アイアン・ジャイアント (IRON GIANT)


裕也(2000年7月17日)
結構前評判がよかったので、劇場で見たかったんだけど、家の近くにシネコンがない!電車でも行けない!ということでビデオで見ました。
で感想なんですけど・・・あれ、泣けないぞ,これ?
何故泣けないか考えてみたところ、3つの理由に思い当たりました。
1つめ、この映画は展開が早すぎる。画面をじっと見て考えたり、余韻に浸ってる暇がないんです。しかもアニメの技術力というか画面の特殊性がきわだっていて、そっちにばっかり関心がいっちゃうもんだから余計泣けない(むしろその技術に感動)。
2つめ、テーマ性が薄い。この物語の焦点はジャイアントが兵器として生きる道を捨て、ヒーローへと変貌していく所にあるのだけれど、第三者がジャイアントへ向けて説得する言葉が少ない上に説得力がない。スクラップ屋のおじさんがカップ片手になにげなく「自分のなりたい自分になればいい」と言った言葉がラストまで引きずられている。
3つめ、この映画はキカイダー、ジャイアントロボ、ガメラなんかに影響を受けた世代の人達のえいがだと思うんですけど、僕はエウ”ァに熱狂した高校生なんです。だからいまいち乗れなかったのかもしれない。星は三つですね。
でもまあ、テンポはいいし、絵の動きはダイナミックで、会話のやり取りも楽しい。
しーくん(★★★☆)(2000年5月31日)
既に公開が終了してしまいましたが、近日中にビデオが発売されるということで、ビデオでもいいから是非観ていただきたいと思いコメントしました。大人の特に男性がボロボロに泣く!と話題になった作品で、ものすごい期待と「本当に、声をあげて泣いちゃったらどうしよう」というちょっぴり不安が入り混じった中、とりあえずハンカチを握り締めて(笑)上映に臨んだ次第です。結果から先に書きますと、号泣しなかったし、涙が溢れることもありませんでした。しかし、つまらないという事は決して無く、おそらくは今年のマイベストテンに入ると思います。評価がどうしても低くなってしまうのは、『E.T』とダブってしまうシーンが結構あったからで、『E.T』を観ていなかったら泣いてしまったかも・・・。絵もどちらかというと昔風なのですが、CGが全盛の(悪く言えば氾濫している)現代では、私にはかえって新鮮に写りました。ジャイアントのスケールも十分伝わってきたし、特にラスト付近で戦闘ロボになるシーンなんかは、スゲーッと心の中でつぶやいたほどです。"未来は自分で選べる・・" それは、幼い時だけの言葉ではなく、大人になった今、いやいや年老いても決して忘れてはならない言葉だと思います。私もこの言葉を深く深く刻み込み、"自分の意志"で、そして色んな夢を抱いて、生きていこう!
とみい(2000年4月26日)
tominco@pop11.odn.ne.jp
★★★★。
千葉や神奈川ではやってるのに、都内で見れない映画も珍しい。
これを見た方に質問ですが、最初の3分くらい、すごく画面が見づらくなかったですか?
たまたま見たとこでピントがあってない、ということだったのかもしれないけど。
それはさておき、たしかに話題になるだけのことはある。
単純な映画だが、けっこう深い。
50年代の冷戦時代の社会について、健全に振り返られているというのは、アメリカも捨てたものではないと思う。
(主人公の母親がシングルマザーであるというのも、たぶん社会風潮を描いた一つだろう)。
これを作った人はオタクかな、という気もする(どこかで見たシチュエーションが満載)が、見事にオリジナリティがつくられてる。
最初のアイアンジャイアントの登場シーンなど、ゴジラのパクリっぽいけど、でかさがうまく表現できていて、劇場で観る価値はあります。
なお、「未知なるものへの恐怖」から状況をかきまわす政府の奴が、私には石原慎太郎とシンクロしてみえました (要するに、お国のためにとか格好いいこといってても、土壇場では逃げ出すタイプなので、信用おけない)。
かっくん(2000年4月20日)
kao@bio.ne.jp
アニメとはいえ、むちゃくちゃ泣けるぅぅぅ〜〜〜。
始まりは間延びした感じがする、あくびの出る映画だと思って見ていたのに、後半からが勝負か。
登場人物の描き方はごく単純で、ストーリー的にもよくある感じで進んでいくのに、後半はすっかり引きずり込まれました。
周囲の男性諸君が、ほとんどジュルジュル状態でしたよ。
アメリカでは興業成績が今一つだったので、ワーナーマイカルでしかやらないようなのですが、私は応援したいな、この作品。
あれこれ、言葉はいらない。
とにかく、心から、素直に涙が流れてくる映画だったんだもの。
星は4つです!
JO(★★★★★)(1999年12月23日)
文句のつけようが無い。
ディズニーに無いソウル…魂。
アメリカでまったく無視されたアニメーションのパーフェクション、あえて誉めちぎ らせて下さい。これを読んでいる全ての人にこの映画を見て欲しいから。
まるで昔からの心に響く名作を見ているような感覚にとらわれた。始まった瞬間から 身を任せられるような…。
ぐんぐん進むストーリーに感動し、クライマックスに近づくに連れて、唇が震え出した。善悪をはじめ、何も知らなかったジャイアントが自 分で選ぶ道に号泣。
暴力反対のメッセージがジャイアントの目の輝き、そしてあの笑顔から伝わってくる。
百人中百人が楽しめる、まれに見る最高傑作。