NYPD15分署



パンちゃん(★★★★)(2000年4月13日)
チャイナタウンの表情(ビルの色合い、商店の奇妙な匂い)がとてもよく出ていて、あれ、この監督は中国人? と思うほど。(実際は誰?)
こうした街の表情を具体的に描き出した映画というのは私は大好きで、出だしからわくわくして見てしまった。
内容は中国マフィアの対立、警察内部の汚職捜査、警官同士の恩義、裏切りと友情などがからみあい、幾分盛り沢山という感じもする。
『L.A.コンフィデンシャル』の向こうを張り、『チャイナ・タウン・コンフィデンシャル』を狙ったのかもしれない。
うまくいけば、確かにそうなりえた映画だろう。
脚本はしっかりしていて、話がこみいってはいるけれど、ご都合主義をそれほど感じさせない。
では、何が原因で、あまり人気がないのか(客が入らないのか)。
チョウ・ユン・ファが原因かもしれないなあ。CHOW YUN FATのFATは「太った」FAT。
動きというより体全体から滲み出る雰囲気に角張った印象、硬さの印象がなく、それがどうも警察アクションとはかみ合わない感じがする。
『アンナと王様』のときの丸い背中が王様という印象から遠いのに似ている。
この人はチャイナ服しか似合わないのではないか、などと思いながら見てしまった。
ようするに変なところに気が散ってしまって、それがよくない。
チョウ・ユン・ファが口の中に指を突っ込み、卵を生まれるときの「ポン」という音を立て、その濡れた指を振って、思いを表現するところなど、何だこれは(笑い)、と引き込まれる面白さもあるんだけれどね。
あ、カーチェイスのシーン(これがとてもいい。久々の傑作)で、「AAZ」を「アルファ、アルファ、ジー」と発音していたのに気がついたけれど、そうか、緊急の報告は聞き取りやすいように、色々工夫があるのだ、と思い感心した。
日常のことばはいつでもおもしろいなあ、とも思った。
とみい(2000年4月11日)
tominco@pop11.odn.ne.jp
★★★
うーん、水準作かな。
汚職警官の内部告発物かと思ったら、男の友情物語でした。
地味な作品だけど、悪くはない。
チョウユンファの表情には、相変わらず味がある。
ただ、クライマックスの銃撃シーンの後があっさりしすぎてたのが、ちょっと残念。
もう一盛り上がりあったほうがいいなあ。
これが先週末の配収7位というメールをけさ読みましたが、客は8人しかいなかった(池袋の夜の回)。
toto(2000年4月9日)
totoworld@yahoo.co.jp
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sumire/2808/
個人的にチョウユンファの大ファンなので、まずはこの映画が日本 で観れたことを嬉しく思います。
映画自体の出来は、チョウユンファに徹底的に花を持たせた「リプレー スメントキラー」より地味な感じがするものの見応えのある硬派な 作品に仕上がっています。
さらに嬉しいのは「男たちの挽歌」などにも通ずる哀愁を画面から 感じ取れたことです。
余談ですが、最近活躍目覚しいマークウォールバーグが元NKOTBの メンバーだったなんて知らなかったです。(私の評価★★★☆)