ピンク系統でまとめられた女の子らしい部屋の中、僕の下で一人の女の子が喘いでいる。

彼女の中が狭まりつつあるので、そろそろ達するのが近いのが解る。そのせいで僕も限界

に近い。只でさえ、彼女が安全日なのでスキンを付けていない。その為か僕も彼女もダイ

レクトに感じているので、いつもより時間的には早いだろう。

 

「もうそろそろ限界・・・。」

「いっ、一緒に行って!」

 

 彼女の答えを聞いた僕は、ラストスパートに入った。さらにペースを早め、腰を打ち付

けると彼女の中がさらに狭まり、腰をのけ反らせた。

 

「いく〜っ・・・。」

 

 その瞬間、僕も彼女の中の奥の方に放出し始めた。彼女もそれを感じたのだろう。

 

「熱いのが奥に当たってる・・・。」

 

 そう言いながら僕の首に手を回し、自分の方に引き寄せた。僕は逆らわずにそのまま彼

女の顔に近づけると、どちらからともなく舌を絡ませ、少しの間ディープキスをした。キ

スをし終わると、僕は彼女の上に覆い被さり、彼女がぎゅっと抱きしめる感覚を楽しんだ。

 

 

 呼吸も落ち着いた頃、僕は彼女から離れ、彼女のジュースと混じったと僕の精液をテッ

シュで始末し、そのまま彼女の隣へ潜り込んだ。腕枕をしてあげると彼女は僕の胸に顔を

埋め、身体をピッタリとくっつけて甘えてくる。そのまま話をし始めるのがいつものパタ

ーンだ。

 

 でも、彼女ってアスカじゃないんだよね。

 

2000HIT記念

はいすくーる ラプソディ 第1話 よくあるシチュエーション

 

 

 目を瞑って僕の心臓の音を聞いていた彼女が、まだぽわ〜んとしている顔を僕の方に向

けた。

 

「何、ヒカリ?」

 

 そう彼女は洞木ヒカリ、アスカの親友で、僕の中学からの同級生だ。この関係は内緒な

ので(そりゃそうだ!)、二人っきりの時以外は『洞木さん』と呼んでいる。ヒカリとこ

ういう関係になったのも、あるきっかけがあったからなのだが。

 

「ううん、何でもない。」

 

 そう言って再び頭を僕の胸に預けたが、クスクスと笑っていた。高校に入ってさすがに

おさげはやめ、少し伸ばした髪にシャギーを入れている。顔のそばかすはかなり消え、美

人というよりかわいいという感じで、学校でも結構人気がある。

 

「アスカにばれたら大変な事になるでしょうね。」

「そういう怖い事言わないでよ・・・。」

「そうねっ。」

 

 又クスクスと笑い出す。僕と内緒の関係となってから、こう言ってからかうのがヒカリ

のパターンとなった。

 

「ね、碇君?」

「なに?」

 

 ヒカリはアスカへのうしろめたさからか、僕のことを相変わらず『碇君』と呼んでいる。

どうやら本当は『シンジ』と呼びたいようであるが。

 

「アスカとは週に何回してるの?」

「・・・いきなりだな〜。」

「いいじゃない。で、何回?」

「5回。」

 

 聞くヒカリもヒカリだが、答える僕も僕である。

 

「う〜いいな〜。私とは2回なのに。」

 

 本当に羨ましそうだ。でも僕の休みが無いのには気付いてないみたいだ。

 

「もう。あの『不潔よっ!碇君!』のヒカリはどこへ行ったのだろう?」

「私をこんな風にしたのは碇君じゃない?」

「そうでした。」

 

 僕らは顔を見合わせて吹き出してしまった。ひとしきり笑い合うと、ヒカリはぺろっと

舌を出して、えへっと言った。

 

「そういえば、あの時の事思い出しちゃった。」

「後悔してる?」

「ううん。逆に良かったと思ってる。」

「もう一年近く経つんだね。」

「そうね。」

 

 そう言って当時の事を僕らは思い出していた。

 

 

 

 約一年前のある雨の日、僕がスーパーからの帰り道に近道として公園を通っていると、

傘も差さずに一人の女の子がブランコに座っているのが見えた。近寄ってみるとそれはヒ

カリだった。どのくらいそうしていたのか解らなかったが、ずぶ濡れであったがそれを気

にしてないように、ただ、そのまま俯いていた。

 

「洞木さん!何してるの!?」

 

 僕はあわてて傘をかざすと、ヒカリは僕の方に顔を上げた。

 

「・・・ほおっておいて・・・。」

 

 ヒカリは小さな声で答えると、又俯いてしまった。このままでは風邪を引き、下手する

と肺炎に掛かってしまうと思って、自分でも強引と思う程、積極的に行動を起こしていた。

僕はヒカリの手首を掴むと、自分のマンションに連れていった。その時ヒカリは黙って僕

に付いてきた。

 

 マンションに着くと、僕は急いでバスタオルとローブを引っぱり出し、ヒカリに渡して

風呂のお湯を入れに行った。そして紅茶を入れリビングの椅子に座らせた。

 

「お風呂場にローブを用意したから直ぐに着替えて!それから紅茶でも飲んで落ち着いて

 ね。」

 

 僕がそう言うと、のろのろと風呂場へ移動した。数分経ってローブに着替えたヒカリが

出てきて、僕に勧められるまま紅茶を飲んでいた。

 

「何があったかは僕は聞かない。アスカ達はあと2時間ほどで帰ってくると思うから、少

 し待っててね。」

「・・・振られたの・・・。」

「えっ?」

 

 落ち着いてきたのか、ヒカリはぽつぽつと話し始めた。

 

「あたし、鈴原に振られたの・・・。」

 

 彼女の話からすると、トウジが部活の先輩の生駒さんに一目惚れし、アタックした結果

付き合う事になったらしい。生駒さんは、ショートカットの元気印の先輩で、後輩の面倒

見のいい結構豪快なところがある人だとトウジから聞いている。最近何かと話題にするの

はこういう事だったかと気が付いた。

 

 俯いて話すヒカリを見ると、テーブルの上に涙が落ちているのがわかった。僕はいたた

まれなくなって、そっと後ろから抱きしめて、ヒカリが安心するように優しく囁いた。

 

「洞木さん、辛いのはよく判るよ。でも僕は洞木さんがいつも元気な所が好きなんだ。吹

 っ切るのに力が必要ならいつでも付き合うよ。だからなるべく早く元に戻って欲しいな。

 でないと、僕も辛くなるから。」

「碇君・・・。」

 

 ヒカリは突然立ち上がり、僕の胸に顔を埋めてわんわん泣き出した。僕は優しく抱きし

めてこれで少しは元気が出るだろうと思っていた。今は感情を爆発させる事が一番いいと

感じたからだ。

 

 しばらくして、漸く収まったらしく泣き声が小さくなった。ヒカリは小さな声で僕に話

しかけた。

 

「ごめんね、濡らしちゃって・・。」

「気にしなくて良いよ。洞木さんが元気になるんだったら、これくらいどおって事無いか

 ら。」

 

 僕はそう言って洞木さんにニッコリと微笑んだ。洞木さんはそんな僕を見て、顔を赤く

染めていた。その姿がとても可愛らしく、つい口に出してしまった。

 

「とっても可愛いね、洞木さんは。」

「えっ・・・あ、ありがとう・・・。」

 

 洞木さんの顔はさらに赤くなってしまった。

 

「ねえ、碇君・・・。」

「何、洞木さん?」

「もう少しこのままでいていい?」

「いいよ。」

 

 ヒカリと僕はそのままの状態で暫く抱き合っていた。そしてピピッとお風呂のお湯が給

った電子音が聞こえてきた。

 

「お湯が給ったようだから、早く入ってくると良いよ。風邪引くといけないから。」

「うん。」

 

 ヒカリはお風呂場へ行き、僕は自分用の紅茶を入れて飲み始めた。飲みながらトウジを

問い詰めなきゃなと思っていた。

 

 20分程したら、お風呂場のドアが開いた音が聞こえ、ヒカリが僕を呼ぶ声が聞こえた。

 

「碇君。」

 

 お風呂に入って元気が出たんだなと思い、そちらを向いて僕は硬直してしまった。そこ

には全裸のヒカリが立っていたからだ。顔を上気させ、小振りだが形のいい胸、少女から

大人になる課程の微妙な腰のライン、ちょっと薄目の黒い茂み、僕は硬直していたがとて

もきれいだと思った。

 

「さっき力になるって言ってくれたわね、碇君。」

「う、うん。」

 

 ヒカリは僕に抱き付いて来た。

 

「碇君が忘れさせて。」

 

 ヒカリの目を見ると、何かを決心した真剣なものがあった。ここで突き放すと自棄にな

るのが目に見えていた。僕はこれに答えなければいけなくなったのを自覚した。本当は力

になるの意味は、ぱ〜っと遊んだり、自棄食いに付き合う様な事だと思っていたんだけど。

 

「わかった。僕で良いんだね。」

「うん。」

 

 僕はそのままヒカリにキスをした。

 

「う・・・ん・・・。」

 

 唇を離して、目を潤ませたヒカリに微笑むと、彼女を抱き上げ僕の部屋に連れていった。

そしてその時初めてヒカリを抱いた。ヒカリは当然処女だったから、加持さん仕込みのテ

クニックを使い、極力痛くないようにした。

 

 

 

「あの時は焦ったよ。ヒカリが裸で立ってるんだもの。」

「お風呂の中で決心したの、碇君ならって。でも初めからあんなに感じさせるから離れら

 れなくなったのよ。」

 

 そう言ってうっとりするヒカリだった。

 

「もう碇君無しじゃ駄目ね。アスカには悪いけど。」

「はは・・・・。」

 

 もう笑うしか無い僕だった。

 

「決〜めた!」

「えっ、何か言った?」

「ううん、何にも。そうそう時間まだ大丈夫なんでしょ?」

「あと1時間位は大丈夫だよ。」

 

 僕はそう言ってヒカリの秘部を触ってみると、ジュースが溢れ出ていた。

 

「凄く濡れてるよ。」

「しょうがないわよ、身体中まだ感じているんだから。今度は私が上ね。」

 

 ヒカリは僕に跨ると、僕の分身を自分で導き入れた。

 

「はあ〜ん。」

 

 こうして2回戦を終えた後、僕はヒカリの家から戻った。彼女の聞こえなかった一言の

お陰で、あんな結果になるとはこの時の僕は思っても見なかった。

 

 

 次の日の放課後、帰り支度をしているとアスカとヒカリの話し声が聞こえてきた。

 

「アスカ〜、ちょっと相談があるから一緒に帰ろ。」

「いいわよ、ヒカリ。あ、ちょっと待ってて。」

 

 アスカは僕に近づき、片目を瞑ってごめんねのポーズをした。

 

「シンジ、ごめんね。ヒカリが相談があるみたいだから。」

「聞こえてたよ。ゆっくりしてきなよ。今日は特に何もないし。」

「うん、じゃあ帰ったら部屋に行くわ。」

「わかった。」

 

 アスカはヒカリと一緒に帰っていった。ま、たぶんどこかのカラオケボックスにでも寄

って話をするんだと思う。

 

 アスカが離れた後、直ぐにトウジとケンスケが僕の方に来た。

 

「なんや、センセ今日は一人のようやな。」

「うん。アスカは洞木さんと帰ったからね。」

「じゃあ駅前に出来た『マックス』っていうゲーセンに行かないか?結構筐体揃えてるら

 しいぜ。」

 

 今日は家に帰ってもする事が無かったので、すぐに賛成した。

 

「久しぶりにいいね。行こう。」

 

 僕らは久しぶりに三人でゲーセンに行くことになった。いつもは僕とアスカが常にべっ

たりで、トウジ・ケンスケは部活と高校に入ってからは別行動が多くなっていたからだ。

 

「そう言えば、トウジは生駒先輩とうまくいってるみたいだね。」

「そうそう、あの生駒先輩がトウジを選んだのは七不思議の一つと言われてるもんな。」

 

 僕とケンスケがそう言うと、トウジは顔を真っ赤にして僕らに怒鳴った。

 

「じゃかましいわ、二人とも!」

 

 ここで謝らないとへそを曲げるので、僕とケンスケはすぐに謝った。

 

「悪かったよトウジ。でも、あの時はビックリしたよな。」

「そうだね。」

 

 僕はヒカリから聞いていた為、トウジ本人から聞いた時はそれ程でも無かったが、それ

でもショックを受けていた。

 

「アスカが怒りまくっていたしね。」

「凄い剣幕だったから見ていた俺もびびったよ。」

 

 さすがに親友の事であった為、アスカの怒りようはハンパではなかった。が、トウジは

黙ってそれに耐えていた。その後、トウジが真剣に生駒先輩の事を思っているのを理解し

たアスカは『わ、悪かったわね』と謝っていたけど。もっともヒカリがすぐに元に戻った

のが大きかったみたいだ。

 

「あん時は、わしの事よりいいんちょの事の方が心配やったが、なんとか吹っ切ってくれ

 たみたいで安心したわ。」

「あっ、知ってるか二人とも。」

「「何が?」」

 

 ケンスケがいきなり話を振ってきた。

 

「委員長って結構可愛いから告白されてるみたいだけど、『好きな人がいる』って言って

 全部断ってるんだぜ。」

 

 僕は一瞬どきっとしたが、なんとか顔には出ずに済んだ。

 

「ほ〜お。ようやく好きな男が出来たんか、いいんちょも。」

「なあ、シンジ。惣流から聞いてないか?」

 

 僕はしらばっくれてこう答えた。

 

「う〜ん、聞いてないな〜。」

「ケンスケ無駄や。シンジらは自分らの事で一杯や。」

「それもそうか。」

 

 二人の口調がいつもの如くからかい半分になって来たのを感じた。

 

「またそう言ってからかうんだから。」

「すまんのうシンジ。お約束ってやつや。」

「そうそう。」

 

 何はともあれ、話題がずれてくれてほっとした僕だった。その後、冗談を言い合いなが

らゲーセンに着いた僕たちは、2時間程遊んで家路についた。

 

 

 家に帰った僕は、レイと一緒に夕食の準備をしていた。レイは学校に居る時より僕と一

緒に夕食の作っている時の方が何か嬉しそうだ。僕のしているエプロンは、レイが買って

プレゼントしてくれたもので、レイとは色違いで形が同じものだ。これを見たときアスカ

の機嫌が一気に悪くなったのを覚えている。本当に嫉妬深いんだから。

 

 今日の夕食の天麩羅を揚げ終わり火を止めたとき、玄関のドアが勢い良く開いてアスカ

がドタドタと入ってきた。

 

「あ、お帰りアスカ。もうすぐだから座ってま・・・。」

「シンジ!ちょっと話があるの!」

 

 言うが早いか、僕の腕を掴んで僕の部屋に連れ込まれてしまった。この間2秒ぐらい。

あまりの速さにレイはぽか〜んとしていたという。

 

 

 部屋に入った僕は、アスカに何事かを聞いてみた。

 

「アスカ、一体何なの!?凄く慌ててるみたいだけど・・・。」

「ヒカリが・・・。」

「うん。」

 

 アスカがはあはあと息を整えながら話出した。出だしが『ヒカリ』と言うことで、まさ

かと思ったがその通りだった。

 

「ヒカリがシンジの事を好きだって。シンジ以外は考えられないって。」

「洞木さんの相談ってそう言うことだったのか・・・。」

 

 アスカは親友の告白にショックを受けて、そこまで話すと涙をぽろぽろと流し始めた。

 

「洞木さんは、他には何か言ってたの?」

「うん。ヒカリは全部話してくれた。鈴原に振られた時の事から・・・。」

 

 どうやら洞木さんは全部のことをアスカに話したようだ。今のアスカは嫉妬よりショッ

クの方が大きいみたいで、いつものビンタをしようとはしなかった。でも、何でアスカに

告白したんだろう。その事を考えてみてみた。

 

「ねえアスカ。確かに洞木さんを僕は抱いている。始めは元気づける為だったけど、離れ

 られなくしたのは僕のせいだ。でも、僕とアスカの仲を裂こうという気は無いと思うよ。 そのあたりは聞いてみた?」

 

 アスカは首をブンブンと横に振った。

 

「どうしてそう思うの?」

「アスカに正直に告白したから。つまり洞木さんが僕の事を独占したければ『抱かれてい

 る』という事だけを誇張してアスカに告げればいいことだから。でもそうしなかったの

 は僕とアスカの仲を認めているからだと僕は思うよ。」

「シンジ・・・。」

 

 アスカは僕の意見に何か思い当たる節があるようだ。僕自信にもそれはあった。

 

「それから、僕が出かけようって誘っても、決して行こうとはしなかったよ。洞木さんは

 たぶん自分のポジションをはっきりさせたかったのかもしれない。」

 

 アスカはちょっとの間考えていた。だんだんといつものアスカに戻っていくのがひしひ

しと感じられた。

 

「そうなんだ・・・。あたし今からヒカリの家に行って来る!このままじゃお互い気まず

 いままだから、早めに解決してくるわ!」

「それがいいね。」

 

 アスカは直ぐにも飛び出そうとしたが、僕が呼び止めた。

 

「アスカ!」

「何シンジ?」

「今まで話せなくてごめん!」

「まあいいわ!その代わり色々考えとくわ!」

「お手柔らかに頼むよ。」

 

 僕がそう言うとニコッと笑い素早くキスをしてヒカリの家に行った。アスカとヒカリと

の間で何が話し合われたかはわからないが、11時頃帰ってきたアスカはニコニコしなが

ら僕に向かってピースサインをした。

 

「シンジ明日アタシに付き合いなさい!ヒカリには1つ条件を出したからそれを確認する

 わ!」

「条件?」

「そっ、明日のお楽しみっ!シンジにも関係あることだから。」

「?」

 

 アスカの機嫌は完全に良くなっていた。それにしても条件って何だろうと思った。

 

 そしてその条件とは・・・・・。

 

 

 

「ああ〜っ!」

 

 僕の下でヒカリが絶頂に達した。はあはあと僕もヒカリも息が荒い。その横に寝そべっ

ていたアスカが少し興奮状態で言った。

 

「ヒカリのいったとこ、可愛い・・・。」

 

 そうアスカの条件とは、ヒカリが僕に抱かれて、いくところを見せること!だったのだ。

それを聞いた僕は絶句してしまったが、逆らうことも出来ず、こうしてアスカに見せる羽

目となって、ラブホの一室にいた。

 

「これでヒカリもシンジの女になったわ!」

「・・・アスカありがとう・・・。」

 

 まだぽーっとしているヒカリがアスカにお礼を言った。

 

「いいのよヒカリ。それよりも、これからはシンジにちょっかい出してくる連中をブロッ

クしまくらなきゃならないわよ!」

「ふふっ、そうね!」

 

 さすがに親友同士、もう息がピッタリ合っている。アスカは僕の方に向くとこう言った。

 

「シンジは学校でも『ヒカリ』って呼んであげなきゃ駄目よ!わかったわね!」

「わかってるよ。改めてよろしくねヒカリ。」

「こっちこそよろしくね・・・シンジ君・・・。」

 

 アスカはヒカリに僕の事を『シンジ君』と呼ばせる事にしたらしい。その事を後で聞い

てみると、

 

「あったりまえじゃない!アタシ達はシンジの女であると同時に、シンジはアタシ達の男

 なんだから!」

 

 と怒鳴られてしまって、ヒカリにクスクス笑われてしまった。

 

「さて、今度はアタシの番ね。がんばんなさいよシンジ!」

「わかってますよお姫様。」

「よろしい!」

 

 こうして、僕達は何も包み隠さない関係になった。

 

 

 事が済んで三人で寝転がって話をしている時(当然三人とも裸でアスカとヒカリは僕に

ピッタリとくっついている)、アスカが気になっていた事をヒカリに尋ねた。

 

「ねえヒカリ、シンジが慰めてくれた時ってどんな感じだった?」

 

 ヒカリはちょっと考えてから答えた。

 

「そうねぇ、何か普段のシンジ君らしくなかった感じね。大人びてたしスマートだったし

 ・・・。」

 

 それを聞いて僕には思い当たる節があった。アスカも気が付いたらしく、僕の方を見て

いた。

 

「そう言えば、加持さんに叩き込まれた中のシチュエーションの6番目のケースに似てい

 た様な気がする・・・。」

「フッフッフッ、又加持さんね・・・。」

 

 アスカの目が据わってくるのを見て、僕とヒカリは加持さんに降りかかる不幸を想像し

ていた。

 

 後日、ミサトさんの家の近くのゴミ捨て場に、長髪を後ろで束ねた無精ヒゲの男が2時

間ほどゴミまみれで倒れていたそうだ。

 

 

 次の日の休み時間、アスカはヒカリと一緒にクラスの女子を集めた。『報告会』という

儀式をする為らしい。月に2・3回あるので別に珍しく無くなっていたが、今回のはヒカ

リの報告だろうから僕は少し憂鬱だった。

 

 良く聞き取れない話し声の次に、教室を揺るがす「ええ〜っ!」という声が響いた。男

子連中は何が起こったんだ!という風に女子の方を見ていた。

 

 その女子は一斉にアスカの方を向いていたが、アスカがコクッと頷いたのをみて、はあ

〜っと溜息をつくものもいれば、「その手があったか!」と残念がる人もいた。多数は「

ヒカリずる〜い!」だった。当のヒカリはオフィシャル(当然アスカ)に認められている

為、始終ニコニコしていた。

 

 

 放課後、アスカとヒカリと一緒に下校している途中で、あちこちからの視線が気になる

ことをアスカに聞いたら、

 

「あったりまえじゃない!ヒカリの事は全校女子に知れ渡ったわ!今迄アタシがいるから

 諦めていた女の子が、ヒカリの存在で希望を持っちゃったんだから!」

「う〜ん、そうよね〜。」

「じゃあ、もしかして・・・。」

「そっ!明日からアプローチがさらに激しくなると思いなさい!中には実力行使で来るの

 もいるでしょ!」

「げ〜っ・・・。」

 

 と言われた。それよりも明日になれば男子にも知れ渡っているだろう。そっちの方を想

像して、思わず頭を抱えたくなる僕であった。

 

 

To be continud

 

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