八月のクリスマス


しーくん(★★★★)(1999年7月5日)
kanpoh1@dus.sun-ip.or.jp
何か妙なタイトルですね。しかし何故かこのタイトルが気になって劇場に足を運びました。初めて海外旅行をしたのが韓国なのですが、そのときの印象と、今回見た第一印象は全く同じでした。どういう事かと言うと、ちょっと(かなり?)失礼な言い方かもしれませんが、街並み、風景、服装等が10年から15年前の日本を見ているような感じになるのです。しかし、それがかえって私にとっては親しみやすく、自分の青春時代とオーバーラップもして、大傑作とは言えないかもしれませんが、心のどこかに永遠に残る好印象を与えてくれる作品です。ジャンルから言うとラブストーリーですが、KISSシーンはおろか愛を語り合うシーンもありません。それではラブストーリーでは無いのでは?と言われそうですが、いえいえ正真正銘のラブストーリーです(笑)。主人公の青年(と言っても中年にほど近い)と若い女性の甘く切ない恋物語。しかし青年は末期の癌で残された日はあと僅か・・・。この様な粗筋を聞くと、先の展開はある程度読めそうなものですが、予想は全く裏切られます。つまりはお涙ちょうだい映画にならないのです。本作品は意図的と思える程、そう言う場面をカットしています。この様な演出は去年の傑作『がんばっていきまっしょい』とよく似ていますが、こちらのカットの方が大胆です。まるでこの続きは見ている皆さんがそれぞれ想像して下さい・・・って感じ。しかしそれが嫌みにならないし(ちょっとするかな?)、それでも感動してしまうのは、演出力の旨さなんでしょうね。まだ大阪では公開されたばかりなので細部はカットしますが(笑)、もし時間があるのなら是非(今週末はある映画に観客が集中しますから・・・)見ていただきたい作品です。青年を演じるハン・ソッキュは、抜群の演技力を持つ人気俳優さんらしいです。全くその通りで、男性に感情移入してしまったのは久しぶりです。相手の女性役のシム・ウナは若手俳優の中でも特に人気があるそうです。はいっ!私もファンになってしまいました(笑)。笑顔が少し秋篠宮妃紀子様に似ているなあと思いました。最近ミニシアターで上映される作品を見る機会が多いのですが、観客数の多さには驚き、又感心してしまいます。皆さんどこで情報を手に入れているのでしょうねぇ・・・