25年目のキス

jean(6月25日)
jean@pop21.odn.ne.jp
 見る前に「イケてない女が主人公」だと聞いてたので、これは人事じゃない(笑)と思って見に行きました。最初の方に「ウェルカム・ドールハウス」がらみのネタがあって、ちょっと面白かった。でも物語の方は、やっぱり薄っぺらでしたね。コメディならそれらしく、おちゃらけた笑いを取る路線で突っ走ってほしかった。ヘタにマジ顔で正論を語ったりすると、一気にさめてしまいます。例えば、プロム・パーティで高校生たちに説教する場面。言ってることは正しくても、さっきまでツッパリたちと仲良くしてたじゃ〜ん、とツッコミ入れたくなります。それからクライマックスで、自分の体験を公にする場面。メディアを武器にしちゃっていいわけ?これじゃ、自分のプライバシーをネタにして暴露本を書いたモニカ・ルインスキと変わらん。
 つい辛口になってしまいましたが、ドリューはなかなかハマり役で、可愛さ爆発でした。ダサいファッションを身にまとうとホントにショポクレて見えたし、クラブのパーティに乱入して踊りまくるところなんか、爆笑ものでした。よくまあ、あんな可愛い女優がここまでやるなあ、と思った。ドリューのぶっとび演技に星3つ。
パンちゃん(★)(1999年6月21日)
うーん、昔だったら中学生くらいの年代がやっていそうなことを25歳のOLがやっている。
たぶんアメリカという国は、生き方の二極分化が進んでいるんだろうなあ。一方でクリントンを代表とするフリーセックスがあり、他方で恋愛にも手が届かない人間が必死になってもがいているんだろうなあ。そんなことを思いながら見た。
校舎に入るのに金属探知機を通らなければならないというようなリアルな映像があるから、これは現代のアメリカの高校をそのまま描いているのだと思う。
バナナをつかってコンドームをつける練習などというのは日本の高校でもやっているかな?
そういう現代風俗を知る上ではおもしろいけれど、肝心の恋愛がねえ……。
ドリュー・バリモアの出る映画は、『ウェディング・シンガー』もそうだが(『エバー・アフター』は見逃した)、どうも古臭い少女漫画を見ている感じだ。
アメリカの恋愛がクリントン+モニカ以後、保守的、あるいは中流以下(?)に標準が変わったのかなあ。(あ、誰かに叱られそう……)
まあ、あまりトレンディーとはいえない体型のお姉さんが、落ちこぼれの高校生に恋愛の夢(あるいは自信)を与えているというふうに見ることもできるんだけれど……。
でもねえ、私は原題が気になってしようがない。
『Never been kissed』
私はネイティブではないので英語の使い方がわからないけれど、ここに表れた「受け身」の姿勢が私には気に入らない。
25歳になって初めてキスをする、そうした純愛そのものが悪いとはいわない。しかし、「受け身」とは情けない。25歳にもなったんだから、待っているんじゃなく、自分からキスをしに行きなさい。そうしたら★3個にします。