ータブルNiCd急速充電器の作成


 バッテリーを内蔵してどこでもNiCdの充電ができる充電器を作成しました。以前、日記のほうにも少し書きましたが、NiCd2本以上を充電・放電する場合、大抵の機器ではセルを直列にして充放電を行うようになっています。例えばNiCd2本直列の場合、セルの状態が揃っていれば問題ないのですが、組み合わせ(メーカーが異なっていたり、残容量に差がある場合など)によって、どうしても過充電や過放電など、片方のセルに無理がかかってしまいます。私の場合、ミニ四駆とか懐中電灯が主な用途なので1本か2本が充電できれば事足りるため、NiCdを2本別々に充電できるようにしました。もちろん、セルの充電電圧を監視して、ピーク検出で充電をカットする機能を付加しています。
 また、NiCdの性能を十分に生かすには放電し切った状態で充電するのがポイントなので、放電機能も持たせ、放電と充電を指定した回数だけ自動的に繰り返すことでバッテリーに喝入れ(って言うのかな??)もできるような感じにしてみました。

回路図

 こちらにあります(1600*1200 gif 35kb)

説明

 充電・放電とも定電流回路をそのまま使っています。ほとんどの部品は充放電の制御まわりやLCDのドライブ、スイッチのたぐいです(一番スペースを喰っているのはバッテリーです)。

 充電ピークの検出や放電終止の検出を行うため、NiCd端子電圧はA/D(アナログ->デジタル)変換の必要があります。あいにく手持ちがPIC16F84しかなかったので、今回はオペアンプとコンデンサを使った積分回路で基準電圧を生成し、コンパレータで各セルの電圧と一致するまでの時間を計ることで電圧計測を行うようにしてみました。分解能は0.01Vになりました。
 実際には基準電圧が不安定になってしまい、表示される値と実測値がかなり食い違っています。なんとか-デルタVは検出できているので目をつぶりましたが、機会があったらADコンバータ内蔵のPIC(最近出た16F873なんてフラッシュメモリだし良さそう)で作り直してみたいです。

 充電レートは、スイッチで抵抗値を0.6/0.4/0.3Ωに切り替え、1.0/1.5/2.0Aのいずれかを選択します。
 メインの充電用パワトラと平行して2SC1815+20Ωでトリクル充電用の回路を設けています。

 1000mAhのNiCdを6〜8本くらい連続充電できるように内蔵バッテリーは6V/8Ahを使ってます。内蔵バッテリーの充電部分は、秋月の「小型シール鉛蓄電池充電器キット」のパーツをそのまま流用しました。

 制御のロジックにはおなじみのマイコンPIC16F84を使いました。試しにLCDの表示用にもう一つ16F84を使って、CPU間を9600bpsのシリアル接続でデータ通信を行ってみました。
 スイッチは割り込みで使うのですが、都合上PICのRB0〜RB3に接続しました。この場合割り込みに使えるのはRB0(INT)ピンだけなので、RB1〜3はダイオードでRB0と接続し、RB0/INT割り込みが同時に発生するように工夫しました。

 ソフトウェア(プログラム)の機能としては、内蔵バッテリやNiCdの電圧測定(STAND BY)、-dV検知の急速充電(CHARGE)、放電(DISCHARE)、充放電の繰り返し(AUTO)、パラメータの設定 などを盛り込んであります。
 外部から設定可能な項目は・AUTOモードの充放電回数、・AUTOモードでの充電と放電の間隔(休憩時間)、・放電の終了電圧、・トリクル充電の有無 などです。
 まだ動作にヘンな所があったり、人に見せられるほどキレイに書いてないので、ソースプログラムは封印(笑)。実は、テキトーにプログラミングしていたらPICのプログラムメモリ(1kワード)を使い切ってしまい、機能を落とさずにステップ数を切りつめるという非常に苦しい(笑)作業をしているところです。幸いなことにLCD表示制御は別のPICを使ったので、容量を喰うメッセージテーブルはそっちに追い出したのですが、まだちょっと・・キツい〜

実装図(JPG)

  見たい所をクリックしてください。

  基板(パターン面) ; 感光基板のパターン面
  基板(部品実装後) ; なんかごちゃごちゃしてますね
  本体内部 ; うーん、、無理があるです
  おまけ ; 今回以前に作ってお友達に譲ったもの。割とコンパクトにまとまっています。

ケースはちょっと奮発してアルミの物にしたのですが適当に選んでしまったところ、すこし小さめだったようで、バッテリーを入れると基板の入るスペースがありませんでした。やむを得ず基板を2つに分離して、さらに立てた状態でケースに取り付けています。
上の内部写真を見ていただくと、なんかケーブルがのたうち回っているし、、み、醜いッス・・・(^^;


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