入院前日

私たちに明日はない…

予定日2日前。朝から強い雨が降り続くあいにくの天気。
引越しついでに、今まで使っていた家具を買い替えたくて、横浜市内の家具屋を見て回ることにした。 なかなか気に入ったのが見つからず、夕方近かったが、足を延ばして大船の家具屋まで行くことにした。 途中で長崎チャンポンのチェーン店「リンガーハット」を見つけ、チャンポンが食べたくなり、 ここで夕飯にすることにした。 それぞれチャンポンを頼み、チャーハンと餃子をシェアして食べることにした。 「そんなに食べて大丈夫なの?塩分とカロリーがすごいと思うよ。」と彼は私の身体を心配していたが、 「だってさ、予定日2日前だよ。明日、入院しちゃうかもしれないじゃん。 私に明日はないと思って毎日暮らしているんだから。ここまできたら、悔いのないように食べなくちゃ。」 と自分だけの理屈を説明し、結局全部食べてしまった。
自宅に戻り、横浜市内にある気になる家具屋の記事の切り抜きを見ながら 「明日は、この店に行ってみようよ。」(おいおい、明日はないんだろう!?)と、 明日の買物計画を立てた。 午前1時頃まで、パソコンに向かいメールを書いたり、ゲームをしたりして過ごし、 「おやすみ〜。明日は寝坊してないで家具屋へ行くからね。」と言い残し、彼より先に寝ることにした。 いつもと同じ、何ら変わったことのない1日が終わろうとしていた。 この時、楽しみにしていた家具屋へ行けなくなるなんて予想もしていなかった。 そして、本当に明日がないことも…。