カラー・オブ・ハート


しーくん(★★★★★)(5月24日)
kanpoh1@dus.sun-ip.or.jp
タイムスリップを題材にした映画は数々ありますが、主人公がTVドラマの世界に入り込んでしまうのが本作品のおもしろいところ。双子の兄妹がTVチャンネルの争いをしている時に、あるきっかけで放映されている白黒テレビのドラマの世界にタイムスリップ!そこは、まさしく白、黒、グレーだけの世界。そして決まりきった世界の中で、決まりきった事しかできない人間の世界。そこに遊び人の妹がセックスを持ち込むために、白黒の世界に色が着き始めます。マニュアル通りにしか生きられない人間への風刺として受けとめることの出来るこの作品は、私が本年で見た中では上位ランク!あまり期待していなかった作品だっただけに、大きな収穫でした。主人公の2人もいい(特に妹役リース・ウィザースプーンのファンになってしまいました)ですが、脇役もすばらしいです。父親役のウィリアム・H・メイシーは、正にほのぼのドラマのお父さん顔!ジェフ・ダニエルズが“自分の意志”で行動するあたりはホロッときてしまいます。そして母親役のジョアン・アレンは、素晴らしいの一言!ラストの顛末に少々不満もあるのですが、長い長いエンドクレジットで、凄い数のスタッフがこの映画の制作にかかわっていることがわかり、星5つとなりました。全くの余談ですが、二人がタイムスリップするシーンで、数年前に何かのテレビ番組に挿入されていたアニメ『笑うせえるすまん』(喪黒福造さんネ)が、かすかに脳裏を横切りました。ちょっと似ているなって感じで・・・
私が良いと思っているだけかもしれませんが、この様な傑作が特に話題になることもなく、決まりきった上映日数で消えていってしまうことは(予想通りガラガラ状態)非常に残念です。