マトゥ 踊るマハラジャ
監督K.S.ラビクマール 主演ラジニカーント、サラットバーブ
ゆん(3月20日)
junny@ma4.justnet.ne.jp
最初に「スーパースター ラジニ」の文字がでかでかと映し出された時点で、倒れそうになりました。やたら多すぎる筋だし、どれも深追いしない。映画の終わり付近だけ雰囲気が全然違うし。とにかく「なんじゃこりゃ???」でしたが、私はおもしろかったです。あと、ミーナがすごくかわいかったですよ。
大学での文化人類学の講義では、「インドではラブシーンのようなものはずっとタブー視されていて、それは全て食事の場面に置き換えられる。食事の描写はセックスを意味するのだ」と聞いたのですが、どうやら、常識はもうぜんぜん変わってるみたいですね。
ヤマ(★★★★)(3月12日)
mountain@dc.mbn.or.jp
観るものに元気を与えてくれるという点で、最近では1番評価できる映画だと思います。盆踊り大会百年分を、1度に観たような気分になれました。映画が夢を与えるものとすれば、踊りの楽しさだけで見せちゃう作品だって、いいと思うのです。衣装も奇麗だったし、ヒロインもなかなか素敵でした。
ひろふ(1月19日)
b9504678@mn.waseda.ac.jp
星 1つ半
総評:とまどいそして限りない疲労。
ストーリー:ダンスあり、恋愛あり、馬車チェイスから出生の秘密まで・・。てんこもり、っていうか話題が多すぎる。
音楽:これもなじみがない。しかも映画館のスピーカーでは音が大きすぎて、聞いていてつらいです。子供が見にいったら泣きます。
俳優:ラジニカーントはインドのキムタクです(?)。
というわけで、まわりがべたぼめしているからってみにいくと、とんでもないことがある、ということですね。
とはいっても、インドの文化を知る、という意味では、こういうのもいい経験なのでは。
やっぱりつくづく驚いたのは、インド社会ではカースト制が根強く残っている、ってことと、隣の州にいくと、言葉が通じない、ちゅーことですね。やれやれ。
ななんぼ(8月23日)
nananbo@din.or.jp
http://www.din.or.jp/~nananbo/
星2つと半分(★★☆)
インド映画というのもを観るのが生まれて初めてだったのですが、インドの大衆映画てみんなあんな感じなのでしょうか?凄いですね・・・。
何が凄いて、話の展開が強引な所とか映像技術のチャチさなんて問題ではありません。感情表現を全部「踊りと歌」で表現するもんだから、その踊りの時間が長いし踊りのシーンだけ豪華というのも「らしい」。最初は面白くても何度もそのパターンをされると飽きてくるし、やはり時間の長さを感じてしまいました。ああいう映画を2度連続で観るのは相当の体力を要すると思います。
話はよくありがちな「勧善懲悪」でしたけど、インド映画ならではというか、ヌード・シーンはない、Kissシーンもはっきり見せない、死人が出ないというのが「インド映画だなぁ」と感じてしまいました。
でも、女性は美人なのに何で男性はみんなああなの???千葉真一の様に「熱い男」が魅力的なんでしょうけど、ただでさえ濃〜い内容なのに、輪をかけて濃〜い主人公だからドッと疲れが出てしまいました。
本当だったら3時間近くも要さなくても済んだ作品を、より濃〜い演出により長引かせたという印象があって、面白かったですけど内容的にもありがちだったし、むしろ観て疲れてしまったのがマイナス要因でしたね。
もう一度観たいとは思わなかったなぁ(笑)
パンちゃん(★★)
うーん、困りましたねえ。これ、一体、誰が最初にべたほめしたんでしょうか。朝日新聞の芸能面の記事でしょうか。
期待が大きすぎた反動もあるのかもしれないが、私は退屈だった。
まず色彩が汚い。デビット・リーンの『インドへの道』と比較するのはよくないのだろうけれど、インド人には本当に風景や洋服がこんな色に見えるのか。ちょっと驚く。
次にダンスシーンが単調。みんな同じ調子に見え、しかも長い。長いといえば、あらゆるシーンが長い。馬車で逃走するシーンなども長すぎて終わらないのじゃないかと思ってしまう。これをパワーと呼ぶことができるのかどうか、私には疑問。編集の才能がないのだと思う。
恋のシーンなどで服装を取っかえ引っかえ場面を盛り上げるのは、『普通じゃない』の酒場のシーンのように一回なら効果的だが、何度も繰り返されたのではあきてしまう。
「善人」が救われるというのも、ちょっと違うんじゃないだろうか。身分制度の差別を残したまま、「善人」を強調することは、「善人」であることを被差別者に強いることで制度の温存を図る権力者の常套手段だ。「聖人」(賢人)が大衆を救う、というのもうさんくさい思想である。
社会という物は、常に、そこで生活している者が自分の視点を実現することでしか改良されないものである。この映画で描かれている「聖人」の行為は、「施し」の類であって、社会の改革ではない。
この映画では、人間の本質というものが少しも描かれていない。音楽とアクションと笑いで、観客の視線が、人間の本質、社会制度の本質へ向かうことを妨害している。「勧善懲悪」のストーリーが、観客の視線を社会の本質へ向かうのを妨害している。(これが本当は、一番の問題点。)
この映画で笑っている間、楽しい時間つぶしをしている間、私たちは、けっしてインドの差別制度に気づくことはない。
インドが厳しい身分制度の一方で(身分制度に安住した社会活動の一方で)核を開発していることに気づくことはない。
この映画で笑っている間、私たちは、インドの大衆の側に立って、その人生に共感しているのではなく、インドの支配者階級の側に加担しているのかもしれない。そうしたことを自覚する必要があると思う。
*
本当は★1個にしたいのだが、たぶんに、期待と違いすぎたために採点が辛くなっているかもしれないと思い、1個余分につけた。
ギター(?)を弾くように、女を抱いて指を動かすシーンだけは気に入ったことも1個プラスの要素。
もりなおみ(★★★★★)(6月25日)
naomi_k@pb3.so-net.ne.jp
映画のもつ原始的パワーの強さをこれほどまでに実感させてくれる映画があったでしょうか?
主人公ムトゥの濃い存在感、ミーナの可憐さ、早変わりしながらどこまでも続けられる群舞の華麗さ、ジョン・ウー顔負けのアクション、楽しいマサラ・テクノ音楽。映画を見ることの幸福をこれほど感じたことはありません。
殿(6月22日)
kyuki@beige.ocn.ne.jp
インドのスーパースターを観てきました。想像を絶する面白さです。
ストーリーは、いろんな映画のいい所取りなんですが今まで観てきた映画の常識を裏切る作品でした。
ブルース・リーのようなアクションもあり、ザッツエンター〜のようなダンスあり、カーアクション(?)もあって3時間があっという間でした。これは最高峰のコメディだと思います。
印象に残っているのは、華やかな衣装と空飛ぶ馬車、強すぎる御主人様、わけが分からないカメラアングル。
映像技術もとてもチャチなものなんですが、それがまた可笑しすぎる。
渋谷のシネマライズでしかやっていないんですがオススメできます。