ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野ひとし - T氏の見解とOIKの考え
友人T氏からもらった見解レポートと私,OIKの考えた事を交えてここに書き留めておく.
アルファ型の型式について
上空を飛んでいるアルファー室長は試作機「A7M1」,主役のアルファさんは量産試作機「A7M2」さらに普及型というココネは「A7M3」とストーリ中では書かれている.室長の型式については明確に語られてはいないが,初登場話の第26話に「青のM1」というサブタイトルがついているところから推測した.
(1999/12/04追加: 12/04に入手した,講談社 「ヨコハマ買い出し紀行 2000年カレンダー」の中イラストにはアルファー室長と「A7M1」の文字が描かれており形式名が初めて明確になった.)
【連載】T氏からの見解1
「アルファさんの型番「A7M2」の由来」 98/03/02 22:55
アルファさんの型番である「A7M2」について、おもしろい仮説を考えました。
それは・・・ ほわほわほわほわほわわわわ〜ん ←(宮村の声で読んでね)
第二次世界大戦中の旧日本海軍の戦闘機である「零戦(ゼロセン)」という名前は、皆さんも知っているよね。この戦闘機は、三菱重工業(株)が開発・製造したんだけど、三菱重工においての開発中の名称が「A6M2」でした(これホント)。その後海軍に制式採用されて、海軍が付けた名称の「零式艦上戦闘機(略称 零戦)」の方が世間では有名になってしまったけど、開発中は「A6M2」と呼ばれていました(これホント)。
そこで、私は仮説を立てました。アルファさんの型番である「A7M2」とは、零戦の開発中名称の「A6M2」を参考にしているのではないか、と。この仮説には、特に確かな根拠があるわけではないけど、ヨコハマの作者の芦奈野ひとしさんが、零戦の開発中名称が「A6M2」であることを知っていたとしたら、それを参考にしている、と考えられなくもないでしょう。
ただし、零戦の開発中名称は「A6M2」であって、「A7M2」ではないのです。実は、三菱重工は零戦の他にも数々の軍用機を開発しており、零戦の次に開発した戦闘機に「A7M2」という名称を与えていたのです(これもホント)。その「A7M2」という戦闘機ものちに海軍に制式採用されて、「なんとか(名前は忘れた。調べればわかると思う)」という名前を付けられて実戦に参加しています。
というように、第二次世界大戦中に三菱重工が開発した戦闘機の開発中名称と、アルファさんの「A7M2」という型番には、何か関連がありそうです。ちなみに、零戦は「兵器」です。ということは、アルファさんも本来は「兵器」として開発されたロボットなのではないか、と推測する次第です。(開発メーカーは三菱重工だったりして。)
ま、この推測にも確実な根拠は無いのだけどね。私が勝手にそう思っているだけです。なかなかマニア的な思考でしょ。
追加:はっきりしないのだが,社内の開発名称ではなく,日本軍がメーカに開発を依頼した段階で軍が付けた名前ではないか? というのは,「A7M1」は試作機のみで終わっており,軍には採用されていない.A7M2は制式採用され烈風11型という名称を軍から与えられて量産をされている.このように軍に採用されてもされなくても,軍が開発を依頼した時点でA7M2というコードは付与されている.
/富士山は核爆弾で変形したのか?
【連載】T氏からの見解2
「芦奈野ひとし氏の軍事知識」 98/03/03 00:58
そういえば、今思うと、ヨコハマの原作者の芦奈野ひとしさんは、多少なりとも軍事方面の知識があるようです。
というのは・・・ ほわほわほわほわほわわわわ〜ん(もういいっちゅーの)
第13話「鎌倉花火」で、海上の台船から打ち上げられた大玉の花火はミサイルの形をしていたでしょう? 覚えてる? あのミサイルは、「ナイキJ」という地対空ミサイルと形が同じです。「ナイキJ」は、かつては日本の航空自衛隊でも配備されていた地対空迎撃ミサイルで、旧式になったため、今はもう全て退役してしまいましたが、たしかに軍事兵器でした。
それと、第28話「縁」及び第37話「朝早く」と第38話「海の河」に出てきた「ジェットエンジンつきの船」みたいなマシンは、あれは第二次世界大戦中のドイツ軍が開発していた「WIG機」です。
Wing In Ground effect機(地面効果有翼機)の略で、翼の下に抱え込んだ空気を一種のエアクッションにして海面スレスレを飛ぶという、飛行機と船の「あいのこ」みたいなものです。結局実用化されなかった兵器だけど、昔のドイツ軍が研究しており、試作機も完成していました。また、作品中のWIG機についていたジェットエンジンは、昔のドイツ軍が実用化した「V1号」という巡航ミサイルのエンジンと形が同じです。このジェットエンジンは世界で最初に実用化された初歩的なジェットエンジンで、現在では「脈動式ジェットエンジン」と呼ばれています。ジェットエンジンの黎明期に作られた、簡単な構造のジェットエンジンです。
こんなマニアなことまで知っているとは、芦奈野ひとしさんは、やはり相当な軍事知識があるのでは? と考えてしまう私です。
また、この「ジェットエンジンつきの船」みたいなマシンは、「女医さん(雷に打たれたアルファさんを修理した年老いた女医さん)」が若いころに製作したものだという設定になってます。またこの女医さんは、過去にアルファ型ロボットの開発に携わったことがあるというようなことを、自分で発言しています。ということは、この女医さんがアルファさんの誕生についてのキーを握っているのでしょう。私は、この女医さんにはどことなく「影」があるような気がします。「バケモノを作り出してしまった科学者」が、そのことを後悔している表情に似ているような気がします。としたら、女医さん
らが開発した「アルファ型ロボット」が、悪魔のような威力を暴走させて、人類に多大な災いをもたらした後の世界を描いたのが「ヨコハマ買い出し紀行」の真相ではないかと。災害による混乱がひとまず落ち着いて、アルファ型ロボットは改修されて「兵器としての能力」は削除され、「穏やかで無害」なロボットにプログラムを書き換えられたのが、今のアルファさんやココネではないか、と思うのだが、どうでしょう? もしかしたら、現在行方不明の「初瀬野オーナー」が、アルファ型ロボットの開発責任者かもしれない。とまあ、あれこれ考えてみるのも楽しいね。
ナイキJの参考画像.(撮影場所 -静岡 航空自衛隊浜松広報館 1999/05/04 写真提供T氏)
そこで「A7M2」について調べてみた
以下にその結果を述べる.
三菱17試艦上戦闘機 烈風 [A7M]
2,200hp級艦上戦闘機,海軍の依頼で零戦後継機として三菱重工が開発した.
A7M1試作機は海軍側が固執したため中島製 誉(NK9K)エンジンを搭載するが,以降A7M2では所期の性能を出すため出力が大きい三菱「ハ43」11型(MK9A)に変更された.
以降は開発中に終戦を迎えたため実機は存在しないが,M1製作中に烈風の迎撃,進攻用に計画されたA7M3-Jがありこれは排気タービン過吸気付きの「ハ43」11型を武装を30mm砲6門に強化され,続いて計画されたA7M3では「ハ43」51型(MK9C)に装換20mm砲6門に,防弾も強化して烈風を上回る高性能の甲戦闘機にすると言う計画であった.本格的な量産が始まる前に終戦を迎えたため活躍しないまま終った機体であった.尚,戦前・中の中島飛行機(株)は現在の富士重工(株)のことです.
烈風11型 スペック
最高速度627km/h,航続距離2.6時間/全力,武装翼内13mm固定銃2挺+20mm固定砲2門+爆弾30kg
ヨコハマのアルファ型と烈風のA7シリーズの対応
アルファー主任 A7M1 試作型 試製烈風(烈風試作機)
初瀬野アルファ A7M2 生産型 烈風11型
該当なし A7M3-J 武装/上昇力/速度強化 試製烈風改
鷹津ココネ A7M3 甲戦闘機 試製烈風性能向上型
T氏からの見解2でも述べられているが,あまりにも有名な零戦こと三菱零式艦上戦闘機21型は[A6M2]という形式であった.零戦は21型のあとに新型2機種がさらに作られている.なお[]内の形式は軍からの開発依頼の段階で付けられる呼称.
最後に烈風の参考画像をおいておく.
参考文献:文林堂 日本海軍機全集 航空ファン イラストレイテッド 98-4 No99 1998/04/01
(No68,83改訂新版です)
資料提供:T氏
【連載】T氏からの見解3
海軍航空機の「略称」の命名法則 98/03/07 02:26
"A7M2"などのように、海軍航空機には4〜5桁の番号が付与されている。この番号は、海軍航空機の「略称」であり、「制式名称」ではない。制式名称は、「零式艦上戦闘機」などのように日本語で表記されるが、略称はアルファベットと数字の組み合わせで表記される。また、制式名称は、海軍に制式採用された時点で付与されるのに対し、略称は、海軍が民間企業に開発を指示した時点で海軍が付与した名称である。したがって、略称が付与されても開発中に計画がキャンセルになり実機が製造されなかった場合や、試作機がわずかに生産されただけの場合もある。
アメリカやイギリスなど当時の連合軍では、日本海軍機を"A7M2"などのような「略称」で呼んでいた。連合軍側では日本語は使用しないであろうから、アルファベットと数字で表記する「略称」で呼んでいたのである。さらに、日本海軍の「零戦」や日本陸軍の「隼」といった有名な日本軍機には、連合軍側が勝手に「識別名」をつけている場合もある。例えば「零戦」は"ZEEK(ジーク)"、「隼」は"GEORGE(ジョージ)"とも呼ばれていた。
以下に、"A7M2"を例にとり、海軍航空機の「略称」の命名法則を記す。
A7M2
↑↑↑↑
|||+−− 機体毎のモデルナンバー
||| 機体毎に1から順番に付与される
|||
||+-−−− 開発会社(製造会社ではなく、開発会社である)
|| A=愛知航空機
|| K=川西航空機
|| W=九州飛行機
|| M=三菱重工業
|| N=中島飛行機
|| Y=海軍航空技術廠
|| W=渡辺鉄工所
|| P=日本飛行機
|| D=昭和飛行機
||
|+−−−−− 機種毎通し番号
| 機種毎に1から順番に付与される。2桁番号
| になることもある。
|
+-−−−−−− 機種
A=艦上戦闘機
N=水上戦闘機
S=夜間戦闘機
J=局地戦闘機
D=艦上爆撃機
P=陸上爆撃機
B=艦上攻撃機
G=陸上攻撃機
M=特殊攻撃機
C=艦上偵察機
R=陸上偵察機
E=水上偵察機
F=水上観測機
Q=哨戒機
L=輸送機
K=練習機
H=飛行艇
この法則に従うと、"A7M2"とは、
「海軍から開発が指示された通算7番目の艦上戦闘機の2番目のモデルで三菱重工業が開発した」
ということになる。
【連載】T氏からの見解4
"cafe Alpha"の所在地はここだ! 98/03/09 01:58
「ヨコハマ買い出し紀行」に出てくる"cafe Alpha"の所在地が、だいたいわかりました。
「ヨコハマ買い出し紀行・ポストカードブック」の1枚目に、アルファさんの時代の"cafe Alpha"の所在地が書かれた地図が載っています。この地図は、現在よりも海の水位が上昇した時代の地図なので、現在の地図とは海岸線がまるで違います。それでも、ポストカードブックの地図に書かれた地名を頼りに現在の地図と照らし合わせると、だんだんとわかってきました。
まず、ポストカードブックの地図には「Jogashima I.」と書いてあります。これは現在の神奈川県三浦市の「城ケ島」であろうと思われます。そして、そのすぐそばの「Koajiro」と書かれた入江は、現在の「小網代湾」に間違いないでしょう。ポストカードブックの地図では、"cafe Alpha"はこの「Koajiro」のすぐ北側にあると書かれています。現在の三浦市の地図で小網代湾の北側にある岬らしき所を調べたところ、現在の住所で表記すると「神奈川県 三浦市 初声町 三戸 谷の前」という場所らしいと推定されます。ただし、現在の海岸線とアルファさんに時代のそれとではずいぶん違っているので、必ずしもこの地名であるとは断定できません。あくまでも推定ですが、「神奈川県 三浦市 初声町 三戸 谷の前」の付近である可能性が高いと思われます。
ところで、「初声町」と書いて「はつせまち」と読みます。アルファさんのフルネームは「初瀬野アルファ」ですから、この地名とは何か関連がありそうな気がします。
また、ポストカードブックの地図には、cafe Alphaの近くにガソリンスタンドが書かれています。これは、「おじさん」のガソリンスタンドであろうと思われます。現在の地図と照合すると、このガソリンスタンドは神奈川県道26号の「引橋信号の近くの三菱石油のガソリンスタンド」であろうと思われます。これが正しいとすれば、cafe Alphaとおじさんのガソリンスタンドとの直線距離は、約2200メートルということになります。
このように、ポストカードブックの地図と現在の三浦市の地図を照らし合わせてみると、この他にもいろいろとわかってきます。アルファさんの時代「北の町」とは現在の「横須賀市街地」で、「南の町」は「三浦市街地」で、「北の大崩れ」は葉山町の「長者ケ崎」だと思われます。「朝比奈峠」は現在も横浜市金沢区に実在しています。また、雷に打たれたアルファさんが入院した「女医さんの病院」は、横須賀市の「国立久里浜病院」だと思われます。ところで、国立久里浜病院のすぐ近くに「特殊教育研究所」というアヤシイものが実在します。これは、アルファ型ロボットの研究・開発施設なのではないでしょうか?(ホンマかいな)
ところで、「ヨコハマ買い出し紀行 ドラマCD Vol.1」によると、ヨコハマ買い出し紀行の原作者の芦奈野ひとしさんは、神奈川県三浦半島の出身で現在は武蔵野に在住しているそうです。cafe Alphaの所在地が三浦半島で、ココネさんが住んでいる所が「ムサシノの国」という設定になっているのは、こういった理由だったのかもしれません。
とまあ、「ヨコハマ買い出し紀行」について調べたところ、以上のようなことがわかりました。皆さんも機会があったら、三浦半島へ出かけて、「ヨコハマ買い出し紀行」の舞台を散策してみてはどうでしょうか? アルファさんと同じ場所を共有することができて、幸せな気分になれますよ!
【連載】T氏からの見解5
アルファさんの銃 98/07/11 02:16
アルファさんの銃は,ドイツのHECKLER & KOCH (ヘッケラー ウント コッホ) 社製の "P7M8" という自動拳銃であることが判明.ドイツ警察に採用されている.
口径9mmの"NATO軍 標準弾"を使用する拳銃である.装弾数は8発と比較的少なめだが,全装弾時の重量は830gと,拳銃としては軽くできている.1984年に完成し,1985年に発売された.
注)このシリーズの最初にP7という形式の拳銃がある.M8と形状はほとんど同じなのでこちらの可能性もある.
同じメーカの拳銃にNEON GENESIS EVANGELIONに登場する葛城3佐の使用していたこんな拳銃もあります.(1999/07/26追加)
"USP" という,セミオートマチック拳銃です.
口径9mmのNATO軍標準拳銃弾を使用する拳銃です.装弾数16発という大容量のマガジンをもっていますが,グリップなど強度をあまり必要としない部分にはプラスチックを多用することによって,重量800gという軽さに仕上がっている.
ドイツ軍の次期制式拳銃に内定しています.特務機関NERVでは制式採用の拳銃なのだろうか.
【連載】T氏からの見解6
ココネの拳銃の名前が判明! 99/06/25 23:59
ココネの拳銃の名前が判明しました.
その名前は,
WALTHER P5 COMPACT (ワルサー P5 コンパクト)
といいます.
ドイツのワルサー社製の,小型のセミオートマチックピストルで,重量750g,装弾数9発と小型ながら,口径9mmの大口径弾を使用する拳銃です.ちなみに,この拳銃が使用する"9mm×19"という銃弾は,NATO軍の標準拳銃弾です.
本日(99/06/25)発売された月刊アフタヌーン8月号のヨコハマ買い出し紀行を読んでいると,ココネの拳銃がアップで描かれているコマが出てきました.そこに描かれている拳銃を,「最新ピストル図鑑」の写真と照合したところ,「似ている」というレベルではなく,「細部までピッタリ一致している」ので,この拳銃にほぼ間違いありません.
kokoneはP5Cに 9mm電気弾(現代には実在しない) を3発だけ装弾している.
9mm=0.357インチ
ワルサーの銃について余談
ワルサーP5コンパクトはあまり人気がない銃ですから,知る限りではモデルガン,エアガンは発売されていないようです.未確認情報ですが,過去にモデルガンが発売されていたことがあるとか.
形状が近くて比較的人気のある銃にワルサーPPKがあります,これならモデルガンも発売されているのですが,似てるものの細部が違います.
他にワルサーの有名な拳銃にワルサーP38があります,ルパン3世の愛銃であり,ナチスのヒトラーが拳銃自殺に使った銃でもあります.
カレンダーから読み取るヨコハマの世界
99/12/04 19:21
講談社カレンダー 芦奈野ひとし ヨコハマ買い出し紀行 2000年カレンダー 2000/01/01 \3,000-
表紙は,どこかで見たことのあるデフォルメアルファさん.
バックの写真はどこかの喫茶店であろうか,左下の黒いアームのようなものはコーヒーメーカー?
1999年版に比べて過去のイラストの採用が多い.
3,6,7月が初出の画,と単行本読者の私には思われる.
3月のバイクに座っている生足の女子高生小海石先生,6月の岸の水草に立つミサゴ,
7月の半分海に浸かって空を見上げるアルファ.
女子高生こーみいし先生は,ストッキングの場合と生足の場合がある.
ミサゴは,いっつもはだか.
ココネもいいがアルファさんが一番.
といったことがわかる.(ぉぃ
***以降 作成中***
ってほんとに作る気あるのか(さあ).
入江のミサゴ
・ ターポン
・ カメラ
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