男 たちの大和





  
はせ(2006年1月8日)
(★★+★)
 戦艦大和の最後のたたかいを描く。沖縄上陸作戦に勝利しつつあったアメリカ軍に 対して、日本軍は大和を中心とする小艦隊で特攻作戦を敢行した。ときに1945年4月、沖縄への航路途上の東シナ海で、大和は多数のアメリカ軍航空機の攻 撃を受け、奮戦むなしく、数時間の戦闘ののち沈没した。
 
 何年かに一度、日本の映画会社各社が戦争映画を製作する。観客の需要が見込めるからであろう、現に本作も大ヒット中とのことだ。しかしながら、戦闘シー ンはさすがにくるしい。日本映画にしては高予算、同じたぐいのハリウッド映画の水準からすれば低予算という制約を打ち破るには至らなかった、ということだ ろう。CG画像がちゃち、豊富でない、大和全体のたたかいであるべきところが、中村師童らが陣取る高射砲一基の戦いにしか見えない、等々の欠点が目に付 く。その分を劇場の大音響がかなりカバーしているのだが。
 
 もっとも、多数の日本人が決死の戦いに挑み、大多数の日本人が諸手をあげてそれに賛同した。なおかつ、原爆を落とされるまで戦争をやめなかった、という ことを、何年かに一度、映画によって日本人自身がふりかえる、これは悪いことではないと思う。その観点で★ひとつプラス。