エニイ・ギブン・サンデー


監督 オリバー・ストーン 出演 アル・パチーノ、キャメロン・ディアス、デニス・クエイド、ジェイミー・フォックス

PRIMETIME(2000年9月22日)
http://planet.gaiax.com/home/deion21/main

 文句なしに★5つ。
 最初に言いたいのだが、この映画は、アメリカンフットボール好きにはたまらない映画なのだ。と同時に、フットボールを知らない人(つまりほとんどの日本人)には、この映画の魅力を理解するのはとても難しいであろう。まずそのこと自体が大変残念である。
 まず、フットボール・シーンについて。
 フットボール・シーンは非常に素晴らしいものであった。これまでのフットボール映画の中で最高である。
 テレビで見るフットボールと、フィールドに立つフットボールはまったく違う。実際のフィールドの上は、華麗とはほど遠い、血と肉のぶつかり合いなのだ。
 プレイシーンはクォーターバックの視点から描かれていて、非常にリアルである。選手一人一人の動きや判断ミス、さらにはQBを狙うディフェンスの視線の動きまで、フットボールを知っているものなら両手を振りかざして興奮するシーンのオンパレードである。
 ただこれも、ほとんどのアメリカ人なら見ただけで分かるのだが、フットボールを知らない人にはまったくその意味が理解できないであろうことが想像できる。非常にくやしい。
 それとただ一点、試合中に眼球が取れるシーン、あれだけが多少大げさであり、そのせいでシーン全体の伝わり方が変わってしまったのが残念だが、その他はまったく大げさではないと書いておきたい。
 プロの世界では、毎年生命の危険に関わる怪我を負う選手が本当に出るのである。 映画の世界の出来事だと思ってはいただきたくないのだ。
 そしてストーリー。現在のNFL(米プロフットボールリーグ)が抱えている問題点、つまり全てを商売の道具にしようとするオーナーと、フットボールに生涯のほとんどをささげてきたヘッドコーチとの対立を軸にして描かれている。
 スターダムにのし上がった若い黒人QBの栄光と驕り。
 リーダーとは何か。QBとは何か。サウナルームでディフェンスリーダーに説かれるシーンが印象深い。
 というのも、ディフェンスリーダーを演じていたのは、先日NFLの殿堂入りをした伝説のプレイヤー、ローレンス・テイラーだからである。
 プレイ・シーンでも、現役時代あらゆるQBが震え上がった彼の殺気が、画面から飛び出してきそうで私は震えた。
 しかしこれも、知らない人からすれば「だから?」なのであろう。本当に悔しい。
 フットボールは熱い男でなければできない。プレイする事で伴う、肉体の痛みが半端じゃないからだ。試合翌日は痛みで1日中動けなくなる選手も数多い。
 だから、フィールドという名の戦場に出ていく選手たちを鼓舞する為に、ヘッドコーチは試合前に必ず演説を行う。演説下手なヘッドコーチは、選手からの信頼を得る事はできないのだ。
 それほど、フットボールに演説(ペップトークという)は絶対不可欠な要素なのだ。ペップトークのないフットボール映画など、逆に薄っぺらい映画なのだ。
 私はこのヘッドコーチの演説を聞いて、このヘッドコーチの下でなら、選手たちは喜んで自分の身をフィールドに投げ出すであろうとさえ思った。
 男の「生きざま」が好きな人間なら、フットボールを知らない人でも一度見ていただきたい。そしてフットボールの世界を知っていただけたら最高である。
 この映画が日本で評価されづらいのは仕方がないのかもしれない。
 しかしフットボールを愛するものなら、これ以上魂を揺さぶられる事もない名作なのだという事をここに断言して、この文をしめたいと思う。
s.hayashi(★★★)(2000年6月7日)
初投稿です。
ガツガツザザザと肉体のぶつかる音、走る音と迫力ある映像の洪水に不覚にも眠くなってしまいました。
映画は緩急が大事だわと勝手に納得。
real manになれとか言われて血管浮き上がらせて、燃えてくる男達を見て、映画の内容より、アメリカの男の子の育て方、及び育てられ方に、興味が湧いたので星3つです。
パンちゃん(★)(2000年5月23日)
アメリカン・フットボールの話なのに、試合のシーンがまったくおもしろくない。テレビでときどきやっているが(いつもやっているのかな?)、あっちの方がはるかに興奮する。(会社でときどき見ている)
男気だとかチームだとか、いろいろうるさい。本気で演説までしてるみたいなんだけれど、映画なんだから、演説するのはやめて欲しいなあ。映像で見せて欲しいなあ。
みどころは、チャールトン・ヘストンが二役で出ていることでしょうか。