ちょこっと行って来る温泉


     栃木県・那須町・那須温泉 ・・・ 那須山 

       栃木方面に住んでいる友人から誘われて那須へ行った。
    で、せっかく那須くんだりまで行くんだったら、那須のお山に登りたいし、那須辺りの温泉も楽しみたいと言う事で、我が儘なリクエストをした結果、山に行く前日に案内してもらったのが「那須山」と言う名の日帰り温泉だった。

    純国産の木材や材料にこだわった建物だそうです。

      さて、日帰り温泉施設「那須山」でありますが、三万坪の敷地内に、温泉やらお菓子の城と言う観光施設やら、那須ハートランドと言う、何だか知らないけれども、名前だけは聞いた事が有る様な観光施設を多角的に経営しているらしく、その一つが日帰り温泉施設「那須山」と言う事だそうです。

     この建物、国産の木材にこだわったと言うだけあって入り口にたった瞬間に檜の香りがぷーんと漂います。
    まあ、檜エキスでも撒かれているのかどうかは知りませんが、まず、中々に良い気分の第一歩では有りました。
    午後六時過ぎ頃に入ったのですが、広い立派な施設は結構空いていて、木戸銭の700円を支払いまして取り敢えず脱衣場へ。
    何処にでも有る健康センターと同質な脱衣場ですが、ロッカーの収納量が大きく、これは結構気の利いた設備であるなと感心です。

     さて、風呂です。
    まず、すべてを木にこだわっている様子がここでも伺えるのですが、大きな、三十人はゆったり入れそうな湯船の材質がヒバと檜でした。
    記憶が定かではないのですが、確か、床もヒバで板張りだっと思います。

     で、お湯ですが、毎分160リットル、56度の源泉を水で薄める事無く正真正銘の「源泉掛け流し」をするために、特殊な熱交換器で水を加えずに温度を適温にしているとの事で、これが本当なら、相当な拘りと言えます。
    しかし、大浴場の湯船のお湯から微かな塩素の匂いを感じた私は、何処かで混ぜ物がなされているのでは無いかと疑いました。
    恐らく、源泉に消毒用の塩素を混ぜているだけで掛け流しに偽りは無いのだろうと思いますが・・・。

     泉質は、弱アルカリでトロリ系。
    微かな塩味、無色透明、基本的には無臭、の湯に浸かって身体をさすると少しにゅるっとします。
    ほとんど癖のないお湯は、良く言えば刺激の少ないつるつる美肌系と言えます。
    しかし、温泉らしい特徴を求める向きには物足りない、単調なお湯と言えるかもしれません。
    お湯だけを見ると、何処にでも有るアルカリ泉と言う事で、特に可もなし不可もなしと言う所です。
    まあ、飲食やマッサージなどを併設しているので、家族連れが一日過ごすのには丁度良い施設という事だと思います。

     この建物の総ての天井の梁は会津の旧家五軒分の古い木材を運んで来たという事で、見事に太い栗の木を釿(ちょうな)で削った昔のものが使われており、それは見事で、温泉よりも見応えが有りました。

      「那須山」・・・うんちく

     源泉    56度  浴槽 41度
     泉質    ナトリウム・塩化物泉
     成分    ナトリウム・カルシウム
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   700円(午後4時前1000円)特大駐車場あり  手ぶら可 
     特記事項  建物の古い材木は見事です。


     栃木県・那須町・那須温泉 ・・・ ホテル・サンバレー那須 

     さて、那須連峰を駆け足で廻って来まして連れて来られたホテルがサンバレーでありました。
    私は、また食い放題のダンピング温泉かよ、と友人に食って掛かった訳であります。
    しかし、まあ、予算の関係から行ってもこんなもんだろう、と言う事で、内心は納得しているんでありますが。
    で、五時ちょっと前にチェックインして、取り敢えず1本五百円の缶ビールを買って来てのどを潤してから風呂へ行った訳であります。

     施設全体が結構な年代を経ているもののようで、それらはチョロッ、とした所に見受けられてしまうんでありますが、ここでは、脱衣場の古めかしさがちょっと痛い感じで有りました。
    しかし、風呂場に入りますと、照明が暗い事も手伝ってか、古さが中々味わい深いものに変わって来る訳でして、全体的に岩を主体にした風呂の雰囲気は悪く無いのであります。

     まず、大浴場は、30〜40人は楽に入れる広さでありまして、泉質は、たぶん、弱アルカリの単純泉でありましょう・・・個別の表示が無いので分りませんが。
    で、そこから奥には硫黄臭が漂い白濁した癪酸性の硫黄泉の岩風呂なんかが在って、コレが一番温泉らしいと言える物でありました・・・まっ、コレの泉質も推定なんでありますがね。
    で、その奥にはいよいよ本命の露天岩風呂が在る訳ですけれども、これは手前の硫黄泉と同じ源泉だと思うんでありますが、風呂が大きいので加水の量も多いのかもしれませんで、色も匂いも肌触りも薄いんです。
    その他、炭サウナやら(中に炭が二三本転がってました)クマザサ風呂やら(クマザサ入りの袋が浮いてました)ヨモギ風呂やら(ヨモギ入りの袋が浮いてました)が在って、まず、バラエティーに富んでいる事は間違いないのであります。

     夕飯がバイキング形式の喰い放題と言う事で、これを目当ての客も多いと言うのでありましたが、わたしは嘗て喰い放題で当たったのは、遠い昔のホテル聚落以来無い訳でして、期待はしていませんでした。
    が、しかし、ここの食い放題はあの聚落を彷彿とさせるパワーとボリュームが在りまして、久しぶりにこれぞ喰い放題、さあっ、腹いっぱい喰いなさい貧乏人どもよ、と言う光景を見た訳であります・・・9800円のレベルで語っている事をお忘れなく。

     さて、翌朝は5時に起きまして風呂へ行った訳であります。
    すると、どこででもやる小技を使いまして、昨晩とは男女が入れ替わっている訳であります。
    へぇー・・・と、言う事で、大体は男風呂優先なんで、翌日の女湯との入れ替え戦はしょぼくなる事に相場は決まっている訳です。
    しかし、ここでは、夜の風呂場は女優先なんでありまして、もの凄い格差で在りました。
    昨晩の男湯の定員を50名と推定しますと、こちらは200人は楽勝じゃないか、と言う規模でして、湯船の数も大きさも半端では無いのであります。
    で、特筆すべきは、マグネシウム泉の小さな湯船が一つあるのですが、これは全国的にもけっこう珍し泉質なんでは無いかと思う訳であります。
    しかし、小さな湯船にコレだけが「自家源泉掛け流し」と謳っているのは、他は違うんですよと白状しちまっているようで笑っちまうのは私だけでありましょうか?
    で、この湯船に浸かっている時に話しかけて来た爺様は、この風呂でパーキンソン病で歩けなかったのが車椅子要らずになったんだと言っていました・・・6ヶ月もこのホテルに逗留しているんだそうで、ホントーなんですかねぇ。

     帰りがけにフロントで見掛けたパンフレットで知ったんでありますが、このホテルには水着着用で入る屋外のプールと温泉の施設が在るようでして、それらを併せた風呂の数が60カ所との事で、半端じゃないのであります・・・道理で小さい子を連れた親が目立った訳であります。

    「サンバレー」・・・うんちく

     源泉    泉質3つで三本とのこと
     泉質    ナトリウム・塩化物泉・弱酸性硫黄泉・マグネシウム泉
     成分    ナトリウム・カルシウム・硫酸硫黄・マグネシウム
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・慢性皮膚病・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   1000円(日帰り入浴) 特大駐車場あり  手ぶら可 
     特記事項  1000円で一日遊べるようです。


     福島県・矢吹町・あゆり温泉 ・・・ 矢吹町健康センター 



     いや、もう温泉は飽きたでしょうと、言われれば素直に、ハイそうですと答えるんでありますが、ほら、根が貧乏性ですから、一遍出たら足代の分は廻らなくちゃなんて意地汚く考えちまう訳であります。
    なので、那須からの帰り道、高速代節約も兼ねて国道四号をひたすら行く事に決めた訳であります・・・暇だし。

    ホントーに何の変哲も無い役所感覚の建物であります

    で、温泉雑誌で帰りがけの道沿いの良さそうな所を拾って行った訳でありまして、それの一発目が「あゆり温泉」でありました。
    ガイドブックの謳い文句が「沸かさず、循環させず」の100パーセント天然温泉と書いているのに惹かれて行った訳であります。
    が、しかし、入ってみるといきなり風呂場に張り紙が在りまして、源泉の温度が上がっちまったので水で薄めないと熱くて入れないんで加水する事にしました、と。
    で、もう一丁ありまして、保健所からの指導により、衛生的要因を鑑み循環させる事にしましたんでそこん所ヨロシク、と、言う事になっているんだそうであります。
    まあ、贅沢な話では在りますね・・・源泉の勢いが無くなって沸かし湯になりましたでは無く、熱すぎるんで水入れます、ですから。
    で、これは内湯の話でありまして、10名はゆったり入れる露天風呂は源泉掛け流し100パーセントを維持している訳であります。
    この露店に入ってビックリしました・・・アルカリ泉とは聞いていましたが、それのヌルヌル度たるや半端ではありません。
    湯の中の手のひらは、まるで手に油でもついているのかと思う程にニュルニュルでありまして、風呂から上がってもしっとり感は持続するのであります。
    雨のそぼ降る露天風呂で、農作業の捗り具合を話す爺様達が、恵みの雨だなぁこれは、と宣っておりました。

     こちらの施設は町内の方達の憩いの場でありまして、町が巡回させているバスでやって来て日がな一日過ごす老人がお客の主流のようでして、見事に年寄りばかりでありました。
    小耳に挟んだんでありますが、住所と年齢を証明する物を提示すると、風呂代から食事まで、半額くらいまで割引なんだそうで、年寄りの暇つぶしにはうってつけでありますね。

    「矢吹町健康センター」・・・うんちく

     源泉    自家源泉
     泉質    アルカリ性単純泉
     成分    わかりません
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   300円(雑誌では200円だけど) 駐車場あり  手ぶら可 
     特記事項  飲食施設あり・地場産品の土産充実・足壷マッサージ1000円・弁当、おにぎり販売・あれもこれも満載です。


     福島県・大玉村・新大玉温泉 ・・・ アットホームおおたま 



     さて、国道四号を北上しつつ、何処へ行くかなぁ、と考えてみるのであります。
    で、岳温泉近辺って未踏であるな、と言う事で、んじゃぁそっち方面をと雑誌を捲ると、まあ、けっこうな数が在る訳です。
    そんな中から私の目を引いたのが「煮込みカツ丼」なる文字でありました・・・今から行けばちょうど昼飯時だからね、と。

    立派なんですけれども、もうちょっと何か面白みと言いますか、工夫があってもなぁ、と。

     まず、しょぼいカーナビがまたもやインチキ案内するもんで・・・電話番号検索で行くと役場に着いちまったんであります。
    ちょっと手こずったんでありますが、まずなんとか辿り着きまして、立派な受付で金400円なりを支払って入湯であります。
    脱衣場の定員は10名程度、風呂場の定員が6〜7名で、湯船でゆったり出来るのは5名まで、と言う塩梅の、内湯だけの風呂でありました。
    泉質はアルカリ性単純泉ですけれども、先ほどのあゆり温泉よりもアルカリ度が低いようでありましてヌルヌル感は今イチでした。

     で、昼飯に期待していた「煮込みカツ丼」なんでありますが、コレが見事に中途半端な代物でありまして、なんだこりゃぁー、と。
    カツ丼の具を千切りキャベツを敷いた皿に乗っけて、丼の御飯とみそ汁がついて来るのであります。
    コレなら普通にカツ丼してもらった方が食べやすいんですけど・・・作っている人は不思議じゃないのかなぁ、と。

     さて、ここの大広間が別料金ですけれども広いんであります。
    で、あんなに狭い風呂でどうやって捌いているのか不思議なんでありますが、大広間には30人程もの人が浴衣姿でくつろいでいる訳であります・・・まあ、たまたまなのかもしれませんが盛況だなと思った訳であります。

     今流行の村おこしと、地域住民へのサービスを兼ねた施設なんでありましょうが、宿泊施設まで完備しているのにこんな狭い風呂場でナニを売りにしたいのか、ちょっと理解に苦しむ施設でありました。

    「アットホームおおたま」・・・うんちく

     源泉    自家源泉
     泉質    アルカリ性単純泉
     成分    わかりません
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   400円 駐車場あり  手ぶら可(石けんしか無い) 
     特記事項  飲食施設あり・地場産品の土産販売・宿泊可


     福島県・二本松市・岳温泉 ・・・ 岳の湯 



     本日の本命はこれ、岳の湯なんであります。
    まあ、例によってカーナビがインチキな駐車場に案内するもんで少し手こずりましたが、大玉村から僅か7〜8キロと近くでありました。

     昨日の那須でもかなりの侘びや寂びを感じたんであります・・・ええ、閉まったままの店が目立ったんでありますが、岳温泉のそれはかなり侘しい物を感じさせる訳でありまして、客が溢れる事はあるのだろうか、なんて余計な事を心配せずにはいられない雰囲気が漂っている訳です。

    期待通りのちょっと古めかしい、昭和の匂いのする外観であります

     さて、雨がショボショボと降っているので余計に寂しく感じるのかもしれませんが、まあ、そんな感じの道を駐車場から風呂まで、徒歩5分でありました。
    で、木戸銭の300円なりを支払うんでありますが、この帳場のまわりの雰囲気が昭和そのものでありまして、良い訳です。
    さて、結構長い廊下を渡りまして風呂場なんでありますが、これが途中からなんとなく平成の雰囲気に変わってしまうんであります・・・うーん、改築かな、と。
    で、風呂に辿り着きますと、ああやっぱりな、こっちの建物は随分新しいんだな、と言うのが確実に分るのであります。

    雰囲気的にも当たらし感じの風呂場でありまして、湯治場゜らしくはありませんでした

     さて、お客は私独りと言う事で、風呂場の写真を撮る事も出来たりして、んじゃぁ楽しみにしていた岳温泉の強酸性の湯を楽しませて頂きますか、と言う事でいざ、湯船へ。
    うーん・・・温泉だぞ・・・濃いなぁ、強酸性がピリピリするわい、と言う事で、熱めの掛け流しのお湯が堪らない訳であります。
    ナンなんでしょうか?老舗の温泉のお湯は同じような成分表示がされていても、どこかに違いを感じるんであります・・・気のせいでしょうか?
    で、岳の湯も、単なる酸性の湯でありまして、PHが2.48と言うのは、弱くは無いけれども、最強でもない訳です。
    が、しかし、湯に沈み込むと何だか分らない味わいと申しましょうか、そこはかと無い妙味が滲んで来る訳であります・・・いやぁ、名湯だわ。

    五行目の注意書きを読んで下さい・・・本気で書いてるんでしょうか?

     さて、由緒正しいお湯と言うのはやっぱり違うなと言うのを実感したんでありますが、けっこう熱い訳であります。
    で、名湯なんでありますが、そんなに長湯を出来るもんでもない訳で、さっさと脱衣場で涼んでいると掃除のおばちゃんがやって参りました。
    で、おばちゃんに、入り口と風呂場の新しさに随分の落差を感じる旨を話した所、風呂場は平成17年に作り替えた、との事でありました。
    いや、それなら逆に風呂の痛みが激しいんじゃないですか、もちょっと古いかと思いましたが、と言った訳であります。
    するとおばちゃん曰く、強酸性でコンクリートはあっという間にダメになるし、で、痛みは早いんだそうで、それが岳の湯の悩みの種なんだとか。

    「岳の湯」・・・うんちく

     源泉    自家源泉 自噴 毎分50リットル
     泉質    酸性泉
     成分    わかりません
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・皮膚病・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   300円 駐車場あり  手ぶら可 
     特記事項  湯治用宿泊施設あり




    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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