celeron300Aを500MHzで常用する
後編 マザーボード改造(AX6B)
注意(お約束ということで・・)
後編ではマザーボードの改造によるオーバークロック方法をご紹介しますが、このような改造を行うとメーカーの保証は一切受けることができなくなります。また、改造に失敗すると致命的なシステム破壊や、最悪の場合、火事・感電などの事故を招く恐れがあります。これらの事故について本サイトは一切関知致しません。本ページを参考に改造を行われる場合、これらのリスクをご承知のうえ、ご自身の責任においてオーバークロックをお楽しみください。
さて、前編にあるような設定で、現在も504MHzで動かしつつこのページを書いている訳ですが、やはり夏場が不安です。CpuIdle等のアイドリングツールを併用すれば大丈夫かもしれませんが、やはり自由にクロック変更できたほうが便利ですし、限界にも(笑)挑戦できそうなので、押入に眠っているFEXT-PLL(こちらで通販してます)を引っぱり出してきてマザーを改造してやろうと考えています。
PLLの改造ポイントは
です。最近のICはピン間隔が狭いので、ピン(足)上げは難しいと思います。パターンを追っていくと、大抵チップ抵抗に繋がっているので、チップ抵抗を取り外すことでパターンカットを行い、そこにクロックモジュールの出力を注入してあげるのがよろしいかと思います。
これ以降、AOpen社のマザーAX6Bに私が行った改造とその経過をのせておきます。
クロックモジュール
FEXT PLLを14.318MHzの水晶の代わりに使用するため、このクロックを元にPLLが生成する各種クロックのうち、変更してはまずいものについて別途クロックモジュールを用意します。
※当初、以下(左下)のような14.318,24,48MHzの発振器を積んだモジュール(以前Socket7マザーの改造で作ったもの)を使ったのですが、なぜか不安定でマシンがフリーズしまくりました。理由がわからなかったのですが、別のモジュール(JK-FFで48MHzを分周して24/12MHzを生成するもの;こちらはNiftyのエクステンダフォーラムで(こじ)さんが発表された回路を元に作ったもの)に代えてみたところ問題は起きなくなりました。回路図(gif 6kb)
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こちらのモジュールでは調子悪し・・ | こっちはグー(下のほうの基板です。上の 基板はFEXTPLLのオシレータ) |
PLL改造
AX6Bに乗っているPLLはIC-WorksのW48S101-04です。
データシートはICWorksのサイト(PDFファイル)やオーバークロック改造ページを探せば見つかると思います。
まず、マザーボード上の水晶(14.318MHz)を除去します。除去後のスルーホールに残ったハンダは吸い取り線で掃除しておきます。
除去した片側の端子(X1: PLLの4ピンにパターンが行っている)とGNDにFEXT
PLLの出力を結線します。
次に基準クロック(変更させないクロック)のパターンをカットします。
ピン番号 | 周波数 | 結線先(除去する)抵抗No. |
2(REF1) | 14.318MHz | R158 |
45(APIC0) | 14.318MHz | R122 |
23(24/48M) | 24MHz | R155 |
22(48M) | 48MHz | R176 |
マザーボード上の上記チップ抵抗を取り除き、本来の供給先(除去した抵抗のPLLと反対側のランド)にクロックモジュールの該当周波数出力を結線します。
もし可能であれば事前(改造前)に周波数カウンタを使って、本当にそのピンに目的のクロックが出力されているか確認しておけば万全です。
・・・ちなみに私は秋月電子通商のPIC周波数カウンタキットを使っていますが、安価で性能もよく重宝してます。
余談・・・
改造後、妙にマシン起動時の「ピッ」音が高いような・・?BIOS初期画面の周波数表示もおかしい(アルファベットが出ている)し、OSが起動しません。
よく調べてみると、除去するチップ抵抗を間違えて、しかもRでなくてCをはがしてました。老眼がうらめしいッス〜(おいおい)
元通りにつけようと探したのですが、小さいモノ(2mmくらい)だし、どこに置いたかボケちまって見つからないときたもんだ。う〜
這いずり回って探してたらカミさんに笑われてしまった・・
しょうがないのでジャンク箱にあったそれっぽいやつを付けたら、ちゃんと動いているみたいだし、一安心です。(おいおい)
教訓;指差確認! 改造はご自身の責任で(^^;
Vcore可変改造
前編では「マスキング」でVcoreを変更させましたが、このマスキングしたラインが接続されている電圧生成用IC RC5051のピン(足)を上げ、ジャンパを付けることで簡単にVcoreを設定できるようにしました。
具体的にはRC5051の8番ピン(VID4)、17番(VID3)、18番(VID2)、19番(VID1)、20番(VID0)のピンを基板から浮かせ、18〜20ピンはジャンパピンを介して接地(GNDへ接続)ができるようにします。ジャンパを挿したピンが下表のGND、ジャンパを挿していないピンがopenです。
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仕上げ
FEXT-PLLのコントローラと、ヒートシンクに付けた温度計をPCのフロントパネルに実装しました。
PLLコントローラの液晶はバックライト付きの物に交換してみましたが、ちょっといいかも。
これで冬場は500MHzオーバー、夏場はクロックを少々落として、なんてのも簡単にできるようになりました。
その後
ここまでの改造でFSBを0.1MHz単位で設定できるようになったので、現状でどのくらいまでクロックを上げられるか試してみました。
一応 118.0*4.5=531MHzでWin98が起動することを確認しましたが、残念ながらベンチマーク(Super-pi)の途中でエラーとなってしまいました。
ちょっと対処が思いつかないので今回はここまでにしたいと思います。常用(3Dゲームもバリバリ遊べること)の範囲としては111〜113(*
4.5 = 500〜510MHz)くらいが適当でしょうか。