ア ンジェラの灰




パンちゃん(★★)(2001年2月7日)

雨と湿気のアイルランドがいいなあ。
アイルランドが舞台の映画で嫌いなものはない。
風景の色合い、特に空気の色合いが、たぶん私の故郷に似ているからだろうなあ。
映画は……。
うーん、うーん、私はやはり『木靴の樹』のようなのがいいなあ。
悲しくっても、思わず、幸せになれよ、と祈らずにはいられないような作品が。
この映画、果たして終わるんだろうか、という不安だけが続いた。
アラン・パーカーは苦手かもしれない。
NEK(2000年11 月13日)
★★★
肝心要の心理描写は全部ナレーションで済ましていたり、最後の方のストーリー展開が唐突で意味不明臭ったりする印象を持ったんですが、美術と役者と前半の 上手さで★3つ。
特に前半1時間は、まぁ殆どコントか神の悪ふざけにでも付き合わされているかの様に悲惨且つ貧乏なエピソードのテンコ盛りです。それにこれでもかと言うく らいのスラム街描写とジョン・ウィリアムスの音楽が拍車をかけ観客はダウナー気分に…とならないのはアラン・パーカーの上手さでしょう。
この映画のもう1つの主人公である美術セットは素晴らしいの一言です。とてつもなく汚らしい、そしてとてつもなく貧乏臭い、ケド暖かさを感じるスラム街、 それはかつて日本にもあった光景なのだろう。そしてそこに生きる人の描写によって凡庸な演出ならば、とてつもなく暗くなるストーリーにある種の安らぎを生 む事に成功しています。
そしてそのセットと一体化したかの如きロバート・カーライルとエミリー・ワトソンの演技の素晴らしい事。特に酒に溺れる自分を自己嫌悪し、家族を愛し、仕 事に精を出そうとしながらも、結局酒以外に拠り所を得られなかったカーライルは本当にイイ。そして同時に彼が居なくなると同時に映画は精彩を失ってしまう んですな。
そこがクリアできてればねぇ。★4つ以上いったのに。
takoyan(2000年11月12日)
★★★☆
世界大恐慌の不況の風が吹き荒れる1930年代のアイルランド。
子供達を愛しているのだけど、酒を止められず、失業手当さえ酒代に使ってしまう父、 一家を必死で切り盛りする母、 極限の貧しさの中でもユーモアを忘れない子供達、 そんな一家の10数年を、実話にもとづき淡々と描いた映画。
なんといっても俳優さんがいい!
大好きなロバート・カーライルが出ている!
(「FACE」以来、完全にはまってしまいました。この映画を見に行ったのも、彼が出ていたから。)
エミリー・ワトソンが出ている!
やっぱりこの御二方は演技がうまい!
哀愁漂う、どこか寂しげなロバート・カーライルは最高です。
こういう役がはまってますねえ、「FACE」といい。
内容は、これといって感動もせず、まあ、退屈もせずで・・・、手堅い出来ということでしょうか。
しかし、これだけの内容を2時間に詰め込んだアラン・パーカーはお見事!
山なし谷なしのこの映画ですが、ほんまに退屈はしませんでした。
上々の出来です。