パトリオット


監督 ローランド・エメリッヒ 出演 メル・ギブソン、ヒュース・レジャー、ジョエリー・リチャードソン

パンちゃん(★★)(2000年9月29日)
うーん、メル・ギブソンはどうしてしまったのだろう。
この俳優の魅力は無邪気な色気にある。
もてすぎて、もうもてる役なんかやりたくない、と思ってしまったのかな?
ショーン・コネリーやジャック・ニコルソンでさえ、「色」を売っているんだから、メル・ギフソンにはもっともっと「色」を売ってもらいたい。
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この映画、何が嫌いといって「家族愛」が人間の行動の基準になっているところ。
「家族愛」が悪いというのではないけれど、それを「国家」への愛、あるいは「正義」といっしょくたにしてしまうところが、どうも気持ち悪い。
「独立戦争」って、「家族愛」の物語だったの???
私は歴史にうといからよくわからないが、ちょっと何か問題をすりかえていないか? と思ってしまった。
先住民族との戦いも、何やらメル・ギブソンの語りのなかに少し出てくるだけで、うーん、疑問、疑問、疑問だらけの映画です。
★二つは、戦闘シーンがわりと丁寧に描かれていたから。
黒猫ベイビー(星★★★)(2000年9月28日)
面白かったことは面白かった。色々盛り沢山で最後まで飽きませんでしたが・・。が、あまりにも薄っぺらい。
(注意:ややネタバレ)
せっかく良い部分・・自分が犯した罪はやがて返ってくると言った主人公の呟きや、人の良いイギリス高官が殺されてしまうシーンとかあるのに生かされず、あまりにも偽善的。
正義の名の元に殺した人間の中にはあんたの息子と同じ、誰かの息子がいるのだよ・・。家族をメインテーマにするのなら、それも描かなくてはだめでしょう。
明らかに意識して作られているので(台詞もモロダブってる部分有り)比べちゃいけないと思いつつ、比べてしまうグラ◯◯エーター。・・自分の"息子"の命を奪った仇もまた、父を(魂のレベルで)主人公(自分)によって奪われた"息子"だった・・一筋縄ではいかない業の深さ。
でも娯楽大作と割り切れば、面白かった。
ライバル的に対抗した映画を逆に際立たせてしまったね。
もう少し煮詰めて来年あたりに公開すればよかったね。
しろ太(2000年9月26日)

メルギブソンがつえー父ちゃんをやるすごくわかりやすい映画。
でも、アメリカ独立が英国の支配から脱するための自由への戦いだった事を描こうとしたのだとしたら、欺瞞に満ち満ちた、吐き気のするような映画。
ひどい言い方ですみません。
でも単純ではないはずの史実を、紙芝居みたいな脚本で、べたに、湿度たっぷりに描いてるのでほんとに嫌になった。
復讐を後悔しているはずのメルギブソンに最後に復讐させるのはアメリカ人向けのサービスなのか?これでは冒頭のモノローグが何の意味もないじゃないか。敵が最悪に陰湿なやつで、家族を守る為だからいいというのか?
(監督から判断して、そんな人はいないと思うが)歴史大作と思って観に行った人はうんざりすると思う。
キャストは素晴らしく(ただし、余り演技させてもらってない)、画面もゴージャスで美しい。このことがさらに腹立たしいです。
面白かったと感じた人、すみません。でも私はだめでした。