイマセン。読むの疲れちゃった、飽きちゃった…という方は、 次回、また来てください。リピーターは大歓迎なのさっ。もうちょっと読める元気な方は、続きをどうぞ。
早いもので、この「いのちの兆し」を開設してから、今日(11月4日)でちょうど一年経つ。 1年前の私は、妊娠5ヶ月で、トリプルマーカー検査を受けたり、温泉旅行をした。 たった1年前のことだが、もう何年も前のような気がするし、妊娠は他人事になっている。 この1年の密度の濃さのせいだろうか。生活環境の変化が多すぎたせいだろうか。 理由はよく分からない。
産後1ヶ月の様子を報告した5月の連休中に、更新作業を終了した。 出産も更新も終わり達成感に浸っていた。
しかし、その後から、問い合わせのメールが多くなったので、 参考になりそうな「お役立ち本」「ベビーグッズ」「店情報」を中心に細々と更新を続ける事にした。 やはり、このあたりの情報は、実際に育児に携わらないと分からなかったり、判断出来ない事が多い。 少しでも役立つようにと、過去に作成した情報は手直しを入れている。
カウンターは、1年間グルグル回り続け、12000を突破している。 リピーターの方が多いので「カウンタ=訪問者」とは思えないが、それでも多くの方に見て頂いたようだ。 ただの主婦のつたない文章を読ませている事は恥ずかしくもあり、恐縮してしまうが、 やっぱり嬉しい。
毎日、静かに増えるカウンタのひとつひとつに、それぞれの人生があり、 それぞれの妊娠・出産がある。 その中のいくつかが、新たな妊婦日記サイトを生み出し、新たな妊婦さんを勇気づけ、 相談に乗ったりすることだろう。 そうやって、少しづつ見えない輪が広がって行くのを感じる。 そして、出産を終えた元妊婦は怖いモノなしになり「みんな楽しく妊婦してるかなぁ」と、 人の心配をする余裕も出来た。 妊娠報告・経過のメールを読む事を楽しみにしている日々である。
これからも、情報ページに関しては、更新作業を続けるので、改めてよろしくお願い致します。

少しだけ育児のこと

出産直後から始まる育児に対しても 「私に出来るだろうか」というような不安を抱えている方も多いようである。 残念ながら、私は育児に関するページは開いていないので、この機会に、少しだけ触れることにする。 (娘の成長の様子は「そらまめ観察日記」をご覧下さい)
最初の1ヶ月は「睡魔との大戦争」に明け暮れ、カレンダーも時計もない生活だった。 育児をして半年経つが、やはり最初の1ヶ月が一番辛かった。 座って子供を抱いたまま、自分が寝ていることも度々あった。
育児を本心から「楽しい」と言える母親を何人も知っている。そう言い切れる人とは、 性根が違うせいか、私は聖母にはなれそうもない。 私は、ハッキリ言って「育児は楽しくない」のだ。 たぶん、娘が大好きだから、育児が出来るんだと思う。 だって、寝顔を見ているだけで幸せな気分にさせてくれる人って、世間広しと言えども他にはいない。 それと、以下の心がけをしているせいかもしれない。
ストレス溜めない…我慢のキャパシティは思ったよりも小さい。 育児をしていても、いろんな欲求が湯水のように湧き、知らないうちにストレスが溜まっている。 そんな時は、安心して任せられる人に、子供を預けて、たまには一人で外出するのもいいだろう。 私は「人見知り」で、ドツボにはまり、夫以外に娘を預けられる人がいないのが、最近の悩み。
一所懸命やらない…私は育児を一所懸命したことがない。どこか余力を残すくらいが丁度いい。 自分のパワーを常に全開にしていると、あっという間にオーバーヒートする。 育児は、短距離走ではなく、長距離走だということをお忘れなく。
初志貫徹しない…家事、睡眠、読書…何でもいいけど、 やり始めたら最後までやり通そうなんて考えないようにする。中断されて当たり前、 最後まで一気に出来たらラッキー、くらいに思った方がいい。
泣いた時は、何かの途中でも、ちょっと手を休めて、遊んであげたり、 ミルクをあげたり、気分転換してあげれば、大体は泣き止む。家事も育児も時間割がないから、 時間を気にせず、ゆったりと構えればいいと思う。
時間がないのはウソ…「子供が生まれたら自分の時間なんかないよ」 と言われた事があった。確かに、最初の1ヶ月は起きているのがやっとだった。 しかし、その後は、みだしなみを整えることも出来るし、 趣味や興味など、やりたい事は、ほとんど出来ている。
自分が本当に好きな事って、忙しい育児中でも、時間をやり繰りして出来るものだ。 「育児が忙しいから何も出来ない」と、母親の言い訳にされている子供が可哀想である。 たぶん、そういう人って育児をしてなくても、何もしない人だと思う。単に、面倒や億劫なだけだと思う。 だから、たかが出産で、いろんな事をあきらめないでほしい。 もちろん、数人の子供を育てている方は、もっと忙しいだろうから、無理な話かもしれないが。
と、立派な雰囲気に仕立てているが、私は昔から「80%の女」という異名を持つほど、いい加減な人間だ。 実は、心がけとは名ばかりで、私の素の性格である。スイマセン。 最近、近しい人から「あなたは、育児に向いている」と言われた。誉められたのかと思ったら 「その適度ないい加減さが、育児ストレスを軽減している」そうだ。
しかし、いい加減な性格でも、今までの倍以上に気を遣っていることがある。 それは「注意」である。乳児のケガの大半は、親の不注意とさえ言われている。 落下物、火傷、誤飲、転落…、あげればキリがない。 乳児の場合、思うように身動きが取れない上に、身体が小さい。 たとえ、本一冊、熱いお茶一杯の落下でも、大怪我になる可能性は大きい。 それだけは、常に気にかけるようにしてほしい。 あとは、ミルクとオムツがあれば、勝手に大きくなってくれるのだ、子供ってヤツは。

ここはオマケ(内輪の方々へメッセージ)

最近になって、私の友人・知人、通りすがり以外で、 思わぬ方に見て頂いていることを知る機会が多かった。 彼の会社で働く女性だったり、私が知らない彼の友人だったり…と、予想外な方々だった。 ミクロな更新までチェックしているマニアもいるとの事。 いつもお話は伺っています。本当にどうもありがとうございます。 来年、出産される方もいるそうですが、お身体に気をつけてお過ごしください。