- 基本知識 -
簡単に説明すると...
Module の略。デジタル音楽ファイルの一種である。
ファイル内部に、演奏に使う音色(デジタル音声)と、音程、音長、効果などの演奏データ(シーケンス)を持っている。
特別なハードの追加なしに、さまざまな演奏環境でほぼ同じ音楽演奏が楽しめるのが特徴。詳しく説明すると...
MOD ファイルは、元々 Commodore 社の AMIGA というコンピュータで動く SoundTracker という音楽作成プログラムのデータ保存形式の一つだ。
SoundTracker は、作成した音楽データを2つの方法で保存できた。
- ソング形式(演奏データ + 音色名)
- Module形式(演奏データ + 音色データ)
SoundTracker で音楽を作っている時、データの保存/読み込みは音色データを含まないソング形式で十分だ。
なぜなら、SoundTracker は、プログラムといっしょに基本的な音色データを、フロッピーディスクで供給していたので、演奏に必要な音色はフロッピーディスクから必要に応じて読みとって使えば良いのだ。
ということで、ソング形式では音色データは含まれず、代わりにフロッピー上の音色を指定する名前だけが記録されていた。
(古いMODファイルのコメント部分にある、ST01:〜などというのが実は音色ファイル名なのだ)しかし、出来上がった音楽を GAME や DEMO など、他のプログラムで使う場合は話が変わる。
ソング形式のデータ(ソングデータ)には、演奏に必要な音色データが入っていないから、同時にフロッピーディスク上にある音色データを配布しなければ音楽再生ができないことになる。
SoundTracker の音色フロッピーディスクには多くの音色データが格納されているが、1つのソングデータで必要とするのは、数個の音色だ。ソングデータといっしょに、音色フロッピーをまるごと配るのは効率が悪い。
そこで、ソングデータと、演奏に必要な音色データだけを同時に格納する Module というデータ形式が考えられた。これが MOD だ。
(ちなみに MOD 形式の読み込み機能は、SoundTracker V2.2 まで付いていなかった。ほんと、配布専用って感じだった。)MOD は演奏データと音色データがひとつのファイルになっているので、データサイズは大きくなってしまうが、外部の音色データが一切必要なく、再生プログラムさえしっかりできていれば、どのような環境でも同じ音で演奏することができる。
MIDI ファイルとの比較
そのうち書く。とりあえず、完璧に聞く を見ればちょっと分かる。
ちなみに、標準 MIDI ファイルや、レコンポーザ用ファイルなど、MIDI 機器をつかった音楽演奏を行うためのファイルは、上に書いた「ソング形式」と同様に、演奏データと音色を指定する情報しか入っていない。
そして...
MOD という言葉だが、MIDI という言葉と同様、色々な意味で使われる。
MOD ファイルを演奏するシステム全体を差すこともあるし、MOD ファイルで作られた音楽をめぐるムーブメント、シーンを表現するときにも使われる。
ここでは、MOD の基本用語解説を兼ねて MOD ファイルを構成する要素をザッっと説明する。
MODファイルは、以下のような情報を含むファイルだ。
MODファイルの構成
曲名、テンポ
:
:音色を指定したパターンを打ち込み、パターンリストに並べる、といった関係だ。
Sample(音色)
音色は、Windows の WAV ファイルや、Macintosh の AIFF、Sun の AU ファイルなどと同じようなサンプリングデジタルデータである。MOD フォーマットでは、1ファイルで15まで、または31まで使うことができる。
パターン
シーケンスの指定は、リズムマシンの方法に近い。どのタイミングでどの音をどのように鳴らすか、という感じになっている。碁盤の目に音を置いていくイメージだ。この「碁盤」は、パターンと呼ばれ、一つが4桁x64行ある。
トラック
パターンの桁のことをトラックとよぶ。一つの桁は一つの発音装置につながっていると考えればよい。
MOD ファイルフォーマットでは4つの発音装置が同時に扱える。というか、同時に4声しか鳴らせない。トラックは、マシンが持つ複数の発声装置のうち1つと結びついている。チャンネル
マシンについている各発声装置をチャンネルと呼ぶ。トラックとチャンネルは1対1の関係なのでトラックのことをチャンネルといったり、チャンネルの事をトラックといったりする。
ノートユニット(スロット(slot)、ロー(RAW)、行(LINE)、ともいう)
各トラックの行の事をノートユニット、または、ロー、行などと呼ぶ。
ここには、音程(ノート)、音色(Sample)、そして効果(コマンド)を書く事ができる。ノート(音程)
音程を指定する。MOD フォーマットでは上限、下限が狭い(調査中)。
コマンド(効果)
効果にはビブラートやポルタメントのほか音量指定を含んでいる。
パターンリスト
MOD ファイルは、パターンをどのような順番で演奏するかを指定するパターンリスト(またはパターンシーケンス、ポジションテーブルともいう)を持っている。楽曲は特定のパターンの繰り返しであることが多い(ABAB’など)から、繰り返す部分をパターンで持つことでリピートをうまく表現できるようになっている。
結局、
- MOD 演奏とは、パターンリストにある順に、パターンを演奏すること。
- パターンを演奏するとは、パターンにある各トラックのノートユニットを、一定時間毎に、上から順に処理すること。
- ノートユニットは、発音する音色の種類と、音程、効果を指定している。
- 音色は、デジタルサンプリングデータだ。
っつー感じすね。
SoundTracker の保存形式から始まった MOD だが、これに似たファイルが数多く生れている。それぞれ元祖 MOD ファイルの限界を打ち破るフォーマットになっている。
- 拡張子
- MODファイルの拡張子
- 名前
- MODフォーマットの通称。
MODファイルの種類を識別する為にファイル内に埋め込まれているキーワードがあればそれを使う事が多い。- トラック数/パターンサイズ
- 扱えるトラック数。基本的に同時発音数と考えてよい。
パターンサイズは、各パターンの行数と思えばよい。基本は 64。- 音色数/ビット数
- 1ファイルで同時に扱える音色の数。
ビット数は、音色データの解像度を示す。- トラッカー
- そのファイルフォーマットと関連の深い、MOD作成プログラム。
- 説明
- 適当な説明。
拡張子 名前 トラック数/
パターンサイズ音色数/
ビット数トラッカー 説明 MOD MOD 4/64 15/8bit SoundTracker 1.0 MODの元祖。 MOD M.K. 4/64 31/8bit ProTracker
NoiseTracker
SoundTracker2.4〜MODの基本。Amiga用のトラッカーで拡張された。 MOD 6CHN
8CHN6/64
8/6431/8bit FastTracker PC 用トラッカーFastTrackerのフォーマット。 MOD FLT4
FLT84/64
8/6431/8bit StarTrekker NoiseTracker v2.0を元に作られた StarTrekkerのフォーマット。MOD初の8ch対応フォーマット。 MOD M!K! 4/65〜 31/8bit ProTracker パターンサイズが可変となった。 669 669
UNIS8/64 31/8bit Composer 669
UNIS669PC初の 8ch 対応フォーマット
UNISは、669のコマンド拡張版MTM MTM 1〜32/64 31/8bit MultiTracker Composer 669を開発した Renaissance の後継プログラム。 STM STM 4/64 31/8bit ScreamTracker 2.xx ScreamTracker2のモジュール形式ファイル。
ScreamTracker2は、SoundTrackerと同様に、ソング形式とModule形式の2種類の形式を扱えた。S3M S3M 16/64 99/8bit
99/16bitScreamTracker 3.xx
Impulse TrackerScreamTracker 3 では、16ch の他にFM音源 9ch を利用可能。
Impulse Trackerでは、16bitSampleが利用可能。ULT ULT 1〜32/64 64/8bit,16bit UltraTracker Gravis UltraSound専用Tracker である、UltraTrackerのファイル。
なかなかこのフォーマットを完全に再生できるプログラムは少ない。XM XM 2,4,6,...,32/〜256 128/8bit,16bit FastTracker II 従来の音色データサイズの限界値64KBを、4GBにした。事実上無限大。
また、Instrumentという概念を導入して音色の表現を大幅に拡張した(マルチSampleを可能にしたなど)。
サウンドカードによってはMIDI音源も統合して扱える。FAR FAR 16/〜256 64/8bit,16bit Farandole Composer GUS専用Tracker である、Farandole Composer のファイル。
Composer 669に影響を受けている。簡単に言えば16チャンネル版669。WOW WOW 8/64 31/8bit Grave Composer PC 用トラッカー Grave Composer のフォーマット。基本的に 8CHN と同じ。ID が M.K.なので紛らわしい。 OKT OKT 4〜8/64 36(255)/7bit,8bit Oktalyzer AmigaのOctalyzer editor のフォーマット。
詳細不明。DMF DMF 1〜32/〜512 255/8bit,16bit X-Tracker パターン長最大値が512、利用可能音色データが255もある。 MED MED 4〜8/3200 32/8bit OctaMED Amiga 用 OctaMED のファイル。詳しくは調査中。OctaMED Studio はまた別クサイ。 IT IT 64/32〜200 99/8bit,16bit ImpulseTracker XM同様、強力なInstrument定義機能と豊富な効果コマンドで現在最強のフォーマットといえる。
サンプリングデータサイズは最大4MB。
サウンドカードによってはMIDI音源も統合して扱える。MDL MDL 1〜32/1〜256 255/8bit,16bit DigiTrakker 2.X/3.X XM, ITと同様に強力な音色定義可能。 AMS AMS 1〜32/1〜256 255/8bit,16bit Extreme Tracker
Velvet StudioXM, ITと同様に強力な音色定義可能。
1ノートユニットにつき複数(Max 7?)のエフェクトが指定可能。
MIDI音源も統合して扱えるように考えられてはいるが、機能自体は未実装。
対応プレイヤーが少ないのが難点。PC 用の tracker は、
ftp://ftp.dti.ad.jp/pub/demos/music/programs/trackers/
を探してもらうとほとんど見つかるだろう。現在、主流なのは、MOD, S3M, XM, IT である。これは、対応トラッカーの普及度と深い関係がある。
結局、人気のあるトラッカーの標準保存形式がそのまま普及しているのだ。日本語ワードプロセッサの世界で、一太郎が普及すれば「一太郎形式」が、MS-WORDが普及すれば「MS-WORD形式」が普及するのと同様、ある意味当然の成り行きである。
さらに詳しく知りたい場合は、MOD の歴史 を学ぶべし。
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© Michiyasu Odaki Last Update: 2001/09/16 04:26