日々の雑感 独り言 No.1
海と比べた山の事
自分が山に行くようになったからか、山の事故がやたらと目につく今日この頃であります。
なんでまた、こんなに頻繁に遭難するんでしょうね?たぶん、アレです・・・山をなめてるんでないの、と思うんですけど。
で、自分は去年までは海に潜っていた訳で、そっちの方では、ガイドなんかしていた訳で、一応プロの端くれだった訳です。
そこで、ダイビングの時の記憶を辿ると、この遊びの危険度がどんだけの物なのか、ちゃんと把握しているお客は割と少なかったな、と、思う訳です。
で、ガイドの方もいい加減で、安い料金でガイドやってんだから、まっ、こんなもんだろう的にやっていた訳であります。
安全管理はどうなっているのかと言うと、マンネリ化したルーティンワークの中では、いつも通りやっていれば、ほとんどの場合事は何も起きない、と。
だって、毎日毎日そんなに緊張して真剣に安全管理に気を配っていたら、天気の崩れ、ボートの調子、潮の変化、弁当のおかず、デートの約束と、気になってとてもじゃないですがダイビングに出掛けられなくなってしまう訳です。
まあ、私の所だけかも知れませんが、日常の馴れた仕事は、いつもの様にさらりと流されて行く訳であります。
でも、基本がしっかりしていれば、何かが起こっても大抵の場合は何とも無い訳で、まず、危なかったねぇ、で笑い話の種が一つ増える事になる訳です。
で、まあ、私だけかもしれないんですけど、勢いで言いますと、どんな業界でも職業ガイドなんてのは適当なもんだろう、と言う事であります。
あっそうそう、外人相手のガイドは違いますよ、何かと言うと直ぐに訴えられるんで、日本人をガイドするスタイルとは根本的に違います。
白人を相手にしていて問題が起こったらどうするのかと言うと、まず状況説明をします。
次に、ガイドとして最善と思われる方法を提案します。
技術的に困難があるとすると、それはどのような物で、どんなリスクがあるかなどを説明します・・・リスクの説明が一番のポイントです。
当然反対意見や、違う方法論が提案される事もあり得る訳で、ガイドは提案はしても決定はお客にしてもらう訳です・・・同意が味噌です。
で、ピンチである事を理解し、納得ずくで行動に移ったら、お客はガイドの指揮に従ってもらい、統率が重んじられる訳です。
グループがバラバラにならない事、一番弱い人が守られる事を最優先に行動する訳であります・・・まあ、本当に我が身が危なくなったら全部放って逃げますけど。
こう言う場面が何度か有った訳ですが、一番の問題は、私の語学力だったのは内緒です・・・意味分んない、って言われて意気消沈、と。
さて、トムラウシ山の大量遭難ですが、理由は色々あるんだろうと思います。
天気図を見ると発達した低気圧が北海道に接近している訳で、荒れるだろうな、と言うのは分るんじゃないかと思います。
で、個人の装備が軽装である事が指摘されているんでありますが、これも、ツアーの募集要項では、ガイドが共同装備を持つので軽身で参加が可能と謳っているそうであります。
と、言う事は、ガイドと呼ばれる人達3名の内2名がトムラウシ山は始めてと言われているのは、ガイドでは無く荷物を背負うポーターだったのだろうと思う訳です。
で、旅行会社は、梅雨の無い北海道で、日本百名山の一つ、お花畑のトムラウシ山を贅沢に縦走しながらも、軽装備で楽々登山・・・みたいな事で売ったんじゃないのか、と思う訳です。
募集要項に、一旦山が荒れたら命がけですけど、それでも行きますか?と、謳ってあったならば、個人の装備もかなり真剣な物に成っただろうし、はたして、参加者が集まったかどうか、であります。
さて、海に潜るとはどういう事かと、一言で言ってしまえば「人間が生きて行けない場所に行く」と言う事に尽きる訳であります。
宇宙に行くよりは簡単そうでありますが、生命維持装置であるスキューバー器材に命を預けて、言わば博打をしている訳であります。
だからこそ、水中にはあれほどの感動が潜んでいるのでありまして、命を落とすかもしれないリスクと引き換えに見せてもらっているのであります。
山だって一緒です・・・花を見て感動するんならガーデニングでも良いはずなのに、自分の足で歩いて見に行かないと気が済まないのは、そこに生命の動きが伴うからだと思う訳であります。
と、言う事で、海でも山でも、人が行かない所へ敢えて行くと言う事は、覚悟をして命掛けて遊ぶと言う事だろう思う訳です。
で、ある日、なめた態度で力量以上の自然にブチ当たった時には、完膚なきまでに叩きのめされて、場合によっては死んじまう訳です。
ですから、安全第一で命のやり取りなんか真っ平ゴメンと言う人は、それなりの場所で、それなりに遊ぶべきだと思うんでありますが、如何でしょうか?
山の道具
登山靴
登山靴と言う程立派な物は一足も持っていませんで、まあ、トレッキングシューズの類いを履いている訳であります。
理由は、貧乏だから高い靴は買えないだけの話しでありまして、深い意味は無いです。
内訳は・・・キャラバンのGK59がメインでありまして、市場価格は3万円前後の普及品であります。
一応ゴアテックス防水なんて事になっているんでありますが、先日の石転び雪渓で大雨に降り籠められた折りには、靴下が絞れる程に濡れました。
GK59は底が硬く、重い荷物を背負ったり、アイゼンを履いても負けないので、まずまずどんな山でも取りあえずは履ける物であります。
次は・・・アルペンスポーツのオリジナルのサウスフィールドの14000円であります。
これも防水になっているし、底はビブラムなんで、まずまず履けるんでありますが、ミッドソールが柔らかくテントを背負っての縦走や、アイゼンを履くような山では使い物になりません。
小屋泊まりでも、食事・寝具付きの山なら快適だと思います。
次は・・・アルペンスポーツのオリジナルのサウスフィールドの3980円であります。
何でこんな半端な靴を買ったのかと言いますと、本気で山に登る気なんか無かったので、取りあえず、明日履く靴をと買い求めた物でありました。
不完全防水・塩ビの底でズルズル滑る、けれども軽いし蒸れないしで、最近の軽い山行では此れがメインになっている訳です。
最後は・・・コロンビアの防寒ラバーブーツ、7800円です。
これは冬専用で、スノーシューとの組み合わせで抜群の相性を発揮する訳です。
東北の雪山ではスノーシューやワカンを履いて登る訳で、雪氷や岩氷を登る訳では無いので此れで十分な訳です。
昨シーズン買い求めて10回程雪山を歩いているんですけれども、まだ今年も使えそうで、値段の割には有用であります。
アイゼンを履いた時に底材がねじれる感覚があったんでありますが、あれは地形が悪かったようで、その後は不具合は感じていません。
ザック
70リットルの縦走用・・・泊まりの山行では、重さが1.5キログラムと軽量なものをメインに使っています。
しかし、ポケットが少なく、寸胴なのでパッキングは難しいです。
60リットルの縦走用・・・インターネットで8000円で落札して、これを一冬使いましたが、中々丈夫で使いやすいんであります。
しかし、安い素材を多用している為に自重が2.5キロもある上に、冬に60リットルではちょっと小さい訳です・・・出番が無くなりました。
30リットルの日帰り用・・・ネットで6500円で買った物で、日帰りの山では此れがメインであります。
メッシュのサイドポケットが浅くてボトルが落ちてしまう事以外は可もなく不可もなく、普通に使えています。
20リットルの散歩用・・・コールマンのタウン用ディパックなのですが、此れが優れものでありまして、弁当を持たないチョイ山はこれであります。
軽い事と、ポケットが多い事、背負いやすい事などから、もう一廻り大きかったなら此れがメインなんだがなぁ、と惜しい存在であります。
テント
テントは、なんと4張りも持っているんであります。
一つは、30年程前にスポーツ店で買った一人様のツーリングテントで、風さえ吹か無ければ今でも快適に使えますが、山では無理です。
6人用家型テント・・・これは中で立つ事が出来る大型のキャンプ用テントでして、子供とキャンプに行くのに使っていました。
立ってしまえば快適なのでありますが、此れを独りで立てるとなると缶ビール片手に1時間の大仕事になる訳で、嫌いです。
小川テントの3人用・・・これはネットで落札したんでありますが、私の知識不足でありまして、今時はもうこんなの使わないんですね。
内張り付きの冬でも使えるテントなんでありますが、重過ぎるので一度使ってお蔵入りであります。
アライテント・エアライズ・ワン・・・只今は此れがメインでありまして、ペグとフライまで入れた重量が2キロを切る軽さな訳です。
最新型だけ有って風にも滅法強くて、推定風速15メートルは余裕で受け流しておりました。
ただ、一人用と割り切ってもスペースは狭く、厳冬期で外に荷物を出せない時、中で炊事するスペースが有るかどうか疑問であります。
寝袋
寝袋も4つ持っております。
一つは、大昔なら泣く子も黙る、高校山岳部と言えば此れ、と言う定番の「ツーリスト」であります・・・20代の頃に買った2代目ですが、臭いです。
ホームセンターで買った1980円・・・夏場はこれが快適でありまして、買い求めてから20年近く立つ今も愛用しております・・・水洗い可です。
コールマンの冬用寝袋・・・厳冬期の車中泊用に昨年買いましたが、外人用なので大きくて寝返りが楽に打てて快適です・・・あんまし温かく無い。
ダンロップの羽毛の寝袋・・・羽毛が650グラム入っているんでありますが、水鳥では無く、鶏の羽でも入っているのか、温かく無いし重いです。
しかし、厳冬期でもダウンジャケットにダウンパンツを着込んで寝ればなんとかなっているので、当分これで行くつもりです・・・特価品でした。
合羽・ジャケット
ホームセンターで買った4980円を着用していたんですが、蒸れるのと農業スタイルが気になるので、ロゴスのゴアテックス類似品を買い求めてみました。
と、言いつつも、ロゴスの合羽も安物で、6980円の代物でありまして、蒸れるし、格好も良く無いんであります。
しかし、どんだけ優秀だと言われ、高価なゴアテックスを買ってみても、所詮は汗で蒸れるだろうと思うし、消耗品だと思っているのでこれで良いです。
で、冬用のアウタージャケットとしては、冬は命に関わるので、プーマのゴアテックス3レイヤーのジャケット、定価79800円を奮発して、19800円で買いました・・・結局特価品しか買えないのであります。
その他、有象無象のスキーウェアーやスキーパンツ、ジャケットなどが年代物として多数あるのですが、スキー場に着ていくと時代遅れで目立ちます。
コンロ
ガソリンストーブとガスコンロを持っているんでありますが、重量と大きさの関係で真冬でもガスコンロ一辺倒になってしまいました。
昔の認識では、ガスコンロは冬は使えないとなっていたんでありますが、今時のプロパン入りハイパワーガスはなんとか使えるようであります。
しかし、山小屋でも氷点下10度に下がった時にはガスが気化せず、根性無くチョロチョロと燃えたので厳冬期のテントでは危ないかも知れません。
しかしアレです、ガスストーブはホームセンターで2980円で買った安物なので。EPIとかだったら大丈夫・・・いや、ガスの元は一緒ですからね。
コッヘル・食器
30年程前にバイクツーリング用に買い求めたエバニューの一人用コッヘルを使っています・・・大小二個セットですが、使うのは大だけ。
これは優れもので、インスタントラーメンが一個、ぴったりと沈められる訳でありまして使いやすいです。
食器はパックライスとレトルトしか喰わないので、皿も丼も使いません・・・ラーメンはコッヘルを持って直食いです。
アルミのマグカップ一個が、コーヒーでもスープでも、汁物は全部これで、水筒の蓋が焼酎やウイスキー用となる訳です。
そして、スプーンとフォークとナイフや栓抜きなんかが沢山付いた、ビクトリノックス風の、ロゴスの680円を持ち歩いております。
ラジオ・明かり・通信手段
ラジオは、ホームセンターで980円で買ったAM・FMラジオであります・・・単三電池1本で相当長く使えます(一冬電池交換無し)
メインは、ホームセンターで買った1280円のLEDヘッドランプ・・・サブは、100均で買ったLEDライト(ボタン電池)であります。
テントでは火事が怖いのでロウソクは使いませんが、山小屋での明かりは100均で買ったロウソクがメインであります。
通信手段は・・・狼煙であります、が、場合によって通じればドコモの携帯電話を使用しております。
着るもの
下着は、ユニクロに頼っていたんでありますが、やっぱし違うと言う事で、冬はウールの上下を着用します。
夏は、速乾性のスポーツ用のシャツに、スポーツ用品店で売っているドライを謳ったTシャツ、長短それぞれであります。
下に履くパンツもユニクロは止めて、グンゼの速乾性パンツに変えたんでありますが、ゴムベルトの部分に大きな違いがあります。
で、登山とくればニッカズボンだと思っていたんでありますが、今時はそれは無いようでありまして、登山用のストレッチパンチなんかが主流なようであります。
でもそれらは異常に高価なので、私は昔から愛用のジャージを履いている訳であります・・・ほぼ快適なんですが、濡れると重いのがチョット。
インナーのフリースとダウンジャケットはユニクロでありますが、ダウンの防寒ズボンは、ナンガの軽い物を使っております・・・特価品でしたが。
靴下は、二枚重ねを基本にしていますので、一番下が濡れてもドライを謳った、高級登山用靴下・・・一足1800円であります。
で、上に重ねるのは、真夏でも純毛のロングソックスで、長いので折り返し、少々の事ならスパッツ無しで歩いております。
小物各種
ピッケルは、カジタのおもちゃ、登山用杖として販売されている4500円の物を愛用しております・・・私にはこれで十分です。
アイゼンは、インターネットの通販で5800円で買った10本爪(出っ歯)でありますが、これも岩と氷の無い山では十分だと思っております。
ロープ・・・これは本格的な山をやる人には見られたく無い装備であります。
ホームセンターで買った6ミリのロープ20メートルと、最近は捨てロープに工事用の虎ロープ12ミリも持ち歩いている訳で、ザイルにカラビナと言う格好には憧れますが、高くて手が出せません・・・まっ、必要も感じないと言えば、そうなんですけれども。
皆さん、非常用にツエルトをもっていると思うんでありますが、私は大きめのポンチョと2×2の軽量シートをビバーク用に持ち歩いています。
過去に薮や傾斜のある登山道でビバークになった時に、ツエルトを張れたためしがないので、敷く物と被るものを持ち歩く事にした訳であります。
ササ竹か木の枝で顔に隙間を作れば身体はシードが直でも良い訳で、東北の藪山ではツエルトよりも実用的だと信じております。
救急用品はほとんど持ってません・・・傷口用にサランラップと捻挫用に湿布薬とテーピング用のテープだけは持ってますが、これで足りないのは重傷で自分の手には負えないと思いますので・・・。
余談ですが・・・大きく開いた傷口は、包帯なんかよりもサランラップで巻いた方が血も止まるし傷口清潔だし、何重にも巻くと堅く締まるし、とても良い救急用品だと思うんですけど、専門家はなんて言いますかね?
あとは、地図とGPSとコンパスですが、どれも一長一短でありまして、私はいつも全部持って行く訳であります。
で、私は、知らない山に行く時に地図は、25000/1と50000/1の両方が必要でありまして、地形を見るのと最新のルートを見るので使い分けるんであります。
GPSはここ一番、吹雪や霧の時にはこれほど頼りになる奴は居ない訳で、これが無ければ冬山は行けないんであります。
しかし、GPSが突然ダウンしても良いように、常に自分の位置を地図とともに確認していないと、ウヒャーっと言う地獄を見る可能性もある訳です。
忘れちゃならない温度計・・・温度を知ると言うのは、様々な利用価値があると、私は思って持っております。
ああ、また書こうと思った事と全然違う方に来ちまった。
まっ、罵詈雑言・戯言と言う事で、笑い飛ばして下さいな、と。