ブエノスアイレス

監督 ウォン・カーウァイ 主演 トニー・レオン、レスリー・チャン、チャン・チェン

pinochang(★★★)
pinochang@hotmail.com
私からも言わせてもらえば、まあまあといったところかな?とにかく、トニーレオンがかっこ良かった。でも、あれではトニーかレスリーのどっちかが女だったら単なる恋愛ドラマって感じ。pinoは★3つ・・・これはトニーのかっこよさにってことで・・・
パンちゃん(★★★)(12月11日)
互いに惹かれながら憎しむことしかできない二人の男の生活が克明に描かれるんですが……。
しかし、なぜ二人が惹かれあうのかがさっぱりわからない。相手のどこが好きなのかさっぱりわからない。
小林薫(?)がきつね目の男とこころをかよわせるシーンは、わかるんですがねえ。何もいわず抱き合って別れるシーンなんかきれいなんですがねえ。
主役の二人が、相手のどこが好きかわからなくてもいい、と思えば、そこで展開される感情の濃密さ、きめのこまかさ(何となく、桃井かおり、秋吉久美子あたりが出た映画みたいな感じ)はおもしろいかもしれないが、どこが好きなのか、なぜいっしょにいたいのか気になると何かなんだかわからなくなる映画だ。
感性の鋭敏さを映像で表現しただけの、得体のしれないもの、という感じがぬぐいきれない。
モノクロ、セピア、カラーと使い分けた映像も、変に視神経を刺激する。
だいたい、なぜブエノスアイレスなのか? ただピアソラのタンゴを使いたかったから、流行をとりあえず映画にとりいれたかったからだろうか。それもよくわからない。
まあ、しかしイグアスの滝はすごいなあ。あんなにたくさん水が次から次へと落ちていって、よくなくならないものだ、と思ってしまう。落ちた水も落ちた水で、いったいどこへ流れていってしまうんだろうか、と私は本当に心配になってしまった。実物を見て確かめたい、と思ってしまった。
残念なのは、予告編で息をのんだ逆さまのビルの映像は水に映った映像ではなかったこと。なんだ、と思ってしまった。冷たく美しい映像に、予告編ではびっくりしたが、私の勘違いだった。勘違いとわかった瞬間、平凡さにあきれた。クイック・アンド・スローの映像も、なんだかうるさかったなあ。
★3個は、同性愛を平然と描いている、その平然さに対してのもの。そういう点では、非常に珍しかった。『フィラデルフィア』にしろ『ウエディング・パンケット』にしろ、後ろめたさというか、他者にたいして同性愛を隠そうとする姿勢が見えたが、ここでは、それがまったくない。あたりまえの愛として描かれている。ただし、二人が後ろめたさをまったく感じていない理由が、ブエノスアイレス(地球の裏側で知り合いが誰もいない)ということにあるのだとしたら、なんだかかえって寒々しい。だからこそ、気になるんですねえ。なぜ、ブエノスアイレスなのか。なぜ台北や香港ではないのか。
ところで、チラシにあった、屋上での二人のからみあったシーン、映画ではありませんでしたねえ。
熊野 新(★★)(11月20日)
s.kuma@sisya.tohoku.ntt.co.jp
映像がカラーになったりモノクロになったりしますが、私にはその意図がわかりませんでした。香港が逆さまに映っていたのには感心しました。凄さは感じましたが、やっぱり男同士のキス(激しいこと!)は気持ち悪かったです。最後の方に出てくる男(料理店のアルバイター)の描きかたがもうちょっと・・・と思いました。


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