その後の様子

私は、世間や情報に翻弄され、自分を見失っていた。 その時期を悔やんだところで、時は戻ってこない。悔いる時間があるならば、その分コドモと接するよう努めた。
家事は極力(かなり)手抜きをし、一日中コドモを抱っこし、いろいろな話をした。 お風呂に入った時には、たくさん歌を聞かせてあげた。 散歩に出かけては、過ぎ去る風景について説明した。
助産婦さんの訪問から数日後、子供が別人のようになった。 安心しきった顔をして、ノビノビとした寝姿になった。 そして、夜泣きがパッタリなくなった。 その後、コーリックはなく、夜泣きもほとんどない。
人の集まる場所、来客中でも泣くことはなく、人の話声をうたた寝したり、ニヤニヤして聞いている。
ひどかった脂漏性湿疹は3ヶ月になる頃には完治し、それ以来湿疹は出来ていない。 今では「美肌」で有名になるほどだ。(それしか取り得がないという話もあるが)
体重増加や食欲も一時期に比べ落ち、4ヶ月検診のカウプ指数も標準値だった。 風邪もひかず、熱も出さない。何の問題もなく元気に育っている。
どうやら「最悪の親子像」は免れたようだ。 「私の努力の賜物」と言いたいところだが、 訪問して下さった助産婦のサカモトさんと、健康な子供に救われたようである。 今回の件で、育児をする上で少しだけ何かを学んだような気がしている。



著者近影
撮影:小田紀子(友人)