本になりました!

ここで公開していた原稿が、この度、本になりました。

  • 1999.8.6
    「週刊朝日」8月6日号に書評が載りました。
    大変にほめていただいて、ありがたいことです。
    一部引用
    「カフカの小説は難解というイメージは払拭されるかもしれない。
     ともかくエンター テイメント小説と思われるくらい面白いのだ。
     これまでカフカを読もうとして断念した人、
     これから初めてカフカを読もうとする人には必読の書だろう」
  • 1999.9.24 2刷決定。
    みなさんのおかげで、売れ行きがよく、
    初刷完売で、増刷ということになりました。
    本当にありがとうございます!
  • 2001.1.23
    読売新聞の朝刊のマルチメディア欄に、
    「ネット発書籍 売れてます」という見出しで、
     本の写真入りで紹介されました。
    「純文学の本としては大成功だった」と評価していただきました。

「逮捕+終り」 −『訴訟』より
 カフカ
 翻訳・評論 頭木弘樹

 創樹社
 1600円

創樹社のホームページ  [1] [2]

本の宅配の各社の注文ページ  [1] [2] [3]

原稿に少し手を入れ、注やふりがななど編集作業もされています。
しかし、なんといっても見てもらいたいのは、
装幀です。
最近の本の装幀にはずっと不満を持っていました。
今回、その点に関して同意が得られ、
ちょっとこれまでにない装幀となっています。
ぜひ紙カバーをとってさわってみてください。
デザインを、知り合いであることを幸いに、
その才能を高く評価している
北川一成さんに頼むことができました。
かなり有名になってきているから、
デザインに興味のある人なら名前を知っているかも。
ADC年鑑にも載っているし、
ちょうどいま発売中のデザイン雑誌「IDEA」の273号で、
16ページの特集が組まれています。
(でも、彼のデザインは、素材や特色にそのヨサがあるので、
印刷された本では、本来の素晴らしさがほとんどわかりませんが)

以下は今回の本の「はさみこみ」からの引用。

装幀について
                 編集人より

 理想を言えば、装幀なんて、ないほうがいい。
作品に対してどんな先入観も与えることのないよ
う、文字情報だけが純粋にあるのが理想です。
 しかし、現実には、本という形態をとる以上、
それはモノになります。そして、モノとして生み
出す以上、どういうモノにするかは、とことん追
求されるべきです。よく「中身が肝心なのだから」
と、装幀が軽視されますが、中身が肝心だからと
いって装幀が軽視されていいことにはなりません。
 今回、装幀にもこだわってみました。これもず
っとやりたいと思っていたことです。
 というのも、現在の一般的な本の装幀に不満が
あるからです。あまりに画一化されすぎています。
同じようなカバーがみんなかかっていて、カバー
にどんな絵を入れるかという限定された狭い範囲
のみでしか、ほとんど工夫がされていません。
 どの本を手に取っても、手ざわり、感触が同じ
です。この一冊という特別さがありません。
 そのせいで、一冊の本との出会いの感動も、薄
められているように思います。同じような本ばか
りでは、出会いも軽いものにならざるをえません。
せっかくのいい本も手の上を素通りしていきます。
 ひとつの新しいモノとの出会いの新鮮さ、それ
を取り戻したいと思いました。すぐれた小説との
出会いは、それまでにふれたことのない世界との
出会いです。それは二つとないものです。本自体
もそういうものであらねばならないと思います。
 しかし、本の画一化はコストの問題が大きいの
です。今では少しでもちがう本を作ろうとすると
ヒドク高くつきます。ほとんどがカバー式なのも、
返本になったときカバーだけ替えればまた出荷で
きるからです。カバーの紙質の範囲が限定されて
いるのも丈夫さが必要だからです。
 今回、この人ならというデザイナーを得て、素
材感、目で見たときの、手にとったときの、触感
にこだわった装幀を試みてみました。どうぞご意
見をお聞かせください。

*なお、このホームページで本の販売を行ったりはしません。
もしご興味を持っていただけましたなら、
少部数ですし、この種の本ですし、
書店の店頭で出会うことは難しいかもしれないので、
書店あるいは本の宅配便などでご注文いただけますよう、
よろしくお願いいたします。

Top