マルコビッチの穴


監督 スパイク・ジョーンズ 出演 ジョン・マルコビッチ、キャメロン・ディアス

くつあてね(2001年9月9日)
編集の荒さ、雑っぽさが、妙に気になって、時間稼ぎ?と思いながら見てくと、それでも続く違和感にシマッタかなあ?彼女、退屈?窺いながら、なんだろう?それは何?続かぬ己のテンションと居心地の悪さに思いを馳せながら、でも、やっぱり見続けてけば、これは「映画」というものだというのにハッとしたりしもしないけど、例えば見てるこっちは「穴」には入れなくとも、その「映画」の誰かになりながら「映画」に見入ってたりもする訳で、その己がホントに己か?というとこれもまた怪しい話で、無意識とか意識下とかいろいろあるんだろうけど、「マルコビッチ」を見ている自分を見ている何者かがいるかも!、なんて、スムーズにいかない余分さが、ラストますます、生まれる前から閉じ込められた誰かなのかというむず痒さでバイバイ。
イブ(2001年5月20日)
★★★
面白くはないけど、なにか考えさせられる映画だった。今思うとあれはアイデンティティーを模索し続ける人間の悲惨さを描いたものなのではないか。近代以降に生まれた代替可能性の中で生きる現代人は、自己の存在理由を実感できる何かを探している。グレイグは人形使いである自分に固執する。マキシンは複数の他者に求められることによって得られる「自己の認識」に快楽を得る。ロッテはマルコヴィッチの意識に入ることによって自我を鮮明に認識する。これらのように各登場人物たちの自分に視点を向けた場面が多々ある。深く考えれば考えるほど味がでてくる映画かも。
とみい(2000年11月20日)
★★★
つまらなくはないが、思ったほど面白くはなかった。 丁寧につくっているとは感じられるが、 意外と平坦に話が進んでしまう。
因果応報の結果として、 ラストはそんなに悲劇的ではないのでは?
かな(2000年10月24日)
もう最高!!! マルコビッチ、マルコビッチ。マルコビッチ、マルコビッチ。
今のところ今年のベスト1(/19)です。
裕也(2000年10月18日)
この映画のテーマはただひとつ、変身願望。
マルコビッチの深層心理、チンパンジーのトラウマなど、意味深なシーンが出てくるけど、それらはユーモアのひとつで、哲学的な意味はないんじゃないか。
主人公たちってそんなに惨めですか?僕には一般的な小市民のすがたにみえたけど。
  マルコビッチだらけの画面には大爆笑。☆みっつ
Colles(2000年10月16日)
☆☆☆
ギャグの一つのパターンに、「みじめな人」というのがある。
やたら、みじめな人をみていると、人は、おかしみを感じるらしい。
果たして、この映画は、そんな種類の映画であったと思う。
そうして、とっても惨めなことが、本当はそうでもなくて、幸せだと思われることも、またそうではないのだと、いっているような気がする。
見ているものを、夢の世界に導くようなところもある。
そうして、現実世界における様々な葛藤や苦しみを、ここに解放しているようでもある。
けして無能ではなく、それなりに能動的に生きている彼が、なぜこんなにも惨めな目にあわなければならないのか。
そのあたりは、やたら教訓めいているところもある。
hayashi(2000年10月8日)
★★★ 
トラウマとか意識下とか、解ったようでわからない言葉は使えないので数日考えてみたけど、言葉が浮かばないです。
「マルコビッチは、着痩せする人だ」 だけが確実に言えることです。
好きでも嫌いでもない作品でした。
おさる(2000年9月29日)
★いちでしょ。
期待していたほどでは…なかった。
確かに不思議っぽい…が、正直言ってわたしゃもっと不思議を期待してました。拍子抜け。
人間が生きていくっつー点でのそこはかとないおかしさや哀しみ、情けなさ、くだらなさなんかは全然感じられなかったしなぁ。
ちょこっとおしゃれに撮ってみましたって感じ。
話しの展開としてもあまりにもベタやし。ラストシーンなんかあれじゃぁベタベタでしょ。そんな絶賛される程の映画かしらん??
哲学っぽく語ってる割には悩みが少ないような…その「軽さ」も気になるしなぁ。
ジョン・キューザック大ファンのワタクシとしてはこの映画での彼のあまりのお間抜けぶりもいやだったわん。彼のお間抜けは根本的な善良性がないと成り立たないのよっ、ぷんぷん。
その上みんな勝手だしさ。
どーなんすかねぇ。こういうのハイセンスって言うのか。
キャスリン・キーナーだけ気に入ったけどさ。
(2000年9月28日)
http://www.d1.dion.ne.jp/~goronyan
原題はご存知 『BEING JOHN MALKOVICH』
このままの方がずっとずっとセンスのいい?(笑)題名だと思うけれど。 穴といえば穴だから ま・いっかぁ〜(笑)
すごく新鮮な感覚の映画でした。 とってもハイセンス。
これは、もとから理系とか ねっから文系の方よりも 理系崩れの文系(ハイ。まさしく私・笑)のヒト向き。
なんだか実験をしているような 楽しさを覚えました。
だいたい 7 1/2階とかさぁ・・・ いきなりあの キャメロンが”私は ○○○者なの!”とか 子供時代の心的傷を負ったチンパンジーとか馬鹿馬鹿しくて面白過ぎる!
そして あの人形劇とか マルコビッチさんとやっちゃうシーンとかは とてもエロチック。
その微妙な感覚が うまく交錯して不思議な不思議なテイスト映画のできあがり。
調味料と材料を少し変えたおかげで 無国籍摩訶不思議料理が出来上がっちゃった! って感じです。
あのチラシの意味がわかるシーンはむちゃくちゃ圧巻?ですしねぇ〜(^_^;)
この映画考えちゃダメ! 味わい体感する映画だと私は思います。(^.^)
出演者にあわせて私も 何度もお尻が痛くなった・・・ような・・・(爆笑)
マルコビッチさん ご苦労様でした。
キャメロン・・メリー役よりはまっていたと思いますが(笑)
追記:2回目も観ましたが、変わらぬ面白さ・・というより1回目より冒頭などの人形劇シーンをより深く味わえ また楽しませていただきました。 全然あきなかったです。 面白い!
これ もしかすると私にとって「ロッキーホラーショー」のような存在の映画になりうるかも??
ラストのプールの水の中のシーンが いいですねぇ〜・・・
★★★★☆
パンちゃん(★★★★★)(2000年9月23日)
いやあ、こんなことを映画にしてしまうんですねえ。
人形の使い方もとてもおもしろい。いや、人形の使い方がおもしろい、というべきか。
特にセックスと人形の使い方、欲望と幻想の組み合わせ方が、実に丁寧。
最初のシーンが丁寧だから、そのまますーっと、映画の世界へ入って行ける。
異常なことが「日常」的に描かれ、以上ではなくなる瞬間が楽しい。
*
ことばで書くと、抑圧された意識と幻想のせめぎあい、あるいは抑圧された意識の解放ということなのかもしれないけれど、そうしたことばが入る余地がないくらいに楽しい。
7階と2分の1階という設定を、そのまま映像にしてしまうところがしゃれている。
毎回、エレベーターを臨時にストップさせ、それが当然というのがいいなあ。
キャメロン・ディアスが不細工な女をなんのてらいもなく演じているのが美しいし、その恋人役の女性の感じもよかったなあ。
愛が男と女にこだわらない、というか、まず、その壁を突き破るところも、実にすっきりと描かれている。
これが一番安心、心が落ち着くからそれでいい、と思っているところがいい。
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また、何か追加で書き込むかもしれない。