BARに灯ともる頃


そん(6月15日)
msonda@hotmail.com
福岡のTNCパヴェリアで地味に公開中の作品ですが、思いがけない掘り出し物でした。1週間以上前に観たので“これは上映終了前にパンちゃんに知らせなきゃ!”と意気込んで感想を書いたのですが、うっかり投稿を忘れていました。上映終了は18日・・・・もう間に合わないですよね。
イタリアの港町で兵役に従事中の息子を訪ねた父親が、2人で街で1日を過ごすというだけの単純なストーリーなのですが、1分たりとも退屈させられません。
何が良いってまず父親役のM・マストロヤンニでしょう。息子に何も相談せずにいきなり「オマエに家を買ってやったぞ。」などと言う暴走気味の父親なのですが、彼が演じると、人間の悲しさと愛らしさがくっきりと浮き上がってきます。息子のGF(アンヌ・パリロー。「仮面の男」より断然良い!)に「あいつはベッドではどうなんだ。」と真剣に聞くところなんて思わずにやにや・・・。靴を買う場面も良い。
この映画を観ながら大好きな「黒い瞳」を思い出しました。
息子役の俳優も良いです。名前忘れたのですが・・・。
せっかちで自分勝手な父親に反発しつつゆっくり心を通わせようとする様は印象的でした。
派手なストーリー展開や決めのシーンがあるわけではありませんが、2時間近く至福の時を過ごすことが出来ました。東京では公開は終わっていると思いますが、機会があったらぜひご覧になることをお奨めします。
これはマストロヤンニの遺作になるのかなあ。