アメリカン・ヒストリーX


監督 トニー・ケイ 出演 エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング

とみい(2000年8月29日)
エドワード・ノートンの肉体が凄い。
というのがいちばんの印象だった。
回想シーンが長すぎて、一向に話が進んでる気がしない。
>兄の告白(懺悔)を聞いて、
>一晩でこころを変化させる弟のありようにも、
>何だかよくわからないものがある。
このパンちゃんの印象とまったく同じ印象をもちました。
なんぼ神格化してる兄だからといって、説教一回くらって 考え方を180度変えるほど人間って単純じゃないと思う。
だいたいシャバにも悪い白人、いくらでも転がってるはずなのに、 なんで刑務所に入らないと、そのことがわかんないのか。
(日本人だって、治安が悪くなったの外国人のせいにしてたりする。
けっこうそのへんの感覚って、この映画の兄貴のほうに近い けど、差別意識が強い奴に限って自覚がぜんぜんないのが 同じ人種、民族として情けない)。
SELENAさんの「黒人で教養あるのは校長だけというのがいただけない」 というのについては、白人も基本的にブルーカラーしかでてきてないので それほど気にはならなかったんですが。
訴えたいことはわかるから、まあ★★☆くらい。
パンちゃん(★+★★)(2000年7月15日)
エドワード・ノートンの七変化演技と、弟のエドワード・ファーロングの憂いに満ちた顔にはびっくりすれけれど、……。
肝心な部分、エドワード・ノートンがどのようにして悲しみを怒りに、怒りを暴力に変えていったのかという部分がことばの描写に頼りすぎていて映画から遠い。
また、怒りと暴力を反省してゆく過程もあいまい。
刑務所のなかで彼がどのように闘ったのか、あるいは彼の被害を誰がどのように工夫して防いだのかを描かないことには、彼の感情と意識の変化がわからない。
刑務所で出会ったアフリカン・アメリカンの人間的な大きさ、優しさを表現するのに、恋人とのセックスの話だけでは不十分だろう。
かれがエドワート・ノートンを守っていたということを、出所間際の会話だけで表現してしまうのは乱暴すぎる。
暴力だけでなく、親切、優しさというものをもっと丁寧に描かないと、「憎しみの歴史にピリオドを打つ」という行為の重大な転換点がわからない。
(『ハリケーン』は、人間の善意を非常に具体的に、しかもおしつけがましくない形で描いていましたねえ。)
エドワード・ノートンらをあやつる男の描写もすこぶるあいまい。なぜ多くの若者が操られてしまうのか、よくわからない。
兄の告白(懺悔)を聞いて、一晩でこころを変化させる弟のありようにも、何だかよくわからないものがある。
人間のこころというものは、そんなに簡単に変わるものではないだろう。
まあ、よくわからないもの、あいまいなものを元に「簡単に」人種差別がおこなわれ、悲劇を生んでいるといえばいえるのかもしれないが、そのあいまいなものに迫らないかぎり何も描いたことにはならないように思う。たった一晩の告白を聞いたくらいで「簡単に」人種差別がいけないと気づくくらいなら、悲劇ははるか昔になくなっているだろう。
大切な問題を描くふりをして、本当は何も描いていない映画だともいえそうだ。
2人のエドワードの演技がなければ★の作品。
ラストの弟がアフリカン・アメリカンの少年に銃で撃たれて死んでしまうシーンなどは、アフリカン・アメリカンへの差別を逆に助長するもののようにも思える。こうした悲劇の締めくくり方は絶対に賛成できない。
SELENA(2000年5月11日)
日本にいる皆さんにはアメリカでの人種差別について理解しがたいのかもしれません。 しかし実際はリンカーンが選挙の当選の為に行った奴隷解放宣言、表面上の人種差別撤廃は既に完了しているものの、海面下ではいまだに人種差別は行わています。人種差別とまではいかないまでも白人優位主義は根強く残っています。ただわかっていただきたいのは、そう思っている人はそんなに多くないということです。こう取り沙汰されるといかにもアメリカ人はみんな銃を持っていて肌の色を常に気にしている、と思われてしまいがちです。そんなことはないんです!私の回りにに銃を持っている人なんて1人もいませんし、白人優位主義を持っている人なんてホンの数人だけです(しかも無意識のうちに)。ただこの映画を見て、日本人にはもっと警戒心を持て!という警告に気づいて欲しかったですね。私は、ボストンに住んでいますが、ぱっと見、すぐ日本人観光客ってわかります。だって、街中で地図広げてるんですもの!そりゃスリにだってあいますさ。日本人はなぜか客観的にものをみすぎていて、きっとこの映画を見た後、アメリカって怖いな、とかおもったんじゃないですか?甘いです!あなただってKKKに狙われるかもしれません。だって肌の色が黄色ですもの!はっ、と思ってくれたらありがたいです。なんか話が横道にそれてしまいましたが、私はこの映画を高く評価します。ただ、満点というわけには参りません。たしかにエドワード・ノートン、エドワード・ファーロングの演技と脚本には満点を無条件であげられますが、ただ私にいわせればまず編集が甘い。そして黒人を何だと思ってんだ!というのが正直な感想ですね。黒人の教養のある人物として描かれているのはあの校長だけ。あとは教養はない、バスケも弱い、そして犯罪者としてのみ描かれているという点はちょっと頂けませんね。実際、NBAの選手のほとんどは黒人だしまさにこの映画こそ白人優位主義といえなくもないというのが本音。まぁ、そんなに深くつっこまないとしても映画全体の評価は★★★と半分。いい線いってると思いますがね。
 長々とメールを書いたことをお許し下さい。私はただ日本語の書けるひとにこのことを日本人の方々に理解して欲しくて、筆(?)をとりました。また、きっと文法的に間違っている所の多々あると思いますが、どうぞお許し下さい。最後まで読んでくださってありがとうございました。
KIKU(2000年4月16日)
yi7m-kkrk@asahi-net.or.jp
★★★
よくできた映画です。
エドワードノートンがかっこいい。
弟を思う兄の気持ちも、わかるわかる。
アメリカの人種差別は、移民の集まりで成り立つ国だからどうしようもないと思う。
怒りの鉾先を肌の色にすればわかりやすいもん。
そのかわり、刺激的だし、あいまいなしがらみの無い合理主義に徹することができるのだと思う。
弱い人は疲れちゃうと思うけど。
あ、でも弱い人こそ弱い人をいじめるんだよな。
うーむ。アメリカの現状は人類の行く末を示しているのか?
どうせ滅びて行くのなら、映画ぐらいは夢を見せてほしいなあ。
ダグラス・タガミ(2000年2月24日)
とにかく、エド・ノートンがかっこいい。それにつきる。
あげく、演技がすばらしい。
あの、弟に刑務所のことを話す場面、泣けたなぁ。
実際、弟がいますが、やはり淡々と話しますね。実際。
ただ、アメリカの根強い人種差別主義は、全く理解不能です。
人種と文化や考え方は、関係ないでしょう。生活している 環境の問題でしょう。オギャーと生まれたときは、 みんな同じなのですから。
いつまでも、このような題材で、映画を作るアメリカの 病んでる姿を見て、悲しかったです。
ですから、映画の内容には、「気づくのがおそいっちゅーの」。
と言うことですが、ノートンがとにかく良かったので、★★★★です。
エドが出所後来ていたブルゾンほしいっす。どこの?
知っている方、連絡待ちます。