ファースト・コンタクト


監督 ジョン・W・ウィラー 主演 パトリック・スチュワート、ジョナサン・フレイクス、ブレント・スナイパーほか


パンちゃん(★)
これは一体、何なのかなあ。
「ボーグ」がまず、怖くない。とってもちゃち。どんな攻撃にも適応し、すぐ攻撃そのものを無効にしてしまうというのはなかなかおもしろい設定だが、あまりにも無機質的すぎる。どうしたって矛盾を抱えている人間の方が強い、という印象を抱いてしまう。これじゃあ、どうしようもない。
船長も禿で魅力がない。(別に、前のビール腹のカーク船長が魅力的というわけじゃないけれど。)どうも色気がない。どんな映画にしろ、主人公に色気がなければおもしろくはない。
対するボーグも魅力がない。セックスなんかも人間と異星人の重要なテーマになっているにもかかわらず、とてもなおざり。
はぐらかされた、という感じだけがする。欲求不満だけが残る。
相変わらずの、アメリカ民主主義こそが最上のもの----という概念も、何だかうさん臭さをつのらせるだけ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」というか「ターミネーター」というか、二番煎じのストーリー設定もおもしろくないなあ。
昔テレビで必死になって観ていた「スター・トレック」もこんなにちゃちな内容だったのかなあ。

岡本達也(★★★★と2分の1個)
dstoyama@cafecap.co.jp
http://www.cafecap.co.jp/dstoyama
TVシリーズ「新スタートレック」の劇場用映画版の第2弾で、スタートレックの劇場用映画シリーズの中でも、最高傑作だと思います。
内容は、TVシリーズの前後編エピソード「浮遊機械都市ボーグ」の後日談というべきもので、冒頭には、TVシリーズの映像をバージョンアップして使用した、ボーグの一員に改造されたピカード艦長のクローズアップ・シーンがあったのが印象的でした。しかも、TVシリーズの時と同じように「抵抗は無駄だ」と言うシーンもあって、うれしいサービスになっていました(このシーンは、ピカードの悪夢のシーン)。
さて、メインのストーリーは、再び地球に侵略してきたボーグを倒すため、ピカードが指揮するUSSエンタープライズE(映画版の前作の「ジェネレーションズ」で大破したエンタープライズDに代わって、新たに登場)が、宇宙艦隊と協力してボーグの宇宙船を破壊しますが、彼らは、小型宇宙船で脱出して21世紀にタイムスリップしました。その目的は、ワープ航法理論の発明者のゼフレム・コックレーン博士を抹殺して歴史を変え、惑星連邦成立のきっかけとなった、地球人とヴァルカン星人とのファースト・コンタクトをなかったことにしようというものだ\たのです。そこで、ピカードは、ボーグのあとを追ってエンタープライズEを過去にタイムスリップさせ、正しい歴史の流れを守るために、21世紀の地球において、ボーグを撃滅するための戦いを開始します・・・・・、というものでした。ただ、この作品は、TVシリーズをみていないと、よくわからないことが多いのも確かです。例えば、ピカードはなぜ、あれほど、ボーグに対して復讐心を持っているのかとか、ボーグは、なぜ、常に集団で行動しているのか(しかも、自らのことを、「我々は・・・・・」と称している)など、TVシリーズをみていないと、頭が混乱してしまいます(「エヴァンゲリオン」と同じように)がね。
印象としては、ヴァルカン星人とのファースト・コンタクトを成功させるまでの努力の過程よりも、「ピカードのボーグへの復讐」がメインのような気がしました。特に、ボーグのリーダーの”ボーグクイーン”との間のシーンでは、クルーの一員である、アンドロイドのデータ少佐が、ボーグに誘惑されるのを見て、更なる怒りを露にしていたのが印象的でした。まあ、データは、最後に、意外な行動を取りましたがね。
とにかく、アラを探せばキリがないのも、さらには、注文を付けたいシーンがあったのも確かですが、スタートレックの劇場用映画シリーズ版の中では、第4作目の「スタートレック4/故郷(ふるさと)へのい旅」に並ぶ最高傑作であるのは、間違いないと思います。

TAKUO(★★★)
ntakuo@jsn.justnet.or.jp
http://www.justnet.or.jp/home/ntakuo/
なぜ今頃ファースト・コンタクトなのかがよく分からないのですが、まあ良いでしょう。
私もSFファンの端くれであり、かつトレッキー2・3歩手前であるからして、この場を借りて少々語らせてもらいましょう(自分のHPでほとんど語っていないのに)。
本作の最大の欠点は、映画にした理由が見えてこないということです。
過去のスタートレック劇場シリーズは、映画という表現手段を良く生かしていたと思われます。
だからこそ映画シリーズで大量にファンが生まれたのです。
一方、新シリーズ(ネクスト・ジェネレーション;以下TNG)の劇場版はそこが弱い。
映画だからできる冒険をしたとは思えないこじんまりとした作り、即ちテレビ製作慣れした作品という印象を受けてしまうのです。
本作の監督はTNGにおけるエンタープライズ副長役の方です。
だからこそ、TNGではできなかった事に挑戦し、新シリーズも劇場版として楽しめるところを見せて欲しかったのです。
ところが実体は、TNG視聴者の内輪受けネタ、今更のタイムトリップ、そしてボーグとの中途半端な戦闘。
これではテレビの2時間スペシャルです。
スタートレックファンが泣いて喜ぶストーリーもあったのは確かなのですが、生粋のファン以外も楽しめてこそ、伝統あるスタートレックの映画と言えるのではないでしょうか。
スケール感溢れる、これぞスタートレックと言える作品での再挑戦を期待します。
先に記入したファンの方とは対立してしまうような気もしますが、ま、ファンもいろいろ、十人十色ということです。
PS:ところでパンちゃんさん、よけいなことは思いますが参考までに一言。
ピカード艦長をただのハゲジジイで魅力がないなんて言ってはいけません。
全世界のスタートレックファンから袋叩きに合うおそれがあります(NASAやら飛び道具を使うところにはファンが多い)。
テレビシリーズでは、人望熱く外交手腕に長け、シェイクスピアを愛する素晴らしい艦長として人気なのです。
ま、「ペンは剣よりも強」なので心配はいらないでしょうが。