マーズ・アタック


監督ティム・バートン 主演ジャック・ニコルスン グレン・クローズetc


萩原健次郎(★★★★★)(2月12日)
hag02041@mbox.kyoto-inet.or.jp
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hag02041/
subject: マーズアタック
当然、★5個。
コミカルだとか、コメディというよりも、これは、ペラペラのパルプ・フィクションに映画が回帰したみたいで、きっと映画の何か(メディア=方法)を諦めている節があります。
もちろん、諦めて、あるいは嘗めてから、かかっていることろが、チープなプロットとかキャスティングの綾ににじんでいます。だから見終わった後に、その綾がたどれないほど充実した内容です。あほらしい、ということが、充実の価値とはいいませんが、映画の到達点だとは、思います。こだわりや通受けを考えないところも、この映画の深さです。首犬や、頭破裂などの「コミック」が動く絵となっていることの至福をいえば、レトロともいえますが、これも超越しています。以上の超越した、いろんな地図をもしも、たどれば、ティム・バーンは、いくらでも映画的な名作を乱造することは可能です。つまりは、すでに乱造映画であることの体現などともいえるわけです。

パンちゃん(★★★)
うーん、困っちゃいましたねえ。予告編で期待しすぎたせいか、面白いのは面白いんだけれど、採点が辛くなってしまった。
円盤が、昔懐かしい「空飛ぶ円盤」なのがうれしい。(もう、だれも「空飛ぶ円盤」なんて言わないもんねえ。)
背中を焼かれながら牛が走ってくるシーン、あ、予告編のまんまだ、という感じがいい。わくわくするねえ。
円盤の編隊(ピラミッド形)も美しくて楽しい。なんとなく「シェルブールの雨傘」のファーストシーンみたいで、これもいいねえ。
ジャック・ニコルスンの平和主義者風の大統領も、人を食ってますねえ。変な二役もおかしいですねえ。この二役のおかげで(?)アネット・ベニングが最後まで生き残るんだなあ、ということをわからせるなんて憎いですねえ。
二役といえばマーティン・ショートも二役やっていて、「火星人の雄雌の区別はどうなっている」なんて質問をするのが、あとで「火星人に生殖器がない」なんていう解剖シーンで生きてくるあたりも笑ってしまいますねえ。
ショートといえば……ロッド・スタイガーは、タカ派をやってますねえ。ちび(差別語、らしい)にされて、踏みつぶされるところなんか、ゆかいですねえ。
グレン・クローズは「101」でも大活躍らしいけれど、寝室のシーン、本当の顔みたいで傑作でした。化粧落として、ナイトクリームで顔を光らせて……うーん、立派。
しかし、まあ、スターが次々に死んで行くのは傑作ですねえ。
ジャックなんか、演説で火星人の涙を誘っておいて、あげくの果てが手にお釜ほられて(あれ、進入口をさがして、体をまさぐっていたんでしょ?)、「エイリアン」みたいに体を突き破られて死んじゃいますからねえ。
おばあちゃんが生き残ったり、落ちこぼれが活躍したり、と、これはB級映画の鉄則を踏み外していない点が、また、愉快ですねえ。
書けば書くほど面白いシーンばかりなんですが、やっぱり★は三つ。
変ですねえ。
でも、こういう映画って、★は三つでも年間ベスト10などを選ぶときは、絶対10以内に入れたくなる映画ですねえ。そこが変ですねえ。不思議ですねえ。


本田冠賢
E-mail:khonda@sta.go.jp
どうも。この映画を見に行った日は、3本ほど立て続けに見たのですが,一番印象に残りましたね。
ほとんど、笑いっぱなしでした。



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