ナビィの恋


監督: 中江裕司 出演: 登川誠仁、平良とみ、平良進、西田尚美、村上淳 ほか
オオハマ カズユキ(2000年6月6日)
 わけあって、沖縄の西表島に住んでいます。映画館なんてもちろんない島なんだけど、中江裕司 監督自らやってきて、昨日(6/4)上映会を行いました。
 小さい集会場(でも西表では大きい)で、40人くらい集まって観ました。映画のタイトルのおかげで(?)お年寄りが目立つ、会場でした。中江監督の映画は以前も話題にはなっていたんだけど、あまり面白くなかったので、ナビィの恋もあまり期待はしてしていませんでした。(西表に住んでいなければ観に行こうと思わなかった)
 でも観てみると、とっても楽しくて、奥が深くて、すばらしい映画でした。一番すごいと思ったことは隣に座っていたばぁちゃんが、サンラーとナビィが引き裂かれていくシーンで、涙を流していたことでした。そのときに流れていた曲が八重山民謡のトゥバラーマという曲なんだけど、この曲は、八重山(石垣、西表などの総称)では年に一度大会があるほど人気がある曲なんです。僕ら若い世代(20代)は、方言をほとんど理解できません。トゥバラーマなど、外国の歌と変わらないんだけど、方言を使いこなせるお年寄りにとっては、ストレートに訴えるものがあったように見えました。
 ナビィの恋はそこら辺の選曲がうまくいっていたと思います。お年寄りにはお年寄りの、若い人には若い人なりの感動のしかたがあったのではないでしょうか。
 ちなみに、これから沖縄(日本)の高齢者の駆け落ちがこれから増えてくるのではないかと心配にもなりました。
jean(★★★★★)(2000年4月23日)
jean@pop21.odn.ne.jp
とても素敵な映画を見たので、ひさびさに投稿送ります。「ナビィの恋」、音楽の喜びと幸せがいっぱいにつまった映画でした。思い思いの楽器を手にした人たちが道端で出会って、いきなり始まるセッションの楽しそうなこと!久しぶりに帰郷した奈々子が長老の家へあいさつにいくと、堅苦しい作法があるかと思いきや、ここでも三味線と歌のお出迎え。よく晴れた午後には、縁側にあぐらをかいて三味線をひいて、洗濯物を干している孫娘の尻に注目。すかさず「いい形だな〜」などと即興の歌のできあがり。いやもう、思い出すだけで幸せな気分になってしまいます。もちろん、日々の暮らしは喜びばかりにあふれているのではないけど…。60年の間、昔の恋人のことが忘れられなかったおばあ。大切に育ててきたブーゲンビリアが、胸の奥にしまった言葉の唯一の聞き手だった。そんな彼女をずっと見てきたおじい。つらい思いや悲しみを消すことはできないけど、音楽はそれをしっかり受け止めて、前へ踏み出す強さを与えてくれる気がします。だから彼らを取り巻く音楽はこんなにも生きていて、人のぬくもりを感じさせてくれるんだと思います。エンディングの曲は、マイケル・ナイマンと恵達おじいのセッションですか?それも素敵すぎる!ぜひもう一回聞いてみなければ。またまた、欲しいサントラが増えてしまいました。
荒喜(★5つ)(2000年4月17日)
qing@air.linkclub.or.jp
今更銀座に見に行ってきました。とても見たかった映画なのでスクリーンで見られてベリーハッピーでした。
お話の後半から自分でも訳がわからないほど涙が流れ続けました。
映画を見終わっても泣きやむことができなくて、自分でも困ってしまいました。あまり多くの映画を観たわけではありませんが、今までで一番、人々の愛情が胸に落ちてきたと思います。そのせいで感情移入しすぎたようです。おじいとおばあの、お互いへの思いやりが切なくてたまらなかった。それでも島を出ていくんだから、女性はやはり頑丈ですね。自分の気持ちに正直な登場人物達が気持ち良かった。
ナヴィと恵達は、最後には離れてしまったけれど、あんな風に思いあえる夫婦になれたら素晴らしいなと思います。
沖縄音楽もよかったし、大好きなアイルランド民謡が流れてそれも嬉しかったです。地元音楽があるって良いな〜。
★は五つ。またいつか観られるといいな。
猫(2000年2月12日)
goronyan@d1.dion.ne.jp
ずっとずっと前から 観たかった映画でした。
私は 毎晩 泡盛を寝酒(でもほんのちょっぴりだよん♪)にしているくらい 沖縄ファン・・今自宅に 借り物だけど「さんしん」(あの蛇皮の通称ジャミセン)もある・・・
でも 沖縄が好きだからこの映画が好き だけではない。
いやぁ よく笑った!
なんて明るいの? 空と 海のように・・・そして やはり自然のせいだろうか 人々の廻りの時間がゆったりと流れていて やさしい。
そして何度も涙しました。おじぃのあふれるほどの愛情に・・・
痛いほど おじぃの気持ちがわかった。
おばぁ を引き留めるため 奈々子が自転車で走るシーンで 私は自問自答した・・
おばぁは戻るのだろうか?? おじぃのことを思うと・・・?
でも 結果は よかった。
そして最後のおばぁの一言に 私は泣きながら笑ってしまった。
私も こういう風に人生を送りたいものだ。
おじぃを信頼しているからこそ 船出できたんだろう・・・・
音楽も良かった。歌うだけでなく いっしょに 踊りたくなって困ってしまった(笑)
久しぶりに 映画らしい 邦画だった。
今度は おんなじ沖縄好きの 夫といっしょに観にいこぉっと!
★★★★☆(私 5つ★ だしたことないの)
パンちゃん(★★★★★)(2000年1月3日)
沖縄の海の色は剛直ですねえ。
そしてその海の色と拮抗するような、感情のストレートな強さ。しかし、それは他人を押しのけて自己主張するだけの強さではなく、相手のこころをくみとった上での、本当の強さだ。
ナビィ自身の恋にもこころを打たれたけれど、それを見守るおじぃの愛情が美しい。
若い人の恋も、自分自身の恋も、そしてナビィの恋も、同じように輝かせる人間性の大きさ。
私たちは、こうした沖縄の人のこころの大きさに甘えている部分がずいぶんあるなあ、と映画とは関係ないことまで考えさせられた。
それにしてもミュージカルはいいなあ。一緒に歌いたくなる。
「十九の春」もそうだけど、「イパネマの娘」など本当に大声で合唱したくなる。
ナビィの道行きのシーンは涙がとまらない。娘の結婚式のシーン、それからつづく子孫繁栄のシーンもさりげなくて美しい。
2000年の最初に見るのにふさわしい映画だった。
(もっと書きたいけれど、モバイルなので落ち着かない。また時間をみて、感想を追加したい。)
キリヤマ(1999年11月28日)
eigoka@ocjc.ac.jp
沖縄の小さな島で起きた騒動をつづった「大琉球ミュージカル映画」です。琉球民 謡、「カルメン」の「ハバネラ」、マイケル・ナイマンのピアノ、アイルランド音楽 などがナビィおばぁの恋を彩ります。
昔々("ロングロングアゴー")、島一番の美女ナビィは若者サンラーと恋に落ちます が、二 人の結婚はまかりならんとのユタ(占い師)のお告げにより、二人の仲は引き裂か れ、サンラーは島から追放されます。そしてある日、「必ず迎えに来る」というナ ビィとの約束を果たすため、サンラーが60年ぶりに島に戻ってきます。それを知っ たナビィおばぁの胸に60年間秘めていた恋がまた燃え上がり、家族は大騒ぎに。そ してその一方では若い二人の新しい恋も生まれて...。
ナビィのサンラーへの想いを知りつつナビィと結婚した恵達おじぃが、つとめて平静 を装いながら、ナビィを失うまいとナビィを何くれと気遣うさまが泣けます。恵達お じぃを演じているのは琉球民謡界の重鎮も重鎮、「琉球民謡協会長」の登川誠仁さん ですが、あの軽妙な演技を見たらとてもそんないかめしい肩書きを持つ人とは思えま せん。10月9日に他界された琉球民謡界の最長老、嘉手苅林昌さんも出演してい て、「十九の春」を大城美佐子さん(カッコイイ!)と一緒に歌いながら、横目で美佐子さんを見てにこにこしているのも何とも言えず艶っぽくてかっこよかったです。 「ハバネラ」を歌う麗子の若い亭主が「アイルランド」の人なのは、この映画のキー ワードになるナビィのあの一言を言わせるための設定でしょう。とても心に残る一言 です。
映画の終わりに流れる曲は、登川誠仁さんの唄う「下千鳥」(「サギチジュヤー」) をナイマン氏が聴き取り、それをピアノ曲に作曲して、録音のときに二人がそれぞれ の曲を同時に演奏したものだそうです。すごいことをするものですね。
今はまだ沖縄だけの公開ですが、これから本土各地でも上映されるそうですので、ぜ ひ見てください。(http://www.d2.dion.ne.jp/~shirous/ で映画の情報が見られ ます。でもちょっと詳しすぎるので、映画を見に行こうと思っている方はほどほどに して おいたほうがいいかも。)
客席の爆笑でセリフが聞こえないことがあったので、もう一度見にいくつもりです。