よたよたと、山登り


    No.54

       

    目標 大倉山

      そして 辿り着いたのは氾濫原 

     いや、山になんか向う時間ではない事を重々承知で出掛けた訳です。
    何分にも前夜、大事な寄り合いがあって、喜んで国分町など出掛けたもんですから、朝は起きられるはずも無い訳です。
    そんな訳で家を出たのが10時45分でありまして、旗坂キャンプ場を出発したのが11時45分でありますから、まあ、山を舐めてますね。

     只今の内水面水産試験場近辺は、手前左側の縦列駐車に4台。
    試験場の奥のドン詰まりに1台と、その脇の広いスペースに3〜4台の車が置ける訳でありますが、おっさんは完全に出遅れまして、空きスペースが有りませぬ。
    無理くり突っ込んで車を痛めるのは嫌だし、他人様の出口や通行を邪魔して迷惑かけるのも嫌だし、と言う事でずーっと下って縦列スペースの、道路が広くなる所の路肩の雪に乗り上げてやっと駐車できた次第であります。

     本日の目標は、本当は花染山の予定だったんでありますが、この時間にのこのこ出て来てそれを言ったら山の神様にむつけられる事間違い無しな訳で、ちょっと軽めに変更して大倉山となった訳であります。
    いや、大倉山の方が軽く行けるのかどうか、実際の所は知りませんけれども、おっさんの感覚としては馴染みの多い大倉山の方がなんとなく柔らかいかな、と思った次第であります。

    旗坂キャンプ場の中を進んで行くとこのような味のある橋が架かっていました

     で、昨年はバカ正直に桑沼までずーっと林道を歩いて行った訳ですが、この林道は所により林間よりも質が悪い上にえらい遠回りな訳です。
    と、言う事で、本日は遊歩道を辿って行って、頃合いを見計らって林道に飛び出すと言う予定で旗坂キャンプ場を進んだ訳であります。

     さて、旗坂キャンプ場の中にはとても沢山の踏み痕が有り、それぞれが意味ありげにあちこちへと向っている訳です。
    で、おっさんはこのコースは未体験なので地図など出して自分が行きたい方向へ向かっていそうな足跡を辿ってみた訳です。
    すると、それはその先の斜面でそり遊びなどをした子供たちを含む一行の物であったようで、そこで終わりだったのであります。
    まあ、概ね良い方向な訳だし、と言う事で続きを進むと、スキーの痕が見つかり、今度はこれを辿ってみた訳です。
    で、辿りつつ地図など見ると、概ね当たっているんでは有りますが、予定の尾根筋よりもだいぶ早めに林道へ出ようしている訳であります。
    おっさんは考えました・・・地図で見ると予定のルートの方が沢も越えなくて済むしなだらかなんだが、無理してここで沢を越えて目前の急斜面に挑むと言う事は、たぶん大きな理由があるはず、と思って踏み痕を辿った訳です。
    ところが、とんでもない斜面をやっとこさっとこ登り始めて少し行くと、スキーの痕は引き返しているではありませんか。
    おいおい、此処まで登った意味はナンだったんだよ、と、おっさんとしてはせっかく登った斜面は降りたく無い訳で、行くしか無いのであります。
    そんな訳で無理矢理登り切って林道に出て地図を見ますと、予定よりも随分手前で登っちまった訳です。
    ほとんど南丸松沢の先でありました・・・林道の大回り部分のショートカットになって無ないよ、と。

     で、林道を少し進みますとかなりの量の踏み痕が真っ直ぐ下から登って来ているのに出会したのであります。
    そしてそれは林道を横断して大倉山の方向へと植林地帯に入って行くのであります・・・どこへ行くのだろう?
    どうせあと1時間と少ししたら折り返さなくてはならない訳で、予定した尾根まで行って大倉山山頂を極めるのは無理と決まっていたので、踏み痕を追ってみる事にしたのであります。

    この山の岩場を登ったと言う話は聞かないので脆いんでしょうね

     ほとんど平坦からチョットした丘程度の登りをこなして行く先には、ちらりと大倉山の岸壁が見えるようになった訳です。
    と、言う事はぁ・・・氾濫原かぁ?・・・いや、大倉山をこっちから目指しても、夏道はトラバースだから雪が着いたら登れないでしょう、等と考えているうちに、モノの見事に氾濫原へと突入した訳であります。
    いやぁ、これはまたきれいな景色だな、神秘的だなぁ・・・まっ、良い物見せてもらいましたと言う事で、大倉山山頂はあきらめだな、と。
    しかし、こちら側からはどうにもこうにも取りつく島は有りませんね、と言う事で、氾濫原をうろうろしながら昼飯代わりのどら焼きなんかを齧りつつ、どこかに隙は無いかと探してみた訳であります。

    3月の残雪期雪上キャンプは此処に決定しました・・・神秘的な場所です

     さて、だだっ広くて取り留めの無い氾濫原の中にも、なんとなく歩き易そうな所と言うのはあるもんで、そんな所を辿ってみますと、看板やらロープの結んである切り株などに出会した訳です。
    ああ、こんだけ雪が積もっていて何処でも歩けると言うのに、ベストルートを拾うと夏道を辿ると言うのは面白いもんであります。

     
    この看板で氾濫原を確信しました・・・なんちゃって。

     さて、夏道と同じルートを桑沼への周回コースの方向へ進んでみたのでありますが、やはり大倉山に登るなら最初に予定した尾根からしか無いようであります。
    ホントーに山頂は目の前なんでありますが、こっち側は断崖絶壁でありまして、近づく気にさえならないのであります。
    まあ、尾根は見えたんで感じは掴んだし・・・次回だな、と。
    たぶんアレです・・・遊歩道を素直に辿って尾根の下まで来るのが一番近くて楽で早いと思います。

     そんな訳で、今回は図らずも氾濫原の散策と言う事になった訳で、間違った割には中身は濃かったな、と。
    で、帰り道なんでありますが、あの激急斜面をビッコを庇いながら転がり落ちるバカな目には遭いたく無い、と思ったので、林道を行く事にした訳であります。

     
    カモシカは人工物や変な物を遠巻きにするのでしょうか?

       さて、林道ですから緊張も何も無く行くと思ったら大間違いですよ。
    林道の切り通しは雪崩多発地帯があったりしてそんなに甘くは無いんであります・・・まあ、基本的には楽ですけど。
    で、南丸松沢と北丸松沢などを大きく避けて蛇行している林道は、下の薮を真っ直ぐ抜けるルートの倍程の距離になる訳です。
    しかし、林道には林道の楽しさも有る訳で、開けているから見られる景色やモノも有ってそれなりに楽しいもんであります。

    本日の歩いたコース図

     足跡の全くない林道をのんびりと歩いて簱坂キャンプ場到着は3時半でありました・・・あー、楽しかった、と。


     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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