イングリッシュ・ペイシェント


監督 アンソニー・ミンゲラ 主演 レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、クリスティン・スコット・トーマス、ウィレム・デフォー
パンちゃん(★★★★)
ラブ・ロマンスとか文芸大作というのは苦手だ。重くていけない----と思っていたが
感動してしまった。
2時間40分が長くなかった。脚本(アンソニー・ミンゲラ)が非常によくできているのだと思う。全体にむりがなく、細部がそれぞれ結びつき、結びついたときに感動が高まる。ハンガリー人(?)なのに「イギリス人の患者」にされてしまった主人公の切なさ、悲しみが悲恋と重なり、単なるラブストーリーを越えて、色々考えさせられてしまう。
ジュリエット・ビノシュがカテドラルの映像を見るシーンが、ジュリエット自身を含め、非常によかった。(批評欄に長い批評を書いたので、そちらをお読みください。)
砂漠自体の映像はそれほど魅力的ではないが(『シェルタリング・スカイ』『誓い』『アラビアのロレンス』の砂漠が好き)、人間がとても魅力的に映像化されている。役者が全員とてもうまいといった方がいいのかな……。クリスティン・スコット・トーマスなどイギリスくさくて好きな女優ではなかったが、首のくぼみが美しいので気に入ってしまった。声も非常にきれいだと思った。(映画の採点とは関係ないかな)
パーティーのシーン、男の着ているタキシードの黒が非常にきれいだ。あ、イギリスの色、イギリスの黒、という印象があり、映画全体にあっている。
ろうそくの明かりの使い方なども非常に美しい。ロマンチックというのはこういうことなのか、と思ってしまう。(私はロマンチックという感覚がよくわからない、本当のところは……。)
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