WAVE KIT アナログシンセのレストア

2003.2.7 一応完成
2003.2.2 配線
2003.1.30 ケース作成
2003.1.20 パネル、基板画像追加


はじめに

1970年代に、WAVEKITというシリーズで発売されていたアナログシンセのキットがありました。当時私はシンセに興味を持ち始めた頃でしたが、メーカー品はなかなか手が出せなかったので、自分で作るシンセという所にとても惹かれ、小遣いを貯めて購入しました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、こいつのアルミパネルがめっぽう格好良いんですよ♪
ハンダ付けも満足にできない腕にもかかわらず奇跡的に(?)完成することができ、その後はピンポン多重録音したり、漫研の自主制作アニメの効果音作りなどに活躍しましたが、いつしかケースやトランスは別の物に流用され、本体は物置の奥に忘れ去られていました。

最近になって、私のホームページで製作紹介しているPIC MIDIレコーダのルーチンをHome Made Synthの武田さん作成のMIDI-CVコンバータに恐れ多くも採用して頂いたりして、当然のようにアナログシンセの話題になったとき、このWAVEKITの事を思い出しました。
久しぶりに物置から出してきたら、奇跡的にフロントパネルは無傷。しかし基板はリード線が切れまくり、抵抗もいくつか割れて結構悲惨な状態。しかも回路図を含むマニュアルはとっくの昔に紛失していたので修理もままならないなぁ・・・と嘆いていたのですが、世の中には几帳面な方(E-Labの管理人さん)がいらっしゃって、当時のマニュアルを保存されているとの事で、たいへん有り難いことにコピーして頂くことができました。
(マニュアルはあるそうですが、本体は無くなってしまったそうなので几帳面なのかどうか・・・)

そんな訳で今年の工作始めはこいつのメンテ(というか修理だな)から手を付けようと思っていますが、ケースを作ったり部品のチェックや交換までやらないといけないので少々長いスパンでの作業になりそうです。このページでは折々の途中経過を報告できたら・・・と思っています。

 

2003.1.15 現状・・・

何かね、汚いんですよ。すごく。
経年の埃と謎のベタベタが沢山。基板を持つと指が黒くなるのは何だろう・・・洗剤であらっちゃさすがにマズいだろうということで、パーツクリーナーを吹きかけてみました。少しは綺麗になったような。。

とりあえず、明らかに割れていた抵抗2個を交換。その他の部品は目視でチェック。電解コンの足がねじ曲がっていたので手でひねって直したら、液が出てきました・・・ボロボロですね(^^;

傷んだ部品と、ぐちゃぐちゃに残っている配線の残骸はこれから全て外して取り替える予定。ハンダ付けもキタナイ(^^; からやり直すか。
その前にキーボードと本体のケースを作らなきゃ。。。 わー。たいへん面倒なことになってます。

 

現在の状況。

キーボード、フロントパネル、基板(本体、拡張LFO/VCF、LEDドライバ)、VR/SW類

ケース、トランスなし。配線は絡まったスパゲティ状態で収拾がつかん。
VRのつまみが何処かにしまってあるはずなんだけど・・・

キーボードは伸光の44キーという物らしいと教えて頂きました。一通り掃除してたら、キーの裏からゴキブリの卵がポロポロ出てきて絶叫。・・・これ、苦手なんですよ(^^;

2003.1.20

ちと忙しくて捗っていません。電解コンを交換したいのですが、あいにく手持ちで使えるものがないので次回パーツ買い出しまでストップ。ほかにもジャックやコネクタ類も調達しなければなりません。ご要望(?)にお応えして、基板とパネル画像をUPしてお茶を濁しておきますです・・・

モジュール毎に分けられ、わかりやすい配置です。
パッチは内部固定ですが全然OK。
左上の謎の翼竜がカワイイ。

画像をクリックするとちょっと大きめの画像で見られます。

SW,VR類への結線を全部外してすっきり。
OPアンプのCANが腐食しているけど・・・中身は多分大丈夫?だと思ふ。。

使用されてる石はおもに

OP-AMP : LM301,RC4558
Tr : RCA3086,2SC733,2SA495,2SK30A
CMOS : 4011

といったところ。

2003.1.30

本体とキーボードのケースを作成しました。
どうも大物の木工作は苦手で、ノコギリで真っ直ぐ切ったつもりがウニャウニャ波打っていたり直角が出なかったりで苦労しました。最終的にはパテをベタベタに塗って下地の不具合を誤魔化しました(^^;

ホームセンターで適当に見繕った板を切って作りました。電動鋸などがあったらもっと綺麗に切れたかも。

釘は使わず、木工ボンドだけで接着しちゃいました。

ケースの外装は、PA機器などによく使われている黒のなし地(シボ)化粧板みたいにしてます。

・・・実は仕事のついでで仕入れた内装用のビニールクロス(サンゲツ RE-7952)ですが、いい感じです。

裏が粘着シール加工されているものも売られていますが、これは貼る時に空気を追い出しにくく施工がかなり難しいのでシール加工されていない物の裏面に糊を塗って(箇所によって接着剤を併用)貼る方法がいいと思います。
まあ、箱は下手でも貼る仕事は本職っすから(^^)

 

2003.2.2

パネルへのVR,SW取り付け、配線を始める。

ボリューム、スイッチ、LEDなどをパネルに取り付ける。

当時のパーツをそのまま使いました。

ケース、基板〜パネル間の配線を始めたところ。

基板上の電解コンデンサは全部新品に交換しました。

配線ほぼ完了。

何か始めてしまうと、完成するまで片付けることが出来ない性格が災いして、もう部屋に足の踏み場がありません(^^;

 

2003.2.7

動作チェックと調整を行いました。
KB-Bias, S/H, VCO1, VCO2, VCA, ADSR, AR と順調に動作を確認して、VCFをチェックするとどうもレゾナンスのかかり具合がおかしい・・・というか、信号入力が弱すぎる?ような感じでした。 しょうがないので部品を一つづつ調べることにしました。
ハンダ付けに問題なければ、疑うのはやはり半導体ですね。コンデンサは新品に交換済みですし抵抗などの受動部品が壊れることは経験上滅多になかったので・・・
という訳でまずはTr.から見ていくと、作動増幅に使っているうちの1個がイカレていた模様です。(hFEが異常に低かったです・・・)

ジャンク箱をかき回して調べてみたら、多分当時のキットで余分に入っていたものと思われる2SC733を発見。付け直してみたところ、ばっちりミキシングとフィルターがかかりました。
あまり覚えていなかったのですが、キットには余分のパーツがかなりあったようでRC4558やLM301もパーツ箱に入っていました。いや〜助かりました。実に良心的なキットだったんだなぁと感心。

さて、一応完成。

配線は適当に糸で縛って格好だけ整えておく、と。(^^;

キーボードと一緒に並べるとなかなか格好いいです。
脇のパネルは

出力ジャック×2
KB用DINコネクタ
ヒューズ
ACコネクタ

久しぶりに音を出して遊んでみました。

あー、こんな音だったんだ。

昔、わけもわからずにツマミをいじりまくって偶然出た音に驚いたり、調子はずれのVCOに悪態ついたり・・・
・・・決していい音ではないけれど、「音を作る」っていうプリミティブな感動を二十年以上経て思い出すことができました。

今回、古いVRをそのまま使ってしまったので結構ガリが出ています。
ん〜、、まあいいか・・・なんかヴィンテージっぽくていいや(?)。。というかもう部品を取り替えるのが面倒になった(笑)

結構苦労しましたが、ここまで復活できたのは E-Lab の管理人様'Home Made Synth' の武田さん のお陰です。本当にありがとうございました!

さてさて、これにて第一次レストア作業は完了。
これから暇を見てMIDI-CV入力やプリアンプの内蔵などもやっていきたいと思っています。

 

*** まだ続く・・のか?***


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