クラッシュ




パンちゃん(★★★★)
デビッド・クローネンバーグ監督の『裸のランチ』(★★★)はいま一つでしたね。幻想が在り来りでした。
しかし、今度はすごい。幻想は映像としてはでてこない。役者の頭のなかだけに存在する。しかし、それが奇妙に、スクリーンからはみ出してくる。
エクスタシーと死を結び付けて考える思考はバタイユなんかにもあるから、それ自体は珍しくはないのだけれど、のめりこんでいく一瞬一瞬がすごい。
これは絶望の一種だろうか、単なる欲望だろうか。
わからないけれど、傷が、逆に命の輝きを引きだす----その瞬間のまばゆさが、まばゆさのまま、そこに存在しはじめる、という感じがすごかったなあ。


PANCHAN world