ビデオCDを作ろう!
はじめに
皆様(特に小さいお子さんをお持ちのオトーサン)、ご自分で撮影された
ビデオテープはどんなふうに管理されていますか?
ウチでは子供が生まれた時から現在まで、成長記録と称して撮り溜めた8mm
ビデオテープが、海苔の空き缶に乾燥剤とともにびっちり収まっています。
ところがこの「テープ」というのがくせ者で、
見たい映像がテープのどこにあるか見つけられない!
テープを痛めてしまった!
という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
デッキの機能でインデックスとかテープナビを上手に使えば検索はそこそこ楽になり
ますが、テープの宿命、頭出しにどうしても時間がかかります。
あと物理的な損傷ですが、保存状態が悪いとカビたり画質劣化を起こしたり、
また、テープをデッキの中で絡めてしまったり、再生中にテープに傷をつけてし
まったり・・・
ううう、この前なんか幼稚園の参観で撮ったビデオを家族で上映したら、異音が。。
「キュ、キュキキ、グギュギュ、ビチビチ〜!」(しょえ〜、や、やってもうた〜!)
んもー、たまらんですよ。
さて、ここでまた変な方向に問題解決のベクトルが向いてしまい、
「んじゃあ一丁ビデオキャプチャーボードでも導入してデジタル化ぢゃ!
ビデオCDにすればサターンやプレステでも見られるッス!」
ということになってしまいました。
テープの内容を日付やシーン毎にトラック化すれば頭出しも簡単だし、
なによりプレーヤーのスライドバーを動かすだけでどのシーンにもほぼ一瞬で
移動できるのが嬉しいですね。
逆に画質の面ではオリジナルテープに比べるとかなり劣ってしまいますが、
ちょっとくたびれた3倍モードVTRと思って我慢することにします(^^;
(実はファイルをビデオCD形式にしないのであれば画質向上は可能です。
詳しくは後述)
DVムービーのDVコーデックや、DVDで使われているMPEG2でエンコードできれば画質はとても良いのですが、
キャプチャーカードやIEEE1394(iLINK)カード、HDD、編集ソフトいずれもおいそれと手が出せないレベルなのでこちらは将来のお楽しみにしたいと思います。
ビデオCDって?
ビデオCDは映像と音声をMPEG1という形式に圧縮して、CD-ROMに最大74分のデータ
を記録したものです。
再生は専用のプレーヤ、ゲーム機、パソコンなどで行うことができます。
(デコード用のソフト、ハードが別途必要な場合があります)
CDへの記録は、市販のCD-Rドライブとライティングソフトで対応しているものが多いので、
ビデオCD形式のMPEGファイルを作ることさえできればCD-Rに焼き込むことが可能です。
気になる画質ですが・・・ ウチの温室で撮影した映像をオリジナルとMPEG1(VideoCD形式)にエンコードしたもので比較してみました。
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「左:オリジナル 右:MPEG1」
動きの少ない場面なので違いが分かりにくくなってしまいました(動きの激しい場面だと
MPEGはブロックノイズが目立つようになります)
。
MPEGのほうはシャープさに欠けるのと、所々のノイズがお分かり頂けるかと思います。
ソースはDVからS映像端子を経由してメルコのMEG-VC1でキャプチャー。(サイズ:352*240)
注1)
いずれもJPEG画像なので若干画質が悪くなっています
参考までに、DVだと画面サイズは720*480なので、このくらい(jpeg 81KB)になるはずです。 綺麗ですね〜注2)
ビデオCDにこだわらないのであれば、映像キャプチャ時のビットレートを 高く設定することで高品質なキャプチャが可能です。 ビデオCDの場合、650MBに最大74分を記録させるため画質はやや悪いのですが、MPEG1 ファイル(*.mpg)としてパソコンで見るだけであれば、ビットレートを300KB/s程度 に上げてキャプチャするとかなりソースに近い画質を得ることができます(MEG-VC1の場合)。 もちろん、ビデオCDフォーマットファイルより3倍ほど大きくなってしまいますが。
必要なもの
入力 | RCA, S端子 |
フォーマット | NTSC MPEG1 |
画像サイズ(MPEG IBBP/I-frame) | 352*240,320*240,176*120,160*120 |
画像サイズ(YV12,YUV9,YUV2) | 352*288,352*240,320*240,176*144,176*120,160*120 |
画像サイズ(BMP) | 720*480, 640*480,352*240,320*240,176*120,160*120 |
フレームレート | 29.97fps |
データレート | 250000〜4000000bps |
オーディオ部
入力 | ライン, マイク (ステレオ,モノラル) |
フォーマット | MPEG Layer1,2 / PCM |
サンプリングレート | 32, 44.1, 48kHz |
ビットレート | 32k〜448kbps |
CD-Rライティングソフト
MPEGファイル(VideoCDストリーム)からビデオCDが焼けるもの。
B's Recorder GOLD (B.H.A)、Easy
CD Creator (Adaptec)
など。
あると便利なソフト
MPEGを直接編集可能なビデオエディットソフト
作成手順
キャプチャー設定
ビデオ等のソースをキャプチャーカードの入力(VideoとAudio)に接続します。
このとき、S端子ケーブルを使う、送り出しデッキをエディットモードにするなど
なるべく画質を劣化させないようにします。
キャプチャーソフトの設定では、VideoCDモード(?)をチェックしてビデオCDフォーマット
での記録ができるようにしておきます。
(MPEG1 IBBP, NTSC/PAL 532*240(280),
23.976/25/29.97fps)
CDライティングソフトによっては特定の記録形式でないと正しく書き込まない項目があるので注意が必要です。
キャプチャー
ビデオを再生し、キャプチャーソフトを録画状態にします。
キャプチャーによってはプレビュー画面での確認や、各種設定(MEG-VC1では
明るさ、コントラスト、色相、彩度、垂直/水平補正、ラインマスクなど)が可能なので入力ソースに合わせて事前に調整しておくと良いです。
編集
MPEGファイルを編集可能なツールがあれば、CD-Rへの焼き込み前に不要な部分を削ったり、シーンの切り張りや、各種効果を加えたりできます。
注)
「MPEG1の編集ができる」となっていてもビデオCDフォーマットのファイルが編集できるとは限らないので、注意が必要です。
MEG-VC1付属のMPEGエディタはビデオCDフォーマットとビデオorオーディオストリーム
(.mpv .mpa)は扱えず、以下の形式のMPEGシステムストリームファイルのみが編集対象とな
っています。
・画像サイズ 352*240, 320*240, 176*120, 160*120
・フレーム 29.97fps
・ビデオ方式 NTSC
・固定ビットレート
せっかくビデオCDストリームの取り込みができるのに、これの編集ができないというのはちょっとがっかりです。
ぜひ、ビデオCDファイルとIフレームファイルが編集できるソフトを添付していただきたいものです。>
メルコさん
MPEG、ビデオCDファイルの編集あるいは変換ができるものをいくつか調べてみました。
・iFilmEdit
I/OデータのMPG-BOXに付属している。ビデオCDファイルにも対応。
Cinax社のサイトで試用版ダウンロード可。
MPEGファイルの切り出し、結合ができる。操作性、編集時のレスポンスとも良好です。
・MyFlix/WebFlixPro
MPEGファイルの編集が可能。 ビデオCDからMPEGファイルへ変換できますが、残念ながらその逆はできないようです。
mediawareのサイトから試用版
ダウンロード可。
・Xing MPEG Encoder
Xing社
のソフトウェアエンコーダー。 AVI,MOV等のムービーファイルをMPEGに変換する。
mp3へのエンコードもでき、ソフトエンコーダではかなり高速な部類でしょう。
VideoCDストリームへの変換もできるが、MPEG(Non
VideoCD)->MPEG(VideoCD)への変換では画質が劣化するようです。
CD-Rに焼く
・・これは、ライティングソフトに依存しますので、細かい操作はそちらのマニュアルを参照いただく
として、一例だけ載せておきます。
B's Recorderの場合
ウィザードの補助メニューから「ビデオCD」を選択し、表示されたウエルにビデオCDファイルをドロップ (エクスプローラーから)します。
複数のファイルをドロップすると、ファイル毎にビデオCDのトラックとして 登録されます。
あとは「書き込み実行」を選択すればオリジナルのビデオCDがめでたく完成です。
最後に
綺麗に取り込むために、キャプチャーの設定(特に、明るさ、コントラスト、色相、彩度)が重要であることがわかりました。しかもソース(TVチューナ、VHS、8mmムービー、DVなどなど)によって微妙に調整する必要があります。
その点、MEG-VC1の設定では各パラメータをテンプレートとして保存・呼び出しができるのでとても便利でした。
今回はビデオCDにこだわってみましたが、きれいにキャプチャ&再生したいのであればビットレートを高くしてキャプチャーすることをおすすめします。ビデオCDの140KB/secと、400KB/sec超のキャプチャでは雲泥の差があります。
そうすると保存には大容量メディア(DVD-RAMとか)が必要になりますが、短時間のソースが多いのであればZipとかPD、MOでもいいでしょう。
MPEGを編集できるツールが意外と少ないことに驚きました。
もちろんAVIやMotionJPEGでキャプチャ、編集して、最後にMPEG変換すればいいのですが
MotionJPEGや未圧縮AVIはどうしてもファイルサイズが大きくなってしまうこと(AVIは最大
2GBの制限もある)と、MPEG変換に時間がかかる点が不満です。
また、まともなツールは値段もそれ相応(^^;
なのでなかなか手が出せません。
(メルコのキャプチャーボードに付属しているやつでビデオCDファイルの編集さえできれば助かるのに・・・うーん、やっぱオマケなのか!?)