インバータ発電機のノイズ対策


 インバータ発電機が安価で市場に出回り初めて久しいですが、私もちょっと大きめの2500Wの発電機を某オークションで仕入れました。
しかし案の定7MHz以下ではノイズだらけで使い物になりません。高い周波数でもちょっと我慢できるレベルではないのでノイズ対策を
試みました。かなり良い結果が得られた(と思っている)ので紹介します。
なお、この発電機は初段フィルタはなくても50MHzの運用は可能でした。(後述)

1.ノイズフィルタの構成


 
ノイズフィルタの全容です。
適当な板に銅箔を貼り付けています。
銅箔はホームセンターの台所用品売り場にあったもの。
フィルタは2段構成になっていて、トロイダルコイルを
使ったコモンモードフィルタと市販のラインフィルタが
シリーズに入っています。

回路と構造
 
コモンモードフィルタです。
高い周波数で効くことを期待しています。
コンデンサは銅箔を貼り付けて作っています。

 
結構重要なアースです。
このアースを取ると24MHz以上の効果が向上しました。
 
もう一つのアースです。
この発電機のインバータ回路のアースが、このボルトに
落ちていたのでそこにアースを取りました。

試験の様子です。

右上のほうに発電機が置いてあります。
ACラインは10m(黄色の電線)
真ん中の電熱器は発電機の負荷で600Wです。
電熱器の背中にマグネット基台があってその先に
モービルホイップがついています。ラインと平行に
配置しています。
また、リグとマグネット基台までの同軸もラインに
沿わせています。(写真右下)
        


2.ノイズフィルタ有無比較

上の試験条件でフィルタ有無の比較をしてみました。Sメータの振れを比較してみてください。


ノイズフィルタなし
ノイズフィルタあり
1.9MHz


3.5MHz


3.8MHz


7MHz


10MHz


14MHz


18MHz


21MHz


24MHz


28MHz


50MHz



3.まとめ

(1)今回使ったYAMAHAの発電機はかなり大きなノイズが3.8MHz以下ででています。
(2)市販のノイズフィルタで低い周波数のノイズはかなり除去することができます。
   ここでは紹介していませんが、最初は市販フィルタのみでした。
(3)トロイダルコイルタイプ(タイプは何でもいいんですが)のコモンモードフィルタを挿入することで24MHz以上のノイズがなかり低減できた。
   ただしこのとき、アースを取るポイントが重要。 

今回の試験はACラインにべったりアンテナと同軸を沿わせて実施したので、かなり厳しい試験になって
いると思います。実際、50MHzでは初段フィルタはなくても、アンテナ、ACライン、同軸の引き回しを
配慮すると問題なくQRV可能でした。勿論低い周波数も問題なし。発電機の負荷が大きくなるとノイズ
レベルも上がるのですが、単独で運用する場合は、送信時(負荷がかかるとき)はノイズが出てても
関係ないので気にすることはないでしょう。
マルチ運用する場合は要注意かと。。。。それと超Weakな信号を追っかけるときと。。。。



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17th July 2005 JF3IPR/K.Ohmae