恋の秋
監督:エリック・ロメール 出演:ベアトリス・ロマン、マリー・リヴィエール、アラン・リボル
そん(2月15日)
パンちゃーん!タイトルは「恋の秋」ですよ!
これ、すごくいい。じわじわ効きます。
「海辺のポーリーヌ」を観たときは“まあったく、ふらんすじんは年がら年中愛だの恋だので大騒ぎしやがって・・・”とイラついたけど同じようなことを中年男女がやっていると不思議と好もしい。若いやつらがチャラチャラするのがすかんのだろうか?
「恋の秋」の女子大生も気にくわないしね。(大人げない私・・・)
いつもぴしっとしていて、なぜか女2人に振り回されるジェラルドが私のお気に入りです。ロマンチックな感じ。
マガリのブドウ園や、中庭でお茶を飲む場面は腹立つくらい美しい。「四季の物語」の他のヤツも今シネテリエ天神でかかっているんだけど時間の関係で観られないのが悔しい。
あああ一気に観たいなー。
パンちゃん
「秋の恋」になっていましたねえ。
ごめんなさい。直しました。
石橋 尚平(★★★★)(11月29日)
shohei@m4.people.or.jp
久々のロメール!
私自身最近のロメールの作品は観に行っていないのですけれども(『緑の光線』以来じゃないかな?)、今回の作品はなかなか良かった。この齢78の監督の作品って、気取りがなく、さっぱりしているんですね。かと言って枯れる感もなく、年を感じさせない若さに満ちています。今回の話も『これだけ?』というようなものを、ふくよかで芳醇な味わいに仕上げている。今回は若い人ではなく、大人の恋愛なのでいっそう良かったのかもしれません。リセのガキだったらこうはいかないでしょう。中年の男女が些細な感情のうねりに流されることなく、繊細な恋愛を成就している。友情からこの恋を裏で仕掛けようとする親友のイザベルや、葡萄園のマガリが少女的な未熟さを露にしているのが可愛いんですね。『まるで18歳に戻ったようだ』と告白するのは、そのイザベルに仕掛けられる中年男だし、もう一人の高校教師もどうやら少女ばかりを追っ掛けている。みんな可愛いんですね。一見、そうは見えないんだけれども。実は目に見えない秋の気配のような、可愛い感情のさざ波が描かれているんです、この映画は。唯一大人なのは、マガリの息子の恋人だけなんですね。今回この人の作品を観てあらためて思ったのは、この人の映画は、選びだす顔が極めて的確だということですね。余分な演技や説明がなくても、俳優の顔がすべてを語っています。その顔が感情の繊細な変化を豊かに示しているんですね。さあ、あなたも葡萄園をそよそよと吹く秋風のようなロメールの詩的な話術を楽しんでください。
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