モスラ3〜キングギドラ来襲


狗東西(★★★★)(12月17日)
ri4s-armz@asahi-net.or.jp
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 このシリーズの1作目に続き、米田興弘監督がメガホンを取った作品。あまりにも雑な作りだった2作目とは違い、私を魅了した「ファンタジー系」の、心温まる怪獣映画の世界を再び作り出してくれた。
 怪獣映画につきものの、都市を破壊するシーンは少ないが、黄金色の凶悪な輝きを放つ、日本怪獣映画史上最強最大の悪役怪獣を相手に、ボロボロになってまで泥臭く戦うモスラに、単純な感動を覚える。最後は、よみがえったモスラが圧倒的な勝利を収め、スカッとした気分にさせてくれる(ちなみに、モスラがキングギドラを単独で倒したのは、これが初めてだそうだ)。
 モスラだけでなく、シリーズのマスコットたる妖精の3姉妹にも、3人それぞれに十分な見せ場が用意されており、押さえるべきところをきちんと押さえているという感じ。
 人間たちのドラマも、怪獣同士の戦いから浮き上がることなく、きちんとストーリーにはめ込まれている。ラストシーン、「おかえり」と、小さな冒険を終えた主人公の少年を迎える母の言葉は、とてつもなく優しい。
 小学生を誘拐するキングギドラ、ギドラ系の帝王たる大怪獣にしてやることがみみっちいのと、妖精3姉妹の末妹のキャストが変わってしまったこととで、★1つ減点。
 平成モスラシリーズは、これが完結編。来年から見られないのは少し寂しい。



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