造ポイント


 

1.どうやってコースアウトを防止するか

ーンチェンジやテーブルトップでは高速で突っ込んだマシンがコースから浮き上がってしまい安定を失うのがコースアウトの原因の一つです。
そこで通常はローラーに下向きの角度をつけたり、マシンにブレーキやスタビポールを立てたりすることでマシンを安定させるようにします。
しかし、コースの状態を何らかのセンサで検知してマシンのモーター制御を行うことができれば、ゴム等による摩擦ブレーキやポール類は不要になると考えました。特にテーブルトップの下りに差し掛かった瞬間にモーターの回転を一時ストップさせることができればリヤタイヤによるブレーキがフロントを押し下げる力として働き、効果的なのではないでしょうか。

2.センサをどーする?

シンのフロントが持ち上がったことを検知するにはリアに適当なマイクロスイッチを つけてやればOKでしょう。(リアブレーキをつける位置ですね)

問題はテーブルトップの終端(下り)の検知で、ここはオーバースピードだとマシンは地面と平行に飛び出して行く所です。リアと同じようにマイクロスイッチをフロント側にもつけてやれば検知可能なのですが、

と、あまり美しくないので、非接触型のセンサを用いることにしました。 (んなこと言ったってCPU積んだ時点でレギュレーション違反だっちゅーの>おれ)
候補にあがったのは超音波センサ光センサです。
超音波センサは超音波をコースに向けて送信し、反射波の有無やエコー時間を計ることで距離を知ることができます。光センサは超音波の代わりに赤外線等をコース面に向けて、その反射の有無や強さで距離を計ります。
超音波センサについて調べてみたところ、かなり大きく、また、分解能が低いこと、走行中のマシン自体がノイズ源になりそうな点から採用を却下し、反射型の光センサとしてフォトリフレクタを使うことにしました。
テーブルトップ以外でも、例えばコーナーでマシンがリフトすると反射光軸がずれるので、これも検知できればコースアウト防止にはかなり有効そうです。

一つ問題があるとすればコースの赤外線反射率ですが、ウチのジャパンカップJrサーキットで実験したところセンサとコース間が1cm程度であれば十分な反射が得られることを確認しました。それからコースの設置場所は室内だけとは限らないのでセンサの周りは外光除けが必要かもしれません。

光センサ出力とブレーキ制御の例

3.CPU

にCPUの選定ですが、小型軽量で低電圧動作する点などから、MicroChip社のPICシリーズを使うことにします。

今回使用するPIC16F84は

などの特長があり、とてもナイスでグー(死語)なマイコンです。
秋月電子通商ではPICプログラマーキットとしてプログラムライター(ハード)とシミュレータ、アセンブラなどのソフトのセットを扱っているのでこれを利用すると便利です。

4.モーターコントロール

するにCPUからの信号に応じてモーターの回転、ストップができればいいのですが、幸い汎用のモーターコントローラとして東芝のTA7291Pを入手することができました。

TA7291は

などの機能をIC化したもので、ミニ四駆にも十分実装できる大きさです。(ところが私の判断が甘く、これが後で泣きをみることになろうとは・・・)

**後日談**
回路を仮組して、実際にバッテリーとモーターを接続して走行してみたところ・・・
なんか、トルクが無いし遅い・・・・これじゃブレーキなんかかけなくてもコースアウトしない・・・ICも熱いし・・??
調べてみたところ、TA7291のスペックではモーター出力電流が最大2Aとなっていて、さらに電圧ドロップも多く、おかげでアトミックチューンクラスのモーターでもオーバースペックとなってしまい十分にドライブ出来ていないようでした。しかたがないので自前でMOSパワーFETを使ったブリッジ回路を作ることにしました。

5.バッテリー

ーターコントローラのロジックに4V程度必要とするのとモータードライブの電圧ドロップがやや大きいようなのでNiCdを3〜4本直列で使用しなければなりません。ちょうど息子のゲームボーイ用にと思って買っておいた単四サイズのNiMh(ニッケル水素バッテリー)があったので、これを拝借することにしました。容量は550mAhとやや少なめですがとても軽く、モータードライバもMOS-FETに設計変更したので3本直列で使えばイケるような気がします。



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