ブロークダウン・パレス


パンちゃん(★)(1999年10月15日)
後味が非常に悪い。
人は嘘をついてはいけない。でも、人を助けるための嘘ならば?
これは少年・少女向きのとても深遠なテーマである。
その深遠なテーマが、とてつもなく後味が悪いものになってしまったのは、舞台をタイにしたからである。
どこの国に役人の不正があり、その不正のために「正しさ」が実現されなくても、それはある意味では仕方がないことだが、背景にそうしたものを持ち出すのはどうか。
ここには一種の人種差別がひそんでいないか。
白人の(あるいはアメリカの)少女は、友人のために自己犠牲さえいとわない。
なのに途上国は、そしてその国民は……。