マッド・シティ

監督? 主演ダスティン・ホフマン、ジョン・トラボルタ、アラン・アルダ
パンちゃん(★+★)(5月12日)
テレビカメラの前で、少しずつ真実が狂って行く、違った形になって行く、という、いわば紋切り型のマスコミ批判。
言っていることは全部わかるけど、その狂いがちっとも「恐怖」として実感できない。とてつもなく「概念的」な映画だ。あくびが出てしまう。
トラボルタの失業者の人間像も、子供たちの感性も、ばからしいほど定型化している。
ある映画のホームページ製作者によると「概念」を伝えることは重要らしいのだが、「概念」なんていうものは、言われなくたって、誰もが知っている。そんなものなど、私は興味がない。
映画で見たいのは「概念」を超える、肉体、「概念」になりきれぬ感情だ。
この映画は、それを全部そぎおとしている。
こんなことでは「マスコミの狂気」なんてものは伝わらない。
うーん、『噂の真相』(やっと予告編を見たぞ)の出来が心配になってきた。
★1個はトラボルタの演技に対して。この頭の足りなさ加減も紋切り型ではあるが、まあ、頭の足りなさを存分に表現している演技は、見物ではある。
パープリンを演じる役者は、人間としてしっかりしている、と思う。


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